株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第103回

東興運株式会社 様

東興運株式会社 様

「たすきをつなぐトラック、パッカー車デザイン刷新の舞台裏」

千葉県の鎌ケ谷市でゴミ収集業務を委託されている東興運株式会社様は、約60名の従業員を抱え、ゴミ収集車14台とバキューム車5台を運用しています。近年は若手ドライバーの採用に力を入れており、トラックのデザイン刷新を通じて企業イメージの向上と安全運転の促進を図っています。そんな作業車の世界にファストエレファントが「デザイン」という新しい価値を持ち込みました。若い人材を惹きつけ、安全運転への意識を高め、地域に密着した企業のイメージを、刷新していく狙いをもったデザイン。極東開発工業のパッカー車をベースに、実用一辺倒だった作業車を「見られることに誇りを持てる存在」へと変えていきます。そんな作業車におけるデザインの重要性と、その背景にある思いについて語ってもらいました。

編集・青木雄介
WEB・genre inc.

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どうパッカー車をデザインするか?

ーーーまず最初に、どのようにしてこのプロジェクトが始まったのでしょうか?

アルフレッド:極東開発工業の富樫さんから紹介されて、最初はデザインの話からスタートしました。それで茂木と一緒に進めていくことになりました。

ーーー今回のパッカー車のデザインについて、どのような特徴がありますか?

アルフレッド:今回の車両は60周年記念車として特別に製作された1号車です。サイドバンパーを装着するなど、思い切ったデザインにしました。2号車からはまた少し異なるデザインになる予定です。最初はデザインがメインの話だったので、茂木にすぐに相談しました。

ーーーパッカー車のデザインで苦労した点はありますか?

アルフレッド:正直、最初は不安がありました。パッカー車は独特な形状をしていて、どこをどうデザインすれば恰好良くなるのか考えました。「自信を持ってやります」と言いながらも、内心では本当にかっこよくできるのか不安でした(笑)。パーツ一つ一つが特殊な形をしているので、デザインの自由度が限られているとも感じました。

ーーー今回、東興運さんのロゴについてもデザインされたということで、くわしく教えてください。

茂木:そうなんです。東興運さんの会社にはロゴがなかったので、それも今回は新たに制作しました。「コンセプトも固めちゃおう」ということで、今回あらたに考えました。

箱根駅伝の「たすき」のイメージ

ーーーぜひコンセプトについて教えてください。

茂木:最初は箱根駅伝のランナーのイメージからスタートしました。ランナーが走っていく姿は注目を浴びるし、爽やかですよね。そして次の走者にバトン(たすき)を渡すという繋がりも表現したいと考えました。そこから「たすき」をデザインに取り入れていきました。

ーーーなぜストーリーが必要なんでしょうか?

茂木:コンセプトを作るというのは、お客さんと一緒にコンセプトを考えていくことで、解釈したいことが明確になるし、社員の方たちにも「それを伝えたらいいよね」と。

ーーーモチベーションも上がるという訳ですね。

茂木:そこが「大事なことかな」と思いますね。それが恰好よかったら、より社員の人も気に入ってくれて、会社を好きになるんじゃないかと思いました。

ーーー聞くところによると、パワーポイント4ページにわたって、プレゼンしたということですね(笑)。これまでの東興運さんの車両デザインはどのようなものだったのでしょうか?

ご担当者:以前は実用性重視で、単色の白や単純なツートンカラーが主流でした。ずっと単色の白いグラデーションが使われていて、途中からツートンカラーになりました。デザインにこだわったものではなく、実用性が重視されていましたね。

紹介によるデザインの依頼は初めて

ーーーでは今回は思い切りましたね。パッカー車のデザインは、他の車両と比べてどのような特徴がありますか?

茂木:国産の平の小型トラックなどと比べると、パッカー車は面積が広いんです。デザインできる面積が広いので、やりがいがあります。内容があるというか、やりようがあるんです(笑)。

ーーーあらためてヨシノ自動車が企業ロゴをデザインしていることにも感慨を覚えます。最初はカスタムボルボのデザインとして始まりましたよね。

中西:スタートは2017年からです。デザインメインで関わるようになったのは、去年くらいからで、創業から6〜7年経ってからこういう話が来るようになりました。

ーーー直近で取材したクラリオンさんの日野のプロフィア・レンジャーの件もありました。

中西:前回の日野のプロジェクトは既存の接点から生まれた案件でした。今回はまったく違う経緯で、完全に新しい企画からのスタートです。極東さんからの紹介というのも多分、今回が初めてですよね。これまでは既存のお客さんからの依頼が中心でした。トラックありきの案件とは違い、今回はデザインを主軸にしているところが大きな違いです。「やっと」という感慨はありますね。

恰好いい車で仕事がしたい

ーーーやっといろいろなデザインができるようになってきて、デザイン部門としての面目躍如のような状況です。他にも華々しい仕事があって、例えば京極さんの会社のロゴは、普通に東関東道などで見かけることがあります。

中西:京極さんは100年以上続く会社で、相応の規模があります。100年続いた企業のロゴに、独自のデザインさせてもらったというのはとても名誉なことです。

ーーーそうですね。今回は何台のパッカー車を製作されたのですか?

ご担当者:最初に1台入って、その後1年ほど経ってから2台目が入りました。来年の2月に1台、4月にもう1台入る予定です。また、パッカー車ではない別のタイプの車両も今月完成する予定です。後部のデザインをどうするか検討中です。

ーーー了解しました。あらためてなぜファストエレファントに依頼したのか教えていただけますか?

ご担当者:YouTubeでトラックのデザインや架装についての動画を見ていました。弊社も人手不足の時期で、募集しても人が集まらない状況がありました。そこで、トラックに興味を持ってもらい、「恰好いい車で仕事をしたい」という人に応募してもらいたいと考えました。トラックは私たちの仕事道具なので、それを大切にしてもらう意味もあって、デザインを一新することにしました。

ーーーなるほど。

ご担当者:とはいえ、YouTubeでファストエレファントを見ていましたが、直接の知り合いではなかったんです。そこでボディメーカーである極東さんを通じて紹介してもらいました。

ーーーもともとお持ちだったデザインのイメージはどのようなものだったのですか?

ご担当者:トラックのデザインの前に、まず作業服のデザインから始めました。コンセプト的には「たすきをつなぐ」というイメージで、箱根駅伝をモチーフにしています。このユニフォームをもとに、アルちゃんにデザインをお任せする形で進めました。

人に見られるトラックで安全意識を高める

ーーーご覧になられて仕上がりはいかがですか?

ご担当者:恰好よくできていて好評です。アルちゃんが「カブトムシみたい」と言って、「カブちゃん」というニックネームをつけてくれました。ドライバーからも「仕事をしていても以前とはずいぶん変わった」という声があり、喜んでもらえています。

ーーー取引先などでも評判は良いですか?

ご担当者:特に取引先というのはなくて、弊社は市の委託業務で一般家庭のゴミ収集をやっています。鎌ケ谷市の場合は統一デザインではなく、自社でデザインできる形だったので、ステーションで会った市民の方からは「恰好よくなりましたね」と好評をいただいています。目立つことによって、「安全運転にも気をつけてもらいたい」という思いもあります。「安全第一で仕事をやってもらう」というのが何より重要ですね。

ーーーもちろん「ぶつけられない」という気持ちにもなりますよね。普段、従業員の方は何名くらいいらっしゃるのですか?

ご担当者:弊社従業員は全部で60人くらい在籍しています。このうち23人がリサイクルセンターの構内作業を担当していて、残りが収集作業の現場にいます。

ーーー収集に当たるトラックの数は何台くらいあるのでしょうか?

ご担当者:ゴミ収集車が14台、バキューム車が5台あります。

ーーーアルバイトは募集していますか。

ご担当者:弊社でも一昨年くらいから高校生のアルバイトに来てもらっています。中には大学生になった今もアルバイトに来てくれています。そうやって人のつながりを作りたいという思いがあります。

ーーートラックが綺麗でかっこいいと、印象が違いますよね。

ご担当者:一般的にゴミ収集車のイメージは「汚い」というイメージがあります。そうすると人を募集しても来ないですよね。最近の話を聞くと、給料も大事ですが、イメージの部分も重要です。働きがいのようなものですね。

ーーーちなみに東興運さんの独自の仕様などはありますか?

ご担当者:特段あまりないのですが、安全に関しては力を入れています。極東さんがAIを開発していて、後ろの回転板で手を巻き込まれないように、ある線を手が越えると自動的に止まる形になっています。今後もそういう安全機能は積極的に導入していこうと考えています。

「私たちにできることがあります」東興運様のHPはコチラ

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