株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第47回

中古トラック事業部&整備事業部

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「新春特別企画“トラックのすべてを話します”2021」

2020年は新型コロナの影響でトラック業界は大きな影響を受けました。オールトラックスであらゆるトラック事業に関わるヨシノ自動車もまた、すべての事業にわたって影響が出ました。今回は昨年に引き続き、新春企画としてトラック業界の2021年を展望します。緊急事態宣言発令前に取材しているので、事実関係の前後はありますが、大きな影響をこうむったトラック業界を元気にしていきたい気持ちは変わりません。今回はヨシノ自動車の整備部門のプロフェショナルも交え、新技術への対応など目新しい話題も盛りだくさん。さて2020年はどんなトラックが売れて、どんなトラックが故障が多かったのでしょうか?プロフェッショナルが、“すべてを話します”。

デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

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2020年のトラック販売とは

____2020年はどんなトラックが人気だったでしょうか。

ヨシノ自動車・森川:ユーザー営業。“森川スペシャル”という架装提案に定評があり、日本全国を駆け巡り、〆のラーメンも欠かさない。

森川:全体的にいうと、それほど新型コロナの影響を感じさせませんでした。建設系もちゃんと売れたし冷凍ウィング、中型4 トン も人気でした。小型も悪くなくて、個人的にもよく販売させていただきました。重機輸送も売れ行きは変わらずという感じです。

____逆に影響を受けた業界は、どこだったんでしょうか。

森川:それはやはり海コンでしょうね。春に緊急事態宣言が発出される前から中国が駄目だったんでコンテナが来ないとかで、ずっと低調でした。今でもトレーラーヘッドは動いていません。 とにかく中古車がきつくて、入れ替えのお客さんもほとんどが新古車でした。中古車よりはまだ新車の方が売れている感じでしたね。 

____中古の程度はどれぐらいだったんでしょう。

森川:普段は人気の3年落ちぐらいでも全然、売れませんでしたね。 ボルボはまた違うターゲットかなと思います。 国産の中古トラックは現在、値段も安くなっているのですがなかなか売れない。3年くらい経つと、どうしてもトラブルがちょこちょこ出てきてしまうので、 そこに嫌気をさしているのか、新車はどうしても納期の問題があるので、結果、未使用の新古車という選択になるのかもしれません。 

____2019年でもそんな傾向がありましたね。

森川:そうですね。ヨシノ自動車のメリットとしては仕様を整えた未使用車を多く揃えている所にあって、即納できるところが好評です。 買っていただいているのは、そういうトラックですね。

____ECの方はいかがだったでしょうか。

ヨシノ自動車・伊東:WEB営業担当。歴戦の営業とも互角に渡り合う本社の肝っ玉姉さん。和装が似合う。

伊東:ECの方は緊急事態宣言が出る前ぐらいから、もろに影響を受けてしまいました。宣言直後は全く問い合わせがなくなってしまいました。そこからちょっとずつ戻ってきて、秋ぐらいにやっと昨年並みに追いついたぐらいの感覚ですね。最近では新規感染者が増えてきて、また少し影響を受け始めていると感じられます。

____ユーザーサイドからすると「今はちょっとやめておこう」という感じなんですかね。

森川:様子見なんじゃないでしょうか。先が見えないから「今は控えておこう」という感覚なんでしょうね。 

伊東:商談の内容も、2019年までは比較的濃い内容が多かったんですが、2020年は値段を訊いたら、そのまま先に繋がらないケースが多いですね。  

緊急事態宣言が出てしまうと……

____最近でも緊急事態宣言の噂が出ていて(2021年1月8日に発令された)、やはりそれが購入マインドの低下につながってしまうんでしょうかね。

中西:新規感染者が増えることで、漠然とした不安が広がっているの間違いないですね。4月の時もそうでしたし、現在もそうですし、人の動きを止めるということは不安につながっていると思います。結局、個人消費というのは、すなわち人の動きなんですよね。特に現在は海外のインバウンドが期待できないのでなおさら、国内の個人消費に頼るほかない。内需の7割は個人消費なんですよね。そこが物理的に止められることによって、全体的に影響を受けるだろうなというのは予想できます。物流だとか、特に日用品を運んでいる物流は影響は受けますよね。

____先が見えないから、「今はやめとこう」となるんですね。

中西:我々が取引しているお客さんでも、年契約で仕事を契約しているお客さんは少ないんです。結果的に見れば1年、2年と続いているんですが、荷物が減ることによって先月まで10台稼働していたのが、6台、7台に減らされました、となると実際にトラックを所有している運送会社さんが影響をこうむってしまうんです。もちろんトラックは安い商品ではないので、どうしても様子見になってしまいますよね。一番、真っ先に消費欲が薄れるのが耐久消費財なのかなと思いますね。

____なるほど。

中西:ただ今年を振り返って思うのは、輸出関連で海コンが動かなかったというのは確かにありました。 飲食業のおろしをされている運送会社さんも荷量が減ってしまったんですが、巣ごもり需要もあって 日用の食品を卸している運送会社さんは増車傾向にありました。たとえば同じ冷凍車でも相反する傾向が見受けられたんですね。 

ヨシノ自動車・中西:ヨシノ自動車社長。社員との週末の山登りを楽しみにしていたが、寒くなってきたのでドライブを楽しんでいる。

____非常事態宣言で消費が落ち込んだという影響はありましたが、逆に人の流れが活発化したGoToキャンペーンで消費が盛り返したといった傾向はありましたでしょうか。

伊東:特にGoToは感じられなかったですね。

イベントが開催できないと飲料も売れない

____なるほど。森川さんは地方のお客さんとの繋がりが強いですが、地方での影響はどんなことがあったでしょうか。

森川:地方ですごく暇な所は、自動車部品をやっている会社さんとか、建設の方でも鉄骨を運んでいるような平ボディの会社さんは、軒なみ「暇だ」と言ってましたね。 冷凍も長距離は悪くなかったし、ダンプも特に全国的に悪くはなかったと思います。車が遊んでいる状態というわけではなさそうでした。中京や北関東は、そんな傾向がありましたね。 ただ北海道だけは2021年の雪まつりが中止になった「影響は大きい」と聞きました。 

____なるほど。2020年もまた全般的に、イベントの会社は厳しい1年だったでしょうね。

森川:そうですね。イベントの会社は総じて厳しかったと思います。イベントが全く開催されませんでしたからね。 車を青果とかに使えるようにして、無理しながら回しているという話も聞きました。イベントがないと、あわせて飲料系が全く売れなくなっちゃうんですよね。 大手飲料メーカーは売上が昨年比4割ダウンとからしいです。飲食でもドリンクバーが出なくて、やはり4割ダウンとからしいです。

中西:やはり家で飲むより、外で飲む率も量も多いということなんでしょうね。 

森川:精肉なんかもスーパーはいいけど、加工して飲食店に卸す方の精肉は大打撃だと聞きました。

____どうにかこうにか今年の後半は客足も戻ってきたという中で、ここに来ての感染増ですよね。

森川:そうなんですよ。ただ悪いことばかりでもなくて、やはりドライバーが増えたということがあります。もともと仕事のキャパが大きいところは増車するところもある。今までは面接に来るのが1人、2人だったところが、5人ぐらい面接に来るのでドライバーを選びつつ、増車することができているようです。それで増やしたいから「すぐ欲しい」というパターンが多かったですね。

整備部の2020年

____分かりました。そんなコロナ禍の中で整備部門はどうだったのでしょうか。

中根:緊急事態宣言が発令されて、みんな「どうなるんだろう」と身構えたのですが、それほど大きな影響はありませんでした。ただ工場も満車にならない日がちらほらありましたね。全体的に見て整備をする人も少なくなっている印象がありました。逆に仕事がないおかげで整備をできると考えて、入庫してくるお客さんもいらっしゃいました。 

ヨシノ自動車・中根:中堅リーダーの整備エンジニア。上司と部下の両面で信頼が厚い整備部のエンジン。

____なるほど。整備をするのに良いタイミングになったお客さんもいたんですね。

アルフレッド:緊急事態宣言があって時間をずらしたり、世の中の気分的にも「抑え目に行こう」という感じがありましたよね。 抑えた分だけ、売上的には下がった傾向もありました。こうなると割と、トラックを直して乗り続けよう、というお客さんが増えますよね。特に海コンの人達は土曜日が手が空くんです。 それでやたら土曜はボルボが目立つ、という傾向もありましたね(笑)

ヨシノ自動車・アルフレッド:ファストエレファント店長。世界進出という野望にギラつく35歳。

____現在のヨシノ自動車は、ボルボと国産で手がける整備士も分かれているんでしょうか。

中根:特に垣根を設けず、全員が同じ作業をやれるようにしています。 ボルボをやるのは入社して3年以上という目安はありますが、車検整備じゃない、一般整備は全員ができるようにしていますね。車検はあくまでも決められた内容の整備ですが、 それ以外の故障や高度な整備はある程度の経験が必要になってきます。 

中西:やはり整備は特殊性があるし、経験値がものをいう部分が大きいので、どうしても専門性が出てきてしまうんですよね。整備に関してはアルフレッドを中心に、中根からさらに下の若手まで同じを作業を出来るのが理想ではあるけど、 そこはなかなか難しいですよね。

____アルフレッドさんは、すっかりファストエレファントの顔でボルボしか触ってないんじゃないかと思っていたんですが(笑)、そうではないですね。

アルフレッド:整備で言えば何でもやります。現在はファストエレファントがあるので完全にそっち方面になっちゃってますが、それができるのは中根をリーダーにして、任せることができているからなんです。 「分からない」ということがほぼ無くなった。 昔は重整備になると手伝っていたのですが、その必要性も圧倒的に減りましたね。整備でいうと、診断が一番スキルを要求されるんです。出来る出来ないに関わらず、その順番を追えて、最終的に直りましたと納車出来るまでにいたる道筋を理解できること。そういうメンバーが増えてきたので、僕がファストエレファントの方に専念できることはあるんですよね。 

2020年はNoxセンサーに泣かされた!?

____なるほど。分かりました。ボルボや国産を問わず、2020年で気になった不具合は何かありましたでしょうか。

森川:僕がよく聞いたのはNOxセンサー(排ガス中の窒素酸化物を測定するセンサー)が壊れるということ。アドブルーのセンサーが異常をきたす、というのもよく聞きました。 いすゞはあまりそういうトラブルは聞かないんですが、日野やふそうはよく聞きましたね。 新車によくある話なんですが、いすゞは本当に聞かないんですよね。逆に4、5年経ってくると不具合の話が、ちらほら聞こえてくるのがいすゞなんですよ。 

____なるほど。やっぱり距離が関係しているんでしょうか?

森川:うーん。一度、トラブルを出すと色々出てくるのがいすゞなんですよね。 日野やふそうはエンジンやミッションがダメになるような大きな話を聞かないですけど、 いすゞは10万 km 乗ってインジェクターが駄目になった車もありました。逆に細かい故障はいすゞにはなかったですね。

____NOx対応が厳しすぎて、どうしても不具合出ちゃうんですかね?現場目線ではいかがですか。

中根:そもそもNOxセンサー自体が、すごくシビアに出来てるんですよね。それでエラーが出る可能性が高くなっていると思います。

アルフレッド:NOxセンサーはマフラーとかに取り付けられる、後付の装置なんです。 エンジンそれ自体が悪いわけではないので、「これぐらいの異常は出さなくてもいいのにな」と思う時はよくあります(笑)。なぜそれがシビアに作られているかというと、数値が決められてるんですね。敏感にしてあげないと、環境に良くない。 それで制限させているだけなんで、それが実際に悪い数値を拾っているなら故障なんですが、往々にしてセンサー自体がバカになっているということもある。

森川:そのセンサーが安ければ許せるんですが、高いんですよ…。

アルフレッド:そう。部品が高いんです。 

____NOxセンサーが異常を拾うと、エンジンがかからなくなったりするんでしょうか?

アルフレッド:壊れてすぐに走れなくなるということはないんですが、エラーが出続けたまま走り続けると、一度エンジンを止めたら、かけられなくなるという事態に陥ります。NOxセンサーに限らず、燃焼装置もそうですし、尿素の噴射装置もそうなんですが、 トラックそれ自体が全てが完璧じゃないと走れないようなトラックにされているんです。 NOxセンサーはあくまでも数値しか見ていませんから、本来はどこかに原因があるんです。センサーはヒューズと一緒ですから。 もちろんセンサーそれ自体が駄目な場合もありますけどね。

____その傾向は、メーカー問わず出ている感じなんでしょうか。

アルフレッド:出ていますね。正直に言うとボルボは尿素関係が弱いですね。 UDもその辺のシステムは一緒なので、やはり弱いです。 国産の傾向は中根に訊いてほしいですね。

中根:森川さんが言っていた通り、日野とふそうは出やすい気がします。特に2トン、4トンが多くて、逆に大型はどのメーカーも出にくいですね。 センサーそれ自体はどこも似たような形式なので、 出所は案外一緒なのかもしれませんね。ちゃんと調べたわけではないですが。

____部品が共有化されると、故障の出方も似てくるはずですよね。

森川:その可能性は高いですよね。

故障してからの対応力に違いを見せる

____ちなみにボルボは他に、今年悩まされた故障はありましたか。

アルフレッド:ぶっちゃけていいでしょうか。正直にいうと(笑)、エアコンがめちゃくちゃ弱いですね。

____それは2014年型からですか。

アルフレッド:2014年型からもあるし、それ以前の型もエアコンは良くなかったですね。エバポレーターのパンク、それかヒーターコアの詰まりというお馴じみの故障なんですよね。「またか」って感じなんです。 それがダメならコンピューターを調整する。ただ現在は水がたまらないように穴を開けて対策するようにしています。それによって再発は防げるようになりました。構造上、水が溜まりやすくてエバポレーターが腐食されて、パンクするという感じなんですよね。 

森川:他が本当に壊れなくなったから、余計に目立つんだよね。

アルフレッド:そうです。圧倒的に壊れなくなったからこそ、余計に目立つんです。 

____なるほど。とはいえ走れなくなるような故障ではないんですね。

中西:ただ日野やふそうなど国産と競合になった時に、快適性を目的にボルボを選ばれるお客さんもいらっしゃるので、そこが壊れたら「ダメだろう」というお叱りもあるんですよね。

アルフレッド:そこはディーラーの対応次第というところもあります。ヨシノ自動車は故障すればすぐ対応ができる体制ができているので、故障してからのリカバリーは大きいと思っています。 

森川:そうですね。最近ではお客さんもディーラーで選ぶ買い方をしているお客さんが多い気がするんですよね。例えば神奈川でいえば、小田原の方はいすゞしかないんですね。だから小田原周辺はいすゞの車ばかりなんです。 そこは日曜もやっているので、もともと日野に乗っていたお客さんもいすゞに乗り換えたりしているようです。サービスの良さでメーカーを選ぶという風潮も、最近は大きい気がしますね。弊社でボルボが売れている理由は、ヨシノ自動車のフットワークが軽いことが大きいと思います。それが魅力なので、何かあったら電話でトラブルを解消してくれるか、行けばすぐに対応してくれる。 他のディーラーさんだとトラブルが出て電話をしても、いま手がつけられないから「また明日」というパターンもあるんですね。それがメーカー系のディーラーの当たり前といえば当たり前なんです。

迅速さはビジネスの基本中の基本

アルフレッド:ディーラーさんによっては見もしないパターンもありますよね。「エラーが出ちゃって」とお客さんが来た時に、ちょっと見れば済む話もいっぱいあるんです。エア漏れしちゃったとか、簡単な作業であれば10分でできることだってたくさんあるんです。全てのディーラーが、とは言いませんが、そういうところが多いというのは聞きますよね。 だから最初からその評判を聞いて、ディーラーを振り替えてくるお客さんもいます。 フットワークの軽さは、とにかくヨシノ自動車の良さだと思っています。 

____社長自らそう考えている部分もあったりしますか。

中西:そもそも対応力は営業であれサービスであれ、どのポジションのどの職種であれ仕事の大事なところです。本質の部分です。お客さんの困っていることをどう解決していくかというのは、営業であれサービスであれ、一も二もなく早く対応することが大事です。それは絶対条件だと思いますね。実際的に作業ができるできないは現場の状況次第ですが、対応力だけは失いたくないですね。

中根:アルフレッドさんは特に迅速な対応をされている印象があって、僕もサポートに入れる時は極力入って作業をする流れができています。 現実に手が離せない時もありますが、やれる時は極力手伝いたいですね。それはヨシノ自動車の整備として助け合う部分もあるし、お客様のために助け合う部分もありますね。車を早く直してあげたい、というか。 

____中根さんは整備のチーフ的な存在ですよね。教育という面ではどうでしょうか。 

中根:まず伝え方を気にしますね。自分が分かっているつもりで話すと通じない。 自分が入った当時はそうだったように、分からないことを前提で話しています。 整備は経験の世界なので、1、2年で一人前のことができるわけではないし入ってきた新人が、積極的に自分のやりたい職域を見つけてくれるのが教える方法としても教え甲斐があるし、伸び率も高いと感じます。そこでチームワークが生まれるような教え方を心がけていますね。

____そうなると、相性とかもあると思うのですがアルフレッドさんはどうですか。

アルフレッド:相性で言うと、自分は誰でもいいかもしれないですね(笑)。 お客さんもいろんな人が来ますから、 対応の仕方はいろんな対応の仕方が必要だと思います。 エンジニアもそうで底抜けに明るいパーティピープルもいれば真面目な人もいる。そこはおおらかにやっていきたいなと思っていますね。 それはみんなで作ってきた環境でもあるし、ヨシノ自動車の整備士は定着率が非常に高いんですよ。 みんな個性的ですけど、 みんなしっかりしているし。

過積載への厳しい取締りが始まった

____では話題を変えて、2021年に売れるトラックとは何かについてお聞かせください。

森川:2021年はトレーラーが売れるような気がします。理由は関東周辺で現在、過積載が非常に厳しく取り締まられています。昨年の11月から取り締まりが厳しくなっていて、主に単車のダンプ等の取り締まりなんですが、 これまで緩かった積載基準が今後さらに厳しくなっていく可能性があるんです。そうなると単車で運んでいた荷物をトレーラーにしなければいけない、という流れが出来てきます。2021年はそういった需要があると考えていますね。

____2020年のトレーラーは販売はどうだったんでしょうか。

森川:おおむねあまり売れませんでした。一時、緊急事態宣言で雑貨が非常に動いた時期があったのですが、 Amazon やヤマトといった宅配が忙しくなった一方で、その他が動かなくなっちゃったんですね。ただ積載の事を考えると、やはりトレーラーという流れは大きくなると考えています。 

____トレーラーだと積載が緩い、というわけではないですよね。

森川:積載が取れる分、走れる道も限られてくるし、簡単にトレーラーとは言えないんですが、 余裕のある積載というニーズが出てくると思います。この間、知り合いが4 トンの冷凍車で300kg重いだけでも切符を切られた、と嘆いていました。300kg ぐらいだと見た目で垂れることはありません。過積載のため車高が下がっているようには見えないはずなんです。それでも止められて、切符を切られたと。過積載の取締りが目的ですけど、止めたついでに車の長さなどを測って、違法な改造がないかなどもチェックされるようです。トレーラーの連結全長があってるかとか、過積載の取り締まりのはずなのに他の名目で切符が切られてしまう、というようなことが起こっている。例えば通行許可書通りに走っているか、とか。

____それやられるとトレーラーは厳しいですね。

森川:東名の高速入口などでやっているらしいですよ。たとえば過積載には無縁そうなキャリアカーだって、止められるらしいです。 とにかくトレーラーヘッドはコロナの影響で売上が停滞していた分、積載の需要が大きくなれば「これから売れるのではないか」と考えています。鉄鋼関連の動きも悪くないようなんで、産業廃棄物も同時に動いて行くのではないかと考えています。 それに伴って、ボルボも高馬力が評価されていくのではないでしょうか。

____確かに重量物はボルボが人気ですよね。

森川:ダンプのお客さんにも、シングルで540馬力のグレードがあると伝えればメリットを感じてもらえますよね。2020年がいまひとつだったことを考えても、これからトラクターが来る気はしますね。

____買い控えがあれば、その揺り戻しが来ますね。

森川:そうなんですよ。海コンも荷物が大分戻ってきた感じはしますから。一番酷かった時期は大井や本牧はぴったり止まってしまった印象があったんですが、神戸あたりは止まってなかったらしいですね。良くはないけど悪くはない、という感じで持ちこたえられた理由でしょうね。

コロナ禍はいったん落ち着く

____Web の方ではトレーラーはどうでしたか。

伊東:もともとそんなに偏りはないんですが、トレーラーだけを見ても売り上げは落ちました。一昨年は目標の売り上げに到達しなかったのは3回ぐらいだったんですが、去年は到達できたのが1回だけでした。 

____厳しい年になりましたね。では2021年の抱負を教えてください。

伊東:今年はユーザー営業さんが喜んでくれるような、ネットの仕組みを考えていきたいです。 私がネットで問い合わせを増やすというよりも、 現在 SNS部隊もいるのでみんなの力を借りながら 元気にしていきたいですね。 

____中西社長はいかがですか。

中西:まず予想なのですが コロナ禍が、一旦は落ち着く年になると思うんですよね。 そのタイミングは割と早いのではないかと思っています。 この1年ぐらいを見た時に300から500ぐらいの感染者が出た、それを報道が煽ることで数だけが一人歩きをしました。 細かく見ると東京で1300万人いるのに300人なんです。それが一般の人達の脳裏にも焼き付いていて、数が600人、1000人と超えて大騒ぎになってしまう。 ただ割と、みんな普通に行動してるように見えます。消毒とマスク、適度なソーシャルディスタンスを心がけつつ、コロナ禍の生活の仕方を学習しています。

____コロナ慣れしてきていますよね。

中西:これは僕の予想ですよ。マスクはしていても日常生活は行える。 人の流れが戻れば必然的に経済は回るんですよね。先ほども森川の話がありましたが、現状はトレーラーが全然売れていないんですよ。本当にピッタリと止まっています。問い合わせすらもない。過積載の件もそうですが、より大型の輸送の方に世の中は向かっていくはずなので、その需要は今後も見込めるんじゃないかなという予想です。それが一つ。それとオリンピックをやるかやらないかは別としても、オリンピック後にまで先延ばしになっている公共事業や、建設関連事業が首都圏にはあるので、そこの需要は必然的に動くと思います。 引き続き、弊社が得意にしているダンプとか、クレーン付きセルフやセーフティは顕著に動いていくんじゃないかな、と思っています。 それと先ほど青木さんが言っていたように、様子見で代替えや増車を見送ってきた需要も増えると思います。 ウイングやカーゴ系は特にそれが顕著だと思いますね、すごく楽観的かもしれないですが(笑)。

大きな進化が求められる整備業界

____去年の今頃に同じテーマで聞いた時は2020年は「不景気の波が来る」ということで、 心持ち、戦々恐々としていましたが新型コロナのせいでゲームが変わってしまいましたね。 経済は特に。では現場であるトラック整備の方はどうでしょうか。

中根:今年は新人が二人入ってきて、2021年も入ってきます。僕の仕事としては工場全体のレベルを上げることです。だから、これまで通り和気あいあいと、楽しく仕事がやれる環境を作っていきたいなと考えています。特に最近では特定整備というのが始まりました。元々の分解整備に加えて自動ブレーキに関する内容です。今後は主流になってくるので、抑えておかなければいけない必須整備になっていきます。特定整備は、その認証が必要になってくるんですね。だからこそ 工場全体で取り組まなければいけない課題なんです。

____どういった内容なのでしょうか。

中根:エイミングと言う作業があって校正機という特殊な機械を使用します。整備主任者と検査員は講習は受けて資格も取りました。 これを実作業に移して行かなければいけないので、そこは個人的な課題でもありますね。

____具体的にどんな作業なんでしょう。カメラから取り込んだ対象物に対して反応を確かめるというようなことなんでしょうか。

中根:そうです。パソコンを繋いだ状態で、ターゲットと言う対象物があってその距離や高さを入力して実測値を校正するんですが、ちゃんとやらないと必要な時に自動ブレーキが効かなかったり、逆に余計な時にブレーキが効いてしまったりするんですね。 それは今後、非常に重要な整備事項になってくると思います。

____確かに、今後は必須の技術ですね。ではアルフレッドさん、お願いします。

アルフレッド:ファストエレファントの店長としては、2021年はいよいよ世界に乗り出す年になるんじゃないかなと考えています。パーツを現在いろいろ作っているんですが、 自信があります。社長が求めてきたクオリティが、ついに実現しそうな気がしています。

____ついに「川崎から世界へ」ですね。

中西:その言葉通りの世界が、弊社で唯一できる事業なんです。トラックの販売はどうしても国産が主流だし、販売のテリトリーだってディーラーにはありますよね。パーツが唯一、世界に羽ばたく道ですよね。

アルフレッド:それをとにかくネットで、世界にどんどん販売したいですね。 

____現在、どんなパーツを作っているんですか。

アルフレッド:まずはケルサーのような上も下もパイプのバンパーを造っています。日本の匠の技をアピールしたい。 戦略としては、やはり日本の匠です。そして独自の形を作りたいのですが、それはあくまでも次のステップです。 パーツは色々、構想しているのですが、いずれにしても日本のブランドというところを推し進めたいと思っています。 

2021年もヨシノ自動車の中古トラックを宜しくお願い致します! 

ヨシノ自動車・森川
ユーザー営業。“森川スペシャル”という架装提案に定評があり、日本全国を駆け巡り、〆のラーメンも欠かさない。

ヨシノ自動車・中西
ヨシノ自動車社長。社員との週末の山登りを楽しみにしていたが、寒くなってきたのでドライブを楽しんでいる。

ヨシノ自動車・伊東
WEB営業担当。歴戦の営業とも互角に渡り合う本社の肝っ玉姉さん。和装が似合う。

ヨシノ自動車・中根
中堅リーダーの整備エンジニア。上司と部下の両面で信頼が厚い整備部のエンジン。

ヨシノ自動車・アルフレッド
ファストエレファント店長。世界進出という野望にギラつく35歳。

撮影協力:良忠寺

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