株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第56回

株式会社 杉田建材工業 杉田 豊和様 杉田 昌江様

株式会社 杉田建材工業 杉田 豊和様 杉田 昌江様

「まるでテーマパークのトレーラー!? ディナは女性や子どもに大人気のボルボになりました」

山梨県の大月市よりほど近い山間にある杉田建材工業。2年ほど前より単車のダンプカーからトレーラーを導入しました。社長の杉田豊和様は一念発起でボルボトラックへ。奥様の専務、昌江様はファストエレファントのコンセプトカーであるディナをご購入いただきました。ディナはファストエレファントの女性チームが企画した“女性のためのトラック”です。専用の台車もしっかり架装し、日本では唯一無二のピンクキャデラックならぬピンクボルボトレーラーが誕生しました。今回はご夫婦でのけん引免許取得から、ご購入の経緯までお話を伺ってきました。ファストエレファントのデモカーや、トレーラーの導入をご検討されているお客様には必見の内容となりました。

編集・青木雄介
WEB・genre inc.

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杉田 豊和(すぎた とよかず)様
1967年生まれ。山梨県小菅村出身。1988年に某建設学院卒業後、青梅市の建設会社入社。1992年に杉田建材工業設立。現在に至る。

杉田 昌江(すぎた まさえ)様 1975年生まれ。東京都国分寺市出身。
高校卒業後、多摩市の運送会社入社、21歳のとき大型免許取得後、多摩市のダンプ会社に入社。2016年に杉田建材工業入社。現在に至る。

ニーズが高まるダンプトレーラー

©YOSHINO MOTOR

___もう1台のボルボは社長が運転されるんですか。

杉田社長:そうです。私が一番最初に買ったトレーラーヘッドです。けん引免許も去年(2020年)の2月に取ったばかりなんです。それまでは大型のリジット(単車)に乗っていたのですが、過積載の問題などがありまして「トレーラーなら3台分積めるから入れてみようか」と購入しました。

____トレーラーを入れてみてどうでしたか。

杉田社長:良い仕事をすると売り上げ的にもいいですよ。やっぱり一台で何度も往復するよりは一回で終わらせられるのがいいですね。

____最近はダンプトレーラーも増えています。そういう理由があるんですね。

杉田社長:本当に増えていますね。やはり高齢化になって人手不足が深刻なんです。昔のように「ダンプに乗りたい」という若者があまりいない。車離れもあって人の確保が難しいので、それであれば「一台で3台分を運びたい」という気になりますよね(笑)。

____なるほど。初めてのボルボにトレーラーヘッドは乗ってみていかがでしたか。

杉田社長:それまではいすゞか日野だったので、最初に乗った感じはふわふわしている印象でした。私のボルボは一世代前のボルボですが、とても良いんです。購入する前に山梨の会社さんでこのボルボと同じ一世代前のボルボに乗ってらっしゃる会社さんがあって、「具合はどう?」って訊いていたんですね。そうしたらメンテナンスにはお金がかかるけど「とてもいいよ」と評判だったんです。「それだったら買ってみようか」と思いました。クルマにはとても満足していますね。

____ この辺(山梨県の小菅村周辺)はアップダウンが激しいですよね。力のあるボルボは持ち味を発揮しそうですね。

杉田社長:はい。その後に、いすゞの520馬力のオートマ(スムーサー)を入れたんですよ。新しいし、そっちの方が「具合がいいだろう」と思っていました。でもいすゞの方が乗りにくかったんです。シフトの変速ショックがすごく大きいんです。でもボルボは滑らかなんですよね。

初めてのボルボに大満足

アルフレッド: Iシフトは昔からそうなんですよね。出た瞬間から話題になっていましたから(笑)。

杉田社長:その前に弊社は他の会社に先んじて日野のオートマ(プロシフト)も入れてみたんです。出てすぐの15年前ぐらいです。出だしこそクラッチ踏みますが「オートマはいいな」と思っていたんですね。せっかちな人だと頻繁にシフト操作をしてしまって壊してしまうんですけど。ボルボはクラッチ無しのフルオートマだし、正直にいうと最初は半信半疑だったんですよ。専務も最初は「ボルボを買う人なんていないよ」って言っていたんですから(笑)。

専務:ダンプ屋さんでボルボってあまりいないですよね?(笑)。

杉田社長:そもそも現行型だとリジットはないですから。

専務:そこは日野かいすゞじゃない?って思っていたんですよね。

杉田社長:でもあのボルボは値段も安かったんです。実際のところ、それもあったし練習用には「ちょうどいいかな」と思ったんですね。でもまだまだ全然乗れますよ。

____やはりこの辺のダンプ屋さんは起伏が多いから、オートマを好むような傾向はあるのでしょうか。ダンプ屋さんがマニュアル好きというのはよく知られていますよね。

杉田社長:いや。この辺で特にそんなことはないと思いますが、やはりマニュアルが好きな人はマニュアル派ですよ。現場に行くと足場が悪いところも多いですから、マニュアルの方が思い通りに車体を動かせるということはあるんです。でもオートマだからといって、このボルボに不満はありません。後ろ30トンぐらい積んでいて1速に入れて、坂道でもゆっくりですがちゃんと登るんです。「いつも偉いな」と思っているんです。「頑張れ頑張れ」と思わず応援したくなります(笑)。

夫婦でけん引免許に悪戦苦闘

____社長の運転するボルボも後ろはカラーリングを合わせてセットアップしていますよね。やはり飾ったトラックがお好きなんですか。

杉田社長:そうなんです。やはりデコトラは小さい頃からの憧れでした。菅原文太さんのトラック野郎シリーズは中学校の頃、全盛期だったんですよね。

アルフレッド:デコトラは造らなかったんですか。

杉田社長:造ったことはありますよ。一番、最後に乗っていた日野はデコトラでした。

____では専務のディナの話に移りたいのですが、専務はそれ以前からトレーラーを運転されてらっしゃったのでしょうか。

専務:これが初めてだったんです。免許も社長と一緒に取りに行っていました。泣き泣きでしたね。

杉田社長:私たちは免許センターの一発試験で取りに行ったんですよ。コロナ前ですね。

専務:社長は5回目で取りましたが、私は8回かかってしまいました。

杉田社長:私が5回目で受かった時は喜べなかったですよ。専務は大分、機嫌が悪く荒れていましたので(笑)。とにかく練習するものがないから、ミニカーで動きを想像したりしていました。

____それは大変ですね。パソコンのユーロトラックシュミレーターだと練習しやすいですよ。

杉田社長:それ入れました(笑)。

中西:あれいいですよね。自分もやってみたいなと思ってるんですよ。マイクロソフトが出している3画面のシュミレーターもやってみたいです。教習車の運転は難しいですよね。短いから操作が本当に難しい。

杉田社長:そうなんですよ。

アルフレッド:でも8回でも金額にしたら相当安くなりますよね。

杉田社長:1回につき5000円だから私で2万5千円。専務が4万円かな。

ディナを購入するまでの経緯

____そもそもヨシノ自動車とのお付き合いはあったのでしょうか。

専務:それまでのお付き合いはなくてヘッドを観に1度、厚木の方に行ったのがきっかけです。

杉田社長:だからボルボを買うことも決めてなくて、「とりあえず程度の良いトラックはないかな」ぐらいの軽い気持ちでヨシノさんに行きました。ネットで見ていたらヨシノさんにカスタムで420馬力の、ちょっと良さげなギガのシングルトラクタが掲載されていました。その時に欲しかった重機の荷台もあったので「一緒に見たい」と思っていました。その時に対応してくれたのが営業の早川さんでした。そのいすゞのカスタムはすごく程度が良かったんですが、値段もいい値段だったんです。そこで値引き交渉などをしつつ交渉していたのですが結局、折り合いがつかず諦めました。

____なるほど。

杉本社長:その流れで千葉に行き、現在乗っている自分のボルボを買いました。それで牽くのに重機用のトレーラーが欲しかったので三重で購入したのですが、初めてのトレーラーだったこともあってピンの位置とカプラーの位置が合っていなくて、後ろがトレーラー当たってしまうんです。買ったものの使えないので、再び早川さんに連絡をしました。それでヨシノさんで見た重機のトレーラーを買うから、この三重のトレーラーを買ってくれと言ったんですね。

____話が混み入ってますね(笑)。

専務:その時に早川さんがボルボのデモカーに乗ってきたんですよ。

中西:ディナではないですね。メーカーから弊社が買い取ったデモカーですね。

アルフレッド:早川は良い機転を働かせましたね(笑)。

専務:そうなんですよ。その時に、この周辺をぐるっと走ったのですが、ものすごくハンドルが軽いのにびっくりしました。その後に社長のボルボを乗ると、ハンドルが重くてびっくりして、今でも乗り換えると混乱するんですよ。どこまでハンドルを切ればいいんだろうって。そして女性用に造ったというディナの話を聞いて見せてもらったら、私の理想がそこにあったんです。

杉田社長:元々は「ボルボなんて買う人はいないよ」って言ってたんですよ(笑)。

専務:それまでは「私には乗れない」って思い込んでいたんですね。でも、もうディナは即決でしたね。

すべてのカスタムを受け容れていただいたディナ

____ディナのコンセプトを考えた鈴さんにも、それは嬉しいことですね。

鈴:その話を聞いた時は嬉しかったですね。最初にコンセプトを考えた時も「ピンクのボルボに乗りたいドライバーはいない」とか社内で散々に言われていましたから(笑)。造っておいてなんですけど「売れなかったらどうしよう」と不安でした。ちょうどディナを造っている時にカラーリングを考えていた時期です。同じトラックショーの企画メンバーだった早川から「実は僕のお客さんでピンクのボルボが欲しいというお客さんがいるんだ」と聞かされたんです。

____渡りに船ですね。

鈴:本当に嬉しかったですね。ただこれからピンストライプを入れたり、どんどん派手になっていくから「そこまではコンセプトカーとして造りたい」という話をしました。でもそれも含めて、出来上がったらそのまま乗っていただいていて、すごく喜んでいただいて嬉しかったですね。

____ピンストライプも手書きだし、決してお手頃のカスタムではないですからね。コストの心配はありますよね。

アルフレッド:そこは「やる」と最初から決まっていましたからね。これからどんどん激しくなっていくんだけど大丈夫だろうか、という心配はありました。

専務:私は「どんどんやってください」という感じでした。ただ私自身はトレーラーが初心者なので、あまり目立たないようにこそこそ走ってるんですよ(笑)。

杉田社長:あのレリーフの中も本当はシルバーだったんだけど、ゴールドにして欲しいと言ったら変えてもらえたんだよね。

____なるほどなるほど。

杉田社長:ボルボの営業さんの間でも「本当に買う人がいるんだろうか?」って話になっていたそうですけど、私自身も半信半疑で「本当に買うの?」って思っていましたから(笑)。

専務:そう言いながら、「他に買い手が現れるかもしれないからさっさと振り込むぞ」って言っていました(笑)。

アルフレッド:僕も登録しに行く時に何度も乗りましたが、ピンクの車体なのに乗っているのが僕っていうギャップがたまらないですよね。

まるでテーマパークのトラックのような人気

____ピンクの車にいかつい人が乗ってるイメージですね(笑)。ディナの注目度はどうでしょうか。

専務:注目度は凄いですよ。見られるし写真も撮られます。信号で止まっているとふと気づくと自転車に乗っている人が写真を撮っているんです。この辺で走っていても走っている途中に、わざわざ呼び止められて写真を撮られるんです。「これあなたが運転してるの?」ってびっくりされるんですが、「見れば分かるだろう」と思いながら(笑)。皆さん、ピンクが気に入るんですね。

ピンストライパー、ケンザフラットトップ氏による蝶のグラフィティ

鈴:ここまで大きい車体でピンクってないですからね。

専務:そうそう。よく外国の方にも手を振られます。それと最近は日が落ちるのも早いじゃないですか。ライトつけて走っていると後ろのトレーラーの蝶の絵とかもすごく映えるんですよ。それで3歳ぐらいの女の子が、お母さんとずっと手を振っていたりするんですよ。横には象さんもいますしね。気分的には走る動物園なんです。

____そうですね。テーマパークのトレーラーですね。

中西:確かにディナは夜でも見てみたいですね。

____後ろのトレーラーはディナを造ってから造ったんですね。

杉田社長:そうそう。元々のトレーラーは13年目のトレーラーなんです。

専務:最初はボロボロでしたよね。

杉田社長:とにかくモノが見つからなかったんです。値段も安かったし手をかければ綺麗になるかなと思って、思いきって購入しました。もともと石灰を牽いていた箱でそこら中に石灰が付いていたんですよね。九州はこういう石灰を牽いていた箱が多いんですよね。

専務:本当はもう少しメタリックを入れたかったんですが、出来上がってみるとそうでもなかった。本音を言うと、もっと派手にしたかったんですよね。

杉田社長:この白も自分が好きな白なんです。キャデラックのホワイトダイヤモンドという白です。フェンダーとかは私が取り付けて、私が磨いたんですよ。

ボルボダイナミックステアリングは軽くなりすぎるから

____社長ご自身で架装をされるんですね。やはり新品の台を買うより中古の台を買って架装する方がお得なんでしょうか。

杉田社長:いや、私は新品の方が良いんですが、そもそも新品の台がなかったんですよ。中古でもないから、3軸の箱がネットに上がったら「すぐ買おう」と思っていました。だからネットに上がった瞬間に電話をしてすぐ買いましたね。

専務:だからいまだに毎日、ネットを見ていますよ。

アルフレッド:「ポチっちゃおうかな」っていうモードになっているんですね。アマゾンみたいに。

____一同爆笑

杉田社長:いや自分が引っ張る箱も実際、欲しいんですよ。箱も欲しいし16輪のシングルで牽けるあゆみ付きのトレーラーが欲しいんです。

中西:シングル牽きだと選択肢が狭まっちゃうんですよね。そうなるとじゃっかん全長も短くなるので、この仕様は人気なんです。出たらすぐ売れちゃいます。

杉田社長:16輪でさらに中落ちを狙っているから、なかなかないんですよ。毎日すべての中古トラック会社をチェックしていますよ。

中西:それは、弊社の仕入れチームにも言っておきますね。

杉田社長:ダブルはダブルで、頭もダブルにして「やっぱりボルボが欲しいかな」と思います。

____今度は社長もピンクでいかがでしょうか?

杉田社長:私がピンクを乗るのはさすがに照れますよ(笑)。

____社長は新型ボルボに乗られて、どう感じられましたか。

杉田社長:ものすごく良いですよね。ハンドルが良すぎてきり過ぎちゃいます。バックは逆に「慣れないと難しいな」と感じましたね。

中西:軽すぎるから「強弱をつけて欲しい」ってお客さんがいるぐらいですからね。

アルフレッド:高速ではちゃんと重くなっているんですけどね。でも軽いんですよ。本当は今の軽さと前の重さの中間ぐらいがちょうどいいのかもしれないですね。昔のボルボはひどかったですよ。ハンドルも重ければシフトも入りにくかった。気合いが必要でしたね。

中西:僕が新入社員で入った頃のボルボのマニュアルは、まさにそんな感じでしたね。力がないと運転は絶対に難しかったですね。

____最後になりますが、こんなに幅広く愛されるボルボが走っているって感慨深いですね。

鈴:本当にコンセプト通りになりました。コンセプトは女性が造る女性のためのトラックだったので本当にドンピシャです。

アルフレッド:本当にそうだよね。「自分のための一台」がコンセプトだからね。その通りになった。

鈴:女性や子どもはトラックからは遠い存在ですよね。でも興味を持ってもらえるトラックを「ファストエレファントとしても造っていきたい」と思っていて、結果的に理想的なトラックができました。私やデザイナーの茂木さんにとっても「これが理想」という一台なんです。

ディナのカスタムのすべてはコチラでどうぞ!

杉田 豊和(すぎた とよかず)様
1967年生まれ。山梨県小菅村出身。1988年に某建設学院卒業後、青梅市の建設会社入社。1992年に杉田建材工業設立。現在に至る。

杉田 昌江(すぎた まさえ)様 1975年生まれ。東京都国分寺市出身。
高校卒業後、多摩市の運送会社入社、21歳のとき大型免許取得後、多摩市のダンプ会社に入社。2016年に杉田建材工業入社。現在に至る。

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