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トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第53回

直前の大予想!ボルボの新型FHはどう変わるのか?

直前の大予想!ボルボの新型FHはどう変わるのか?

「直前の大予想!ボルボの新型FHはどう変わるのか?」

2022年の導入が予定されている新型ボルボFH。いよいよ新型ボルボFHの全貌が明かされます。そこで、今回の鍵人訪問記では、一足先に本国のリリースに沿って新型FHを予想し、徹底解剖してみました。今回はそのリリースをベースにヨシノ自動車の精鋭たちが、期待や懸念を語り合います。あくまでも本国ベースの情報なので、ここにある情報すべてが本当に導入されるかは未定ですが、期待高まるボルボトラックの新型です。どんなカタチで日本に導入されるのか、その直前予想には欠かせない情報が盛りだくさんです!

※日本で発売されるボルボ新型FHに関する情報は現在(2021年7月1日時点)、未定です。ここに掲載される情報はすべて昨年発売された新型FHに関する本国発信の情報に基づいています。

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編集・青木雄介

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新しいヘッドライト形状とドアに移されたウインカー

エクステリアは、ヘッドライトに注目です。特徴的なV字型のヘッドライトに生まれ変わりました。方向指示器もドアに移動されています。現行型と新型を一目で区別できるようになるでしょう。

アダプティブハイビームヘッドライトを採用

アダプティブハイビームヘッドライトは対向車や他の車両に後ろから接近したときに、ハイビーム状態ながら、照らしたくない箇所を巧みに避けてハイビーム状態を維持します。V字ヘッドライト下のLEDハイビームの選択されたセグメントを自動的に無効にすることで、夜間の視認性を安全に向上させます。

停車から自動で発進するACC(アダプティブクルーズコントロール)を搭載?

ボルボFHのさらなる安全快適性能の強化として、下り坂を走行する際の不要な加速を防ぐために速度を調整する下り坂クルーズコントロール、および0 km / h発進する、すべての速度で機能する改良されたアダプティブクルーズコントロール(ACC)が装着されます。また緊急ブレーキの衝突警告や、横滑り防止装置などの電子制御ブレーキシステム(EBS)が、標準装備。同一レーン内の走行をアシストするレーンキーピングアシストとスタビリティアシストを備えたボルボダイナミックステアリングもオプションとして利用できます。

標識自動認識システムが搭載される?

追い越し制限、制限速度などの道路標識を検出できる道路標識認識システムを搭載しています。検出するとメーターパネルに表示されます。欧州では義務化が急がれている分野で、ドライバーの「気づかなかった」を未然に防ぐ役割を果たしています。

フルデジタル化されたメーターパネルとサイドディスプレイを装備

メーターパネルは完全にデジタル化されました。12インチの高解像度計器ディスプレイを備え、ドライバーは運転状況や表示したい情報に応じて、4つの異なる画面ビューから選択できます。オプションの9インチサイドディスプレイは車内のインフォテインメント(空調やステレオなど)、ナビゲーション支援、輸送情報、カメラ監視などを統合して、運転を支援します。またオプションで、トラックの側面を表示する助手席コーナーカメラを追加することで、サイドディスプレイに表示し、視認性をさらに向上させることができます。

Iシフトレバーがリニューアル!

Iシフトレバーが変わります!人間工学に基づいて設計された新しいスリムなIシフトギアセレクターにより、キャビン内の移動がこれまでになくスムーズになりました。

オプションでデュアルバッテリーが装着可能になる?

家電製品を置いたり、高いバッテリー容量を必要とするドライバーのために、デュアルバッテリー(バッテリーを2つ搭載する)を搭載できるかも知れません。エンジンを始動するために電力を、常に予備にもっておけるデュアルバッテリーシステムが本国では選択可能になっています。

※日本で発売されるボルボ新型FHに関する情報は現在(2021年7月1日時点)、未定です。ここに掲載される情報はすべて昨年発売された新型FHに関する本国発信の情報に基づいています。

ヨシノ自動車社長・中西
新型FHの洗練されたデザインにひたすら心を奪われている。

ヨシノ自動車営業・森川
ボルボで初の“森川スペシャル”の架装を夢見ている。

ヨシノ自動車営業・金野
あえて多くは語らず。新型FHの売り方はすでに準備万端!?

ヨシノ自動車デザイナー・茂木
通称・レディC。サイズの大きな架装に浪漫を感じている。

ヨシノ自動車整備・アルフレッド
夏になると社内の冷房を20℃に設定するのでひんしゅくを買っている。

求められているリジット

____さて来年度はいよいよボルボの新型 FH が導入されます。今回は昨年発表されたプレスリリースに基づいて皆さんの新型 FH への期待についてお伺いしたいと思います。現段階(2021年6月22日時点)では不明ですが、導入にあたってリジット(単車。キャブと荷台が一体になった一般的なトラック)への期待も高いと聞きます。皆さんの肌感覚として、市場の期待度あいはどうでしょうか。

中西:リジットは求められていますね。2014年以前は、弊社でもリジットを販売していました。平ボディからカーゴ車、冷凍車まで販売していました。たぶん他のディーラーさんよりも件数は多かったと記憶しています。

____販売していたトラクターとリジットの割合はどれぐらいだったんでしょうか。

中西:僕が入社した頃は、リジットの方が販売台数は多かったですね。最初はメーカー製作もあったんです。日本トレクスさんと完成車を作っていたこともあります。価格帯も国産とそん色ないぐらいの価格帯だったんです。その完成車は、弊社が一番売っていたと思いますね。

____なるほど。ボルボ販売のエースである金野さんはどうですか。

金野:リジットは欲しいですね。話題的にも。

____やはりスカニアと比べて、お客さんがそちらに流れるようなこともあるんでしょうか。

金野:それはありますね。もはや理由は「それしかない」という感じです。

中西:地域差もあると思うんです。我々は、シングルのボルボを大井ふ頭や有明、川崎のフェリーや海コンのドライバーの方をメインに販売しています。トレーラーのアルミブロックやカーゴの輸送などに使用する、トラクター需要のあるお客さんとの接点が少ないんです。だからどうしてもボルボのトラクターを売る、売り先が限定的になってしまいます。だからこそ、リジットに期待するんですよね。

建設業界でもボルボのリジットが求められている

____リジットがあった当時は、建設系のトラックも作っていたのですか。

中西:クレーン付きも作っていましたし、ダンプもありました。

森川:22 T のロングダンプも作ってました。

中西:25 T の深ダンプだって作ってました(笑)。

森川:やはりスカニアがリジットを出していて、建設業界でも話題なんですよ。私のお客さんの建設関係でも長距離に出られるようなお客さんは、やはりスカニアを欲しがりますよね。

____なるほど。長距離に出るなら車内空間の快適な方がいいですもんね。ボルボだって求められるわけです。

森川:国産に比べて、力もありますからね。

____お金をかけられるならボルボ、スカニアは最高ですもんね。

森川:チップ車などは長さが取れなくても、ある程度の高さが取れます。そこに、目いっぱい乗せちゃうと積載オーバーだから、そもそも目一杯は積ませない。そこまで積まないのであればキャブが重いスカニアでも造れちゃう。西の方では人気と聞きますね。だから同じくキャブの重いボルボでも、「あったら作りたいな」という要望はずっとあるんです。

リジットはカスタムしがいがある

____整備的にはどうですか。

アルフレッド:今でも2世代前のボルボのリジットに乗られているお客さんは、いらっしゃいます。それで乗り換えを勧めてみると「トレーラーはちょっと」という返答が返ってくるんです。やはり「リジットの必要性って高いんだな」と。カスタム的な目線で言えば、もう絶対やりたいですね(笑)。他のリジットをやっている架装ブランドに対抗できるわけですから。

____確かに。

アルフレッド:そもそも車体が大きいトラックは目立つし、カスタムしがいがあるんですよ。高速を走っていても、大型はすぐ目に付きますよね。リジットでカスタムすれば、ファストエレファントのアピールにもなるわけです。整備の中身は一緒ですから、単車としての大きさだけですね。

____その点はデザイナーの目から見てどうでしょうか。

茂木:リジットは、皆さんが仰ってるようにカスタムの幅が広がるから、絶対にあった方がいいと思っています。私が入社したぐらいに、リジットがなくなったんですよ。リジットがあればお客さんの幅が広がるし、現在、ファストエレファントではトラクターだけをデザインしていますが、デザイナーとしてはトレーラーもしっかり造ってみたいです。前回の鍵人に出演されていた浅井建材さんもそうですが、前と後ろを統一させたインパクトは大きいので、やはり大きさはカスタムにとって大事だなと感じるんですよね。

より洗練されたデザインに生まれ変わるボルボFH

____了解しました。ぜひリジットの導入を期待したいですね。では実際に導入されると噂されている新型 FH について見ていきましょう。まずヘッドライト周りと変更されたフロントフェイスについて話をしましょう。ノーマルのグリルも変わりましたね。この辺の印象をお聞かせください。

中西:さらに今どきのデザインで、すごく洗練されたなと思いますね。ボルボは良くも悪くも、他と比べてトラックっぽくないデザインです。そもそもゴツゴツ感のないデザインだったので、それがより強調されている印象ですね。

____確かに中西社長好みのライトですね(笑)

中西:個人的にライトは「最小限のデザインでいい」と思っているんですね。アメ車が分かりやすいですが、後ろのガーニッシュ全体が光るのは80年代のテイスト。逆に60年代って、テールランプがものすごく小さい。大きいボディに小さいテールライトが「恰好いい」と思っていたので、灯火類を小さく見せる今回のデザインは好きです。

____他の皆さんはどうですか。

金野:良いと思います。

____一同爆笑。あえて自分の意見は差しはさまないんですね(笑)。

中西:この距離感だから売れるんですね(笑)。

____森川さんはいかがですか。

森川:僕も良いと思いますね。新しいノーマルのグリルも良いと思います。日本に入る時は、「本当にこれで入るだろうか」というのはありますけどね。

アルフレッド:今の FH16のグリルに似ていますね。ちょうどこの新型 FH のグリルみたいなんですよね。

ドアに取り付けられたウインカーは?

____アルフレッドさん、ドアにウインカーがつくのはどうでしょうか。

アルフレッド:もともとウインカーってライトの上に付いていたんですよ。配線もそこまでしか来てなかった。でも今回はドアに付いていますよね。そうするとヒンジを通して配線が行くことになるんです。見た目は恰好いいんですが、ウインカーの信号をどんな取り回しの配線にするのか気になります。多分、これまでのバランスと違うんでしょうね。ボルボの事故で多いのは右ハンドルの車だと左サイドの突端ですから、修理の多い場所でもある。

____なるほど。

中西:違和感はないと思います。バンパーにヘッドライトがつくのも現在、当たり前になってますよね。

森川:4 トンなんかだと、逆に「そうじゃないから恰好悪い」という風潮になってますよね。

中西:うん。違和感は最初だけだと思いますね。

待望されている停車時からの前車自動追従機能

____本国仕様では新しい安全装置として下り坂クルーズコントロール、車両停止からの発進機能もついたアダプティブクルーズコントロール(前車追従機能)がついているそうです。実際に日本に導入されるかどうかは分からないんですが、導入されると大きいですよね。

中西:日本の道路事情を考えると大きいですよね。日本はどうしても市街地を走るので、渋滞に巻き込まれるケースも多いですからね。

____たとえばふそうのスーパーグレートは自動追従装置が付いていますが、導入から3年経ってみて、機能としては使えているのでしょうか。

森川:僕はよく新型スーパーグレートで遠くまで納車に行くのですが、やっぱりあると全然楽ですよ。神戸まで600 km ありますが、足の操作はほとんどなしに高速道路を走り切ってしまいます。停車からの発進はしませんが、ちゃんと止まるし、長距離やる人には絶対必要ですよね。

金野:アルフレッドと遠くに納車に行くと、顔が眠そうにしているからすぐ自動追従装置が解除されちゃうんですよ(笑)。かわいそうに顔で判断されてしまっている。

____一同爆笑

アルフレッド:嘘ですよ。ボルボに顔の認知機能はついていません。運転パターンで解除されちゃうんですね。それは確かによくあります。

フルデジタル化されたメーターパネルは高級感がある?

____分かりました。さて新型 FH ではエンジンも変わります。D 13 TC エンジンで従来より、7%の低燃費だそうです。良いことですよね。インテリアは、まずドライバーのモニターがフルデジタル化されます。そして左側にはサイドモニターがつきます。これで左側の死角を確認したり、各種設定やドライブインフォメーションなんかを表示させます。そしてなんとIシフトが小さくなりました。

中西:グリップがアウディっぽくなりましたね。フルデジタル液晶だったらナビが見れると、良いんですけどね。

金野:ナビが使えると、本当に良いんですけどね。毎回、それはお客さんに言われるんです。スカニアにはGoogle ナビが入ってるらしいんです。

アルフレッド:Google ナビでいいじゃないですかね。

中西:ボルボ独自のテレマティックサービスといい、ナビといい、新型には是非付けて欲しいですね。

金野:それとIシフトのデザイン変更は有難いですね。あそこだけずっと昔のままだったんですよ。中身の機能は変わりつつも、デザインだけは平成16年ぐらいから変わってないんですよね。ずっと「そこだけ古めかしいな」と思っていました。

アルフレッド:個人的には、スカニアやベンツのようにコラムシフトが良かったです。左サイドにあることによって引き出しが開けにくかったりするので。

中西:デジタルパネルにしても、ここ数年の高級車はみんなデジタルパネルですよね。その意味ではトラックも「やっとデジタルになったな」と思いますね。

サイドディスプレイがあるならカメラを増設したい

____サイドモニターが付きましたが、死角を視覚化するのにこだわるアルフレッドさんはどう思われますか。

アルフレッド:心配ですね(笑)。上から目線で言うと、画質が心配ですね。でもカメラの位置は最高です。ココにあれば肝心の死角はしっかりカバーできます。現在でも追加で4台まではカメラの増設ができるので、その口数が増えるのであれば良いですよね。例えばトレーラーだったら、トレーラー用のカメラも補うことができます。

____アフターのカスタムも幅が広がりそうです。茂木さんはいかがですか。

茂木:今回、ヘッドライトの形が変わったことで、いかに「シンプルにするか」というデザインの方向性が見えると思います。シンプルな iPhone にケースをつけるのと一緒で、元々がシンプルであるからこそ、乗る人の個性というのは出しやすくなるような気がします。

※日本で発売されるボルボ新型FHに関する情報は現在(2021年7月1日時点)、未定です。ここに掲載される情報はすべて昨年発売された新型FHに関する本国発信の情報に基づいています。

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