トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第20回

特集 ハノーバー国際商用車ショー2018

特集 ハノーバー国際商用車ショー2018

「これがヨーロッパの最先端トラック! 新型アクトロスからボルボFH25周年モデルまで」

今回は、つい先日行われた世界最大の規模で行われる商用車のモーターショー・ハノーバーモーターショー(国際商用車ショー)を特集します。ハノーバーのモーターショーはダイムラーやボルボ、スカニア、ルノーやフォルクスワーゲン、イベコなどヨーロッパ系メーカーが一堂に会し、新型モデルや先進の技術を披露する世界最大のトラックのモーターショーです。参加した中西は「各メーカーが大型EVトラックを導入し、次世代への動きが加速してきたモーターショーだった」と振り返りました。新技術や未来への構想など、ここに来れば世界のトラック技術の先端が見えるといって過言ではありません。そんなハノーバー国際商用車ショーをリポートします。

デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

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【ダイムラー】新型アクトロスの衝撃

新型アクトロス エディション1
新型アクトロス“エディション1” ©media.daimler.com

ハノーバーモーターショーの目玉はおひざ元であるメルセデスベンツの新型アクトロスです。新型アクトロスは「エディション1」と呼ばれ、商用トラックにおけるメルセデスベンツの強い存在感をアピールすることになりました。エディション1は自動運転レベル2(車線逸脱防止し、前車を追従する)の機能を備えたアクティブドライブ・アシストを標準装備し、商用車としては世界初となるカメラによる後方視認を導入したミラーカムを装備。レーダーとカメラで障害物や歩行者を認識する先進の自動ブレーキシステムであるアクティブブレーキアシスト5を搭載しています。メルセデスベンツによると旧モデルに比較して搭載された革新的な装備は60以上もあるとのこと。さすがおひざ元の貫録、グループ会社のE-FUSOも含めて大規模なブース展開をしていました。

エクステリア

media.daimler.com ©media.daimler.com

メルセデスらしい面構え

フロントグリルの中央にメルセデスベンツのスリーポインデットスターが掲げられたアクトロスらしい面構え。両脇のヘッドライトはつりあがり、迫力満点ですね。

インテリア

media.daimler.com

media.daimler.com ©media.daimler.com

注目は外部ミラーを無くしたミラーカム

全車搭載となった自動運転レベル2の運転支援機能とともに、注目を浴びているのが販売されている商用車で初めて搭載されたカメラ型の後方認識装置です。必需品だったミラーがなくなり、カメラが搭載され視認はピラーに設置されたモニターで行います。エディション1に先だって発表されたふそうの電気トラック、ヴィジョン1に搭載されたミラーカムと同じ構造のものと思われます。さらにコクピットは二枚のインフォティメントパネルで構成され、未来感をかき立てます。

media.daimler.com ©media.daimler.com

キャビンに乗り込むときのステンレス ステップが印象的です。トラクターは、ステンレス製ルーバーが標準装備とのこと。

イイねなポイント

・自動運転レベル2(ハンドルを握ったままでの車線はみ出し防止と前車自動追従機能)の安全快適機能を全車標準装備。
・商用車初のリアミラーを廃したカメラとモニターによる後方視認
・メルセデスらしい1歩上をいく高級感ただよう外装と内装
・ふそうのスーパーグレートへの技術移植に期待大

ムムムなポイント

・日本への導入がないこと

社長の目

「まずは話題のミラーレスに驚きました。昨年、東京モーターショーで観たE-FUSOのEVトラック・ヴィジョン1と同じシステムだと思います。現場で操作してみたのですが、通常走行時ではモニターを分割するようにして、これまでのリアミラーと同じ様に使えます。そしてカメラを切り替えることで、死角の見たいところだけを見ることも出来ます。走行はしていないですが、現場で確認した視認性は非常に良かったですね。また当たり前についてきた自動運転レベル2の機能は、もちろんスーパーグレートにも移植されるでしょう。現地ではこの点、あまり話題にはなっていませんでしたね。そして最後に内装ですが、最近のメルセデスベンツのトレンドである大型液晶パネルが象徴的で、Sクラスを運転しているみたいでしたよ(笑)。シートの革の質感も高く、メルセデスの高級サルーンそのものでした。格好良かったですね」

【スカニア】 用途を都市にしぼったハイブリッド/プラグインハイブリッド電気トラック(HEV/PHEV)

scania.com ©scania.com

ヨーロッパの大都市ではエリア毎に大気汚染、騒音、スピードを抑えるための交通ゾーニング対策が急速に検討されています。これは中心部の商業地帯や住宅街を想定していますが、その対策にいち早く取り組んだトラックが、このスカニアのHEV/PHEVシリーズです。位置情報でゾーニング情報をドライバーに伝え、自動的に速度制限や電気モードに入る機能を持ちます(スカニアゾーン)。荷物の積み下ろし中に充電し、規制ゾーンを離れると通常運転に復帰します。これはヨーロッパの仕様ではありますが、今後日本でも交通ゾーニング対策は進んでいく可能性もあり、注目したい機能ですね。

scania.com ©scania.com

荷物の積み下ろし時にこまめに給電するイメージ

社長の目

「今年のハノーバーは特に大型のEV車両が多かったのが印象的でした。去年の東京モーターショーなんかに較べると、日本とのギャップを感じましたね。その点、スカニアのプラグインハイブリッドトラックは、来たるべきEV時代へのつなぎという感じでしょうか。あくまでも廃棄物処理車だったり、都市用に用途を限っていて現実的だなという印象を持ちました」

©YOSHINO MOTORS

【ボルボ】 ボルボ25周年モデルを発表

ボルボ・トラックは1993年以来、継続して販売されてきたボルボFHの25周年モデルを発表しました。日本でも近日発売されるアクティブ・ステアリング装置付きのスペシャルヴァージョンです。ボルボ・トラックの社長であるクラエス・ニルソンは言います。
「ボルボ FH はお客様のニーズにそった完全なパッケージであり続けました。FHは四半世紀を、ひとつの区切りと考えています。この印象的なスペシャルエディション モデルは、最初の 25 年を祝うだけでなく、今後のお客様とドライバー、そしてボルボの成功の旅の始まりを表しています」

【富士運輸】日本から唯一の出展!その“オールジャパン”の心意気!

©YOSHINO MOTORS

トラック架装も手がける富士運輸(奈良市)が世界一の商用車の祭典に出展しました。日本発祥のボディであるウイングボディの日野プロフィアを展示。カラーはサッカー日本代表をイメージしたジャパンブルー、カスタマイズパーツはすべて日本のメーカーで統一しています。“オールジャパン”の心意気で、日本のトラックの存在感を高めてました。

社長の目

「富士運輸さんはカスタムブランド・セノプロをこれまで手がけてらっしゃいました。ヨーロッパのパーツを日本に輸入するカスタムがメインでしたが、このハノーバーではあえて国産パーツで固めて“オールジャパン”で、日本の企業としては唯一出展されました。本当にすごいことだと思います。トラックの色はサムライブルーで、テールランプはカブキテール。日本人として嬉しくなりましたね。実際、“このトラックが欲しい”という現地業者からの問い合わせもあるようです」

©YOSHINO MOTORS

詳細は
メルセデスベンツ・トラック
https://www.mercedes-benz.com/en/mercedes-benz/vehicles/trucks/

スカニア・グローバルサイト
https://www.scania.com/world/#/

ボルボ・トラック
https://www.volvotrucks.com/

富士運輸車両部(セノプロ)
http://fuji-truck.com/?page_id=47

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