トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第41回
チーム・FE(ファストエレファント)
チーム・FE(ファストエレファント)
トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第41回
チーム・FE(ファストエレファント)
チーム・FE(ファストエレファント)
「今年は麒麟と一緒に象が来る!? 2年目のファストエレファント、その夢と野望について」
NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」は大人気のようですが、今年は象だって来ます!今回は2年目を迎えたボルボトラックのカスタムライン、ファストエレファントの今後を占います。ファストエレファントの新作であるノアとディナはジャパントラックショー2020に出展されるはずでしたが、残念ながらジャパントラックショー2020は中止になってしまいました。手塩にかけて造られたノアとディナの紹介はFEチャンネルにお任せするとして、今回は2年目を迎えたチーム・ファストエレファントが今後どこに向かっていくのかを探りたいと思います。ECサイトのリニューアルに、ユーチューブチャンネル、FEチャンネルのスタート。発足してからの2年間を振り返りつつ、ボルボカスタムから他のメーカーへのカスタムの可能性、そして世界を股にかけた野望まで一気に語り下ろします!
写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介
鈴琴美
ファストエレファントの副店長。ときに優柔不断な店長のお尻をたたくしっかり者。
茂木千紘
ファストエレファントのクリエィティブデザイナー。実は美大出身の新世代サラブレッド。
山口安奈
ファストエレファントの広報&SNS担当。チームにおける母親的役割を果たすキーパーソン。
____まず知られざるチーム・ファストエレファントを紹介していきたいと思っています。それぞれの仕事内容を教えていただけますか。最初は副店長の鈴さんからお願いします。
鈴:私はEC用に商品撮影をしたり請求書を発行したり、売れたパーツの梱包と発送をしたりしています。他にもインスタグラムだったり、ユーチューブでの商品紹介を主に立案しています。
茂木:私は鈴さんが撮影したものを動画にしたり、デザインの仕事もしています。お客さんから依頼を受けた行灯(あんどん)やステッカーの形をデザインにする仕事もしています。
____なるほど。デザインはどんなカタチで進められるのでしょうか。
茂木:お客様の頭の中のイメージを、デザインに起こす仕事と言ったらいいかも知れませんね。全体における大きさのバランスなどの相談も受けますので、そのイメージを「見える化」してお客様が好きなデザインを見つけられるお手伝いをしています。これからの仕事としては今あるボルボのパーツを取り付けたら、どういうイメージで見えるのかとか、こちら側からの提案も積極的にしていきたいと考えています。それと今後は、「もっとボルボそれ自体のデザインもしていけたらな」と考えています。
____わかりました。では山口さん、お願いします。
山口:私は写真に撮ってもらったものを ECサイトに掲載しています。そして、その中身の管理をしています。後はツイッターを主に SNS の紹介だったり、ヨシノ自動車のニュースを配信したり、広報的な仕事もしています。
____ちなみにファストエレファントの EC サイトで売れているものの傾向を教えていただけますか。
山口:やはりベッド裏のキャブロゴが一番売れていますね。最近はホイールのナットキャップがよく出ています。ここ数日はなぜかポンポンとリップスポイラーが売れていたりしますね(笑)。あとはスムージングパネルとエンブレムをセットで買っていただいたり、それが立て続けに売れていました。
目下。1番人気!≫ボルボ VOLVOベッド裏ステンレスロゴ
https://fast-elefant.shop-pro.jp/?pid=135019834
____どこかで話題になったのでしょうか?
鈴:それがいつも分からないんです。売れている地域も全然違っていて、北は北海道から…
山口:九州の方まで売れていたりするんです。それでもやはり北海道のお客さんが多いですかね。
____それは意外ですね。
鈴:実際にボルボユーザーの方は北海道の方が、すごく多いんですよ。
中西:そうなんですよね。僕も最近、インスタグラムでボルボ専用のアカウントを作ったのですが(※1)、傾向が分かりやすいです。もともとボルボの台数は北海道が大きいんですよ。地元のディーラーさんが毎年、コンスタントに50台ぐらいを売ってらっしゃるんです。でもそのディーラーさんはカスタムに力を入れているわけではない。ですから、「北海道はノーマルのボルボが多い」と思い込んでいたのですが、そのボルボ用のインスタグラムでつながったお客さん達が、実際はかなりカスタムに力を入れているのに驚きました。特に札幌より道東の方が多いですね。旭川とか帯広とか。
山口:そうです。そうです。帯広が多いですね。
※1:https://www.instagram.com/volvo_trucks.jp/?hl=ja
左より茂木さん、鈴さん、山口さん。
____北海道は自分でトラックを持つ独立系の運転手が多いということでしょうか?
中西:そこまでは言い切れませんね。地元ディーラーさんの話を聴くと、会社単位でボルボを導入されるお客さんが多いようです。けれどもカスタムも盛んなのですね。そこが面白いですよね。会社で導入されるお客さんが多いのに、カスタムが多い。我々にとっても潜在顧客が見込めて、理想的ですよね。
____確かにそうですね。ではファストエレファントが立ち上がって、この2年ぐらいでトラックのデザイン的な意味で、どこか変わってきたことはありますか。
茂木:行灯は元々みんなやっているんですが、最近の傾向ではステッカーを使用するケースが多いんですよ。サイドで「オリジナリティーを出したい」という人が増えている印象ですね。サイズも大きくて、自由にやりたいと言う気持ちが高まっている感じがしますね。 何かの模様だったり、ファイヤーパターンのようなものをステッカーで自作して貼りたいというニーズが高まっている印象があります。
____ペイントではなくて、剥がしたいとき剥がせる「ステッカーにしたい」ということですね。ファストエレファントはステッカー制作的な業務があるのでしょうか?
茂木:はい。お客さんとつめたデザインを業者さんに発注します。今後、ECサイトのリニューアルにともなって、デザイン部門が強化されます。有償とはなりますが、これまで本体料金に含めていたデザイン料を別にすることで、お気軽に行灯のデザインやステッカーデザインを考案することが出来ます。例えば会社のロゴデザインのようなお仕事も引き受けることが可能になります。
____なるほど。茂木さんのデザイン部門が独立した機能を持つのですね。剥がせるステッカーといえば、今回のノアがステッカーでこだわりのカスタムを見せましたね。前回はカインとアベルという2台でしたが、アルフレドさんから見て、この2年でファストエレファントはどう変わってきたのでしょうか。
アルフレド:まず最初に比べて、問い合わせが圧倒的に増えましたね。 部品の話をしていても高額な部品になると、お客さんが部品をネットで見て、電話でまとめて注文して、その金額を直接振り込むという感じになっています。そうするとネットそれ自体の売り上げにはならないのですが、ネットがないと商売になりません。後は業者間の取引も増えました。大阪のボルボディーラーだったり、UD の販売店からもパーツの問い合わせが常に入ります。その場合、本当にまるまる一式買ってくれることが多いんです。
____それは正規ディーラーが買っていっちゃうんですね。
アルフレド:正規ディーラーもそうですし、ボルボをやっている架装屋さんだったらどこでも問い合わせをしてきます。
____なるほど。ボルボオーナーが地元の架装屋さんに架装を頼んで、架装屋さんがファストエレファントにパーツを発注するんですね。
鈴:そうです。だから架装屋さんに直接発送してくれというお客さんもすごく多いんです。
____なるほどなるほど。
アルフレド:だからネットの方に数字は乗らなくても、販売は増えているということです。こちらとしても本腰を入れれば、もっと販売は増やせると考えていまして、もうすぐ EC の新しいサイトが立ち上がります。パーツが見やすくなり、直感的に探せるようになるはずです。まぁ、そうは言ってもボルボの台数がまだまだ多くはないので、ビジネスとして大きくするには時間がかかるとは思います。
____なるほど。副店長の鈴さんから見て、このファストエレファントの成長はどう映っていますか。
鈴:もともと私もトラックに詳しいわけではないんです。2年前のジャパントラックショーに「架装したボルボを出そう」という話になって関わるようになった、本当にド素人だったんです。パーツの名前を聞いても、それがどこにつくのか分からない状態で始まっているのですが、2年前にトラックショーに来てくれたお客さんに「ファストエレファントのボルボが一番格好よかったね」って言ってもらえたりすると、カスタムトラックの良さが私自身、実感できていますね。
____仕事を通して理解が深まっていくんですね。
鈴:たとえば通過車両といって他のディーラーさんでボルボを買ったオーナーさんが、ヨシノ自動車に修理に訪れたりします。その修理に入った時に、「たまたまこの間、ファストエレファントで商品を買ったんだよ」と言ってくれて、その人が北海道の他のドライバーさんと繋がっていたりするので、各地でファストエレファントを通したコミュニケーションも広がっている実感があります。そのボルボを通したコミュニケーションだったり、発見だったりがすごく面白いんです。
____了解しました。そうやってファストエレファントが知名度を上げていくことで、架装にかけられる単価も上がってきたイメージでしょうか。
アルフレド:新車販売でいったら、ノーマルで販売されるトラックは数台しかないですね。 まずサイドエアロなどの基本的なカスタムをするのがベースにあって、その上でパイプを付けたり、スポイラーを付けたり、その先のカスタムに発展していくという感じですね。だから2年前のトラックショーをきっかけに、ベース車両のカスタムが基本になりました。これはヨシノ自動車で販売しているボルボに関してですけど、最新のカスタムを紹介するために定期的にファストエレファント仕様のトラックを作っていきたいんですよね。ノアとディナみたいに。
____その2年ぶりのオリジナル車両となったノアとディナですが、作ってみていかがだったでしょうか。ディナは副店長の鈴さんのアイデアですが。
鈴:思った以上に派手といえば派手になってしまいましたね(笑)。 もともとピンクは好きだったし、ピンストライプ職人のケン・ザ・フラットトップさんと何回かお話をさせて頂いて、どんどん派手にはなっていったのですが(笑)、仮にこれでトラックショーに出品できていれば「本当に目立ってよかっただろうな」と考えています。 実際にボルボのドライバーさんに観てもらって「良いね」と言ってくださるドライバーさんが多かったので、「女性ドライバー向けのトラックを作る」という、今までにない試みが出来て良かったなと思っています。個人的には国産のトラックさえ知らなかったのに、ボルボトラックのプロジェクトを手がけられて充実感がありますね。
____インターネットでの評判はどうですか。
鈴:まだそれほど本格的には行っていないのですが、「可愛いね」とか「色がいいね」という評判は頂いています。今後 、ユーチューブ番組の FE チャンネルなんかも充実させていくので、 楽しみにしていただきたいですね。
____実際、どんな方が買われるのか楽しみですね。
鈴:もう決まっているんですよ(笑)。
____そうなんですね!それは素晴らしいですね。
中西:ディナの製作途中から話をしていたお客さんがすごく気に入ってくださって、購入していただくことが決定しています。
こちらはアウトドアスタイルのNoah(ノア)。©ヨシノ自動車
____素晴らしいです。引く手あまたですね(笑)。さて中西社長から見て、ファストエレファントのこの2年の成長は、どんな風に感じられていますか。
中西:ひとつはファストエレファントそれ自体の知名度が上がりました。トラックショー直後は「どんなものかな?」と、まだまだ懐疑的でしたから。そもそも現在のジャパントラックショーに出展するのは前回が初めてだったものですから、効果が予想できなかったんですね。その後、半年、一年が経ったぐらいでお客さんも確かに増えたし、知名度もあがったし、「ファストエレファントでカスタムして欲しい」というお客さんに繋がりました。そういうお客さんが、この2年間で着実に増えましたね。 ECサイトでパーツを販売しているのもそうですし、テリトリーがあるので仕方がないのですが、我々はボルボの新車を東京と神奈川でしか売れませんよね。
____確かにそうですね。
中西:それでもカスタムは「ファストエレファントでお願いします」というご要望を多くいただくようになりました。 そんな描いてきた夢が少しずつ実を結んできたのが、この2年間の歩みでしょうか。本音をいえば、このトラックショーでちゃんと新作を発表したかったんです。ファッションショーで有名なブランドが新作を発表しますよね。一点もののオートクチュールだったり、奇抜な形は「これいったいどこに着て行くの?」という服ばかりですよね。でもトラックショーは「あれでいい」と思っているんです。
____例えが分かりやすいですね。
中西:2年前もそうですし、今回のトラックもそうなのですが、ショーに出品するトラックはお金がかかっている割に実用性がありません(笑)。でも2年後のトラックショーもそうしていたいんです。飛びぬけていきたい。車屋さんだとすれば、レースに出ているのと一緒だと思います。レースで利益は得られませんが、レースをしていることによってボディやエンジンなどあらゆるスペックを最大値まで持ってきて、それが汎用車にも生かされるわけです。今回もそうで、たとえばケン・ザ・フラットトップさんが描いたピンストライプを量産化したりするのは手間がかかりすぎて、あり得ないわけです。ただ、それをデザインとして量産化していくのであれば一回一回描いてもらうのは無理だけど、それを形として残しておいて、ノアでやったラッピングカーのようにラッピングの素材デザインとして使わせてもらうといったことは可能ですよね。だから一度、飛び抜けた発想をしないと、その後にはつながらないんですよね。
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____瞬発力のようなものが必要だということですね。
中西: そうだと思いますね。ファストエレファントとしてはハードルも上がるし、プレッシャーにもなるけれど、それがないと成長しないんだから「良いタイミングかな」と考えています。
____それが2年後ぐらいのタイミングだとちょうど良いんですね。
中西:そうですね。これでまた2年後のハードルが上がっているわけですから(笑)。
____今回、トラックショーはありませんでしたが、逆に例えば同じブースで一緒にやるはずだったセノプロさんと合同試乗会みたいなものをするとか、そういうアイデアもあると聞いています。逆にこれまでになかった発想が、生まれてくるきっかけになるかもしれませんね。
中西:今回、コロナという問題があって、その中から「何かできることはないものか」と考えた結果ではありますが、こうやってファストエレファントとして動画を始めたのも前々から思ってはいたけれど、実務に追われて優先順位としては下になっちゃっていたわけです。それがコロナでスタートすることができた。それはプラスになることですよね。
____了解しました。では店長のアルフレドさんに聞きましょう。この2年の成長はどう感じられていますか。
アルフレド:2年前に比べて、やりたいことが増えすぎてきて、いよいよ架装屋らしくなってきたとおもいます。もともと、ある素材をカットしたり溶接したりという作業は得意とするところだったんですが、今回のノアに関しては仕様に無茶があるので、制作において学びが多かったです。実際のお客さんの架装でも、ニーズに合わせてパーツそれ自体を制作するような作業をしているので、その点も2年前よりは成長していると感じられます。やはりお客さんのしたい仕様を叶えるのが我々のモットーなので。
____逆にこういう機会があると、試してみたかったパーツが試せたり、そういう機会もあるわけですよね。
アルフレド:そうですね。もともとアウトドア仕様はずっと頭にありました。それでアフリカの荒野を走っているようなイメージですよね。 だから完全に趣味といえば趣味なんですよね。
____実際にどこかでキャンプをしないといけませんね(笑)。中西社長の2年後のイメージはどうでしょう?
中西:2年後と言えば、新型ボルボが導入されている頃だと思うんです。本国で今年の夏に新型ボルボが発売されるとされています。これまでの経過からいうと1年半から2年が経って日本に導入されます。そう考えると2年後の夏は、新型が入っている可能性が高いですね。だからタイミング的には良いんですよね。 それともうひとつ夢があるんです。2年後はファストエレファントのオリジナルパーツを販売していたいんです。今は市販されているパーツをセレクトして取り付けているだけですよね。
____確かに。壮大な夢ですね。
中西:現在はケルサーだったり、海外にあるボルボのパーツを日本に輸入することでカスタムしているのですが、そのパーツをどんどんオリジナルにしていきたいと考えているんです。それが多ければ多いほどいいし、新型ボルボだったら「フルオリジナルで行きたいな」と考えているんです。完全なファストエレファントのコンプリートカーですね。将来的には世界的にも販売して、ケルサーを抜くブランドにしたいなと考えています。
アルフレド:パーツ作りはもう始まっていますからね。
____そうなんですね!すごいですね。
アルフレド:オリジナルのパイプ形状だったり、簡単なところから、もう始めています。
____そのデザインは茂木さんがやる感じですか?
茂木:今はまだデザインしていませんけど、いずれはしたいです。もともと大学にいた頃は絵を描くというより、製品デザインをやっていたので、モデリングだったりも経験があるのでそちらも関われたら嬉しいですね。 これまで4台ですけど、こちらが一からデザインしたものをお客さんに、ちゃんと販売できています。今後はそうやって、こちらから提案したものがお客様に欲しいと言っていただけると嬉しいですね。
____なるほど。もうすでにその傾向はありそうですけどね。「アルフレッドさんにお任せ」というドライバーさんも増えた印象があります。たとえば、どんなカスタムを提案したいですか?
茂木:例えば色はメタリックなどが現在の主流ですが、レトロっぽい車にありそうな色使いだったりをしてみたいんですよ。ちょっと「日本じゃないな」っていうテイストになると思うんです(笑)。
中西:昔のブリキのおもちゃで、ボディがベージュでフェンダーが赤とか、そういう感覚ですよね。
____了解しました。では鈴さんの今後のファストエレファントに向けての抱負を聞かせてください。
鈴:まずファストエレファントのコンセプトとして「あなただけのボルボを作ります」というのがあって、最初のカインとアベルは「我々ができる最高のトラックはこれです」という完成型でした。 本当に世界にただ1台しかないボルボを作っているという実感があり、それに携われていることを幸せに感じています。 だからこちらから提案するにしろ、お客様からこうしたいという提案を受けるにしろ、世界に1台しかない特別なボルボを、我々とお客さんで喜べるような仕事をしていきたいと考えています。
____はい。
鈴:その上でユーチューブでもファストエレファントの特色をどんどん出していきたいんです。普通の女性は、トラックに対して良いイメージを持ってる人は多くないと思うんです。トラックは物流を支える、「格好良くて素晴らしいツールなんだよ」ということを、女性や子供に積極的に伝えていきたいと考えているんです。
____トラック業界全体のイメージアップに貢献したいということですね。
鈴:そうですね。子供達が「自分もあんなトラックに乗りたい」と憧れてもらえるようなトラックを作るとか、逆に子供たちの夢を具体的にしたトラックも作ってみたいです。
____わかりました。では山口さん、お願いします。
山口:私はファストエレファント立ち上げの時には休職中だったんです。休職から戻ってきて 「EC サイトやるから」となって、そこで振られたのが初めてでした(笑)。ノアとディナのイメージを作るときも、私は全く関わっていない状態で撮影を手伝ったりしていました。全く知識のない状態で EC サイトを立ち上げて、現在に至る感じです。それでも売り上げはちゃんとたっているので、もっと自分の広報活動によって 「EC サイトで買ってもらえるようにしていかないといけないな」と考えています。制作やデザインといったクリエイティブに関わっていないぶん、いろんな人に見てもらえるようにファストエレファント自ら発信していけるような活動を続けていきたいと考えています。
____どの辺の 活動媒体を広げていきたいと考えてらっしゃるんですか。
山口:私はツイッターがメインなのですが、ユーチューブのコンテンツを考えたり、どうしたらもっとお客さんの目に留まるかを一緒に考えていきたいですね。その辺をもっと分析していかないと見てもらえなくなってしまうので、どう見せていくかにこだわっていきたいと思います。今後その見せ方も勉強していきたいのと、パーツを海外で販売するという野望があるので、「英語も勉強しなければいけないかな」と考えています(笑)。
____いいですねぇ!
中西:現在はボルボに特化していますが、ボルボ以外のトラックもやりたいと考えているんですよ。どんなメーカーを手がけたとしても、ファストエレファントの名前が先に立つようなカスタムブランドを作っていければ「最高だな」と考えています。それこそ旧い車も手がけて、ディスカバリーチャンネルのカスタム番組のような番組に発展していければ最高ですね。 正直な話、今後10年でヨシノ自動車の業態として成長する可能性があるのは、パーツ事業だと考えているんです。
____分かります。
中西:トラック本体を作るのは現実的ではないですよね。日本でボルボが売れているのは全国的に見て年間1000台程度です。それを全部、カスタム出来る訳でもないですよね。でもボルボトラックは世界で第2位の販売台数なんです。世界にはそれだけのマーケットがあるので、パーツは世界で販売できるし、外装系は特に成長が見込めると考えています。アジアだけでなく北米でもヨーロッパでも、世界で勝負できるブランドにしていきたいですね。
チーム・ファストエレファントの面々。一番左は野口さんで一番右が大五郎さん。2人はボルボカスタムのエキスパートです。©ヨシノ自動車