鍵人対談 株式会社滝川自工 様左:滝川 勲伯 専務様 右:滝川 雅司 社長様

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第10回

株式会社滝川自工
代表取締役社長 滝川雅司様(ロータストラックネット代表)
専務取締役 滝川勲伯様

株式会社滝川自工
代表取締役社長 滝川雅司様(ロータストラックネット代表)
専務取締役 滝川勲伯様

「日本に異議アリ!安全を提供するためにトラック整備に必要なものとは」

あいつぐ新型車の発売と、AIによる隊列走行や自動運転も話題のトラック業界ですが、その未来を支えるリソースとして今後もトラック整備は欠かせません。第10回目となる今回は北海道のトラック整備業ではパイオニア的な存在といえる、株式会社滝川自工の社長である滝川雅司様と専務の滝川勲伯(ひろたか)様にご登場いただきます。そして整備業界における新技術への対応や人材、経営哲学について伺ってきました。滝川雅司様はヨシノ自動車もメンバーである、トラック整備の全国的な非ディーラー系サービスネットワークである、ロータストラックネットの代表も務めています。特に滝川自工さんならではの、特装車整備のお話しは非常に聴き応えのあるお話しでした。

写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新技術という課題について

____今回は非メーカー系のトラック整備のユニオンとも言えるロータストラックネットのメンバーということでお伺いしたいのですが、現在、トラック整備における課題について教えていただけますでしょうか。

中西:一つは車両がどんどん進化しているので、我々のような一般的な整備工場がどこまで整備可能なのか。今後、その範囲は狭まっていくのかなという印象があります。実務の車両整備がどこまでできるのかという課題と、多分、これは全国的な課題になると思うのですが人材の確保という課題があると思います。それらは課題が見える分、各社施策を打っているところと打てていないところの差が大きい、という印象がありますね。

____なるほど。ではまず新技術への対応というところから始めましょうか。滝川自工さんでは新技術への対応についてはどうお考えでしょうか。

滝川社長新技術については、とにかく学んで経験する他ないと思います。できないところはディーラーさんでの対応というように、自社で全て対応しようとすると生き残っていけないと思います。まずはお客さんに選ばれる工場にならなければいけない。 弊社は比較的、特装車の整備が多いので、ディーラーに持って行っても特装車は診れない。 弊社は特装部分を診ながら、足回りはディーラーさんにお願いしたりしています。ディーラーさんとは役割分担がはっきりしているんですね。もちろんディーラーさんと競合しないとは言い切れないんだけれど、比較的、棲み分けははっきりしています。

中西:正直に言いますと、滝川自工さんはトラック整備の世界では、なかなか特殊な業態なんですよ(笑)。

滝川社長:あははは。我々はどちらかというと、8ナンバー(特殊用途自動車)や特装系のお客様が多いですからね。ヨシノ自動車さんと違うのは、我々は整備のための販売事業なんですね。 販売をやることによって下請けができます。整備には代車が必要になりますよね。我々がその代車を販売できる方が、お客様にとっては都合がいいわけです。 代車が特殊だったりするとなおさらです。

好きでやってくれる人材が欲しい

____なるほど。では人材の育成という面ではいかがでしょうか。

滝川専務:弊社では毎年四人ぐらいは採用できていますね。最近ではミャンマーなどの外国人留学生も多いです。

中西:それは研修生ですか?

滝川専務:就労ビザですね。 基本的に日本人を採用したいのですが、 社長がいつも言っているように「まずはやってみないと」の気持ちで採用しています。それと自動車の大学で企業説明会を行ったりしているのですが、その大学の講義の中で企業説明会を行わせていただくような形式です。自分たちの業界の現場の話だったり、職務の内容だったりを学生に教えるような説明会です。

滝川社長:リクルート活動は基本専務にお任せしているのですが、基本的にやはり「この仕事を好きでやってくれないと難しいな」と思います。例えば他にすることがないから整備士になるとか、 実際の話、現在は(同じスタート地点でも)外国人の方が技術が高いケースもままあります。 いま考えているところでは、中学校から採用活動を始めたら良いのではないか。滝川自工で整備士として働きながら、夜学の高校を通わせてあげる。 高卒じゃなきゃダメだ、大卒じゃなきゃダメだという足ぎりをするのではなく、この仕事が好きだという気持ちをまず尊重したい。 留学生もそうですよね。手間暇かけて教育をしていくことには変わりないのですから。

滝川専務:やっぱり自分が好きで、いろんなことに疑問を持って取り組んでくれる若者は伸びます

滝川社長:こればかりは勉強ができるから伸びるというわけではありません。プラモデルを組ませてみて、よりうまく組み立てられる方が整備士に向いているという傾向はありますよ(笑)。

整備業界は「背中を見て覚えろ」!?

中西:言えてますね(笑)。 弊社は今のところ地元の専門学校から、「自分は車やトラックが好き」という人材が比較的、コンスタントに入社してくれています。その意味で、仕方ないから整備士学校に行って、整備士の免許を取ってヨシノ自動車に入社したという人材はゼロなんです。もともと好きでやってみたいという人間が集まっているので、 一貫している。ですから教育体制も未だに昔と変わっていないんですよ。それは特に社として教育するという方針ではなく、昔気質の「背中を見て覚えろ」というスタンスなんですね(笑)。 それにめげずに整備に取り組んでいる20代が非常に多いので、 結果的に循環してしまっているという側面はありますね。

____その背中を見て覚えろ、というのは整備業界の体質だったりするのでしょうか。

滝川社長:はい。どこもそうですよ(笑)。やめても人が補充できた昔はそれで良かったのですが、これからはその個人が「何がやりたいか」を聞きながら、ちゃんと教育していかなければいけないと思います。 資格を取るにしてもこちらから働きかけるのではなく、本人自ら取りたいと申し出るような環境、その資格を取って自信を深めれば、それはさらに本人のステップアップにもなりますよね。弊社も父の時代は、「うちは学校じゃない」と。「仕事時間中に勉強させるな」とか。「資格取りたければ自分で勉強しろ」というのが当たり前でした。 弊社は特に特殊な作業が多いので、資格を取らせないと先に進まないという側面もあります。ですから、建設機械の検査員を含めて、取れる資格は何でも取れと薦めています。 ただ困るのは優秀な人材ほど独立してしまうという点にあると思います(笑)。

中西:それはどの業界にもありますね(笑)。

やめる理由は採用のミスマッチもある

滝川専務:独立も考え方次第で、 アウトソーシング先と考えるのもありますよね。採用の時もそうなのですが、やめたいと考える時は理想と現実にギャップがあるのでその原因を見極めなければいけない。 それをちゃんと学校の先生や私たち採用する側にも伝えきれていないから、やめてしまうということが多く見受けられます。 やめたいという子たちに話を聞いてみると、そこで伝えきれていない、すれ違いが多いんですよね。やっぱり専門学校に行きたくても「お金がないから行けない」という学生も多いんです。高校の先生の話を聞くと実態がわかりますよね。 だから自分は必ず工場見学をしてもらって、「この仕事はきついぞ」と伝えるようにしています。それでも「やりたい」と思ってもらえるようだとあまりやめないですね。 夢をどう伝えるかということがすごく大事になってきます

中西:その採用の方法は素晴らしいと思いますね。

滝川社長:やっぱりこれから会社をどうしていくかということですよね。現在は縮小均衡路線ですね。これまで弊社は恵まれすぎました。 私の父親がモータリゼーションの波に乗って会社を大きくした後に、 私が社長についた時からはすでに縮小均衡は見えていましたね。

充分な安全を売れなくなっているジレンマ

____北海道の運送や建築事業に これ以上の成長を見込めないからなんですかね。

滝川社長:僕は人の問題だと思っています。 人材の確保という意味でもそうですけど、日本が働かない政策を打ち出していますよね。「安全は全てに優先する」という言葉がありますけれど、確かにそうなんですが、それなら仕事そのものをしなくていいんじゃないか、という憤りもあります 。弊社にすれば、それはそれで大事なんだけれども、仕事を通じてお客様に安全を売っている立場からすると、働きたいのに働けない法規によって「充分な安全を売れなくなっている」というジレンマもあるんです。だからこそ「これだけ制約の多い日本でこの仕事をしていてもね」と考えるんですよね。だからベトナム人の留学生たちが帰国したら、みんなでそこを手伝いに行こうかなんて話もしてるんですよね(笑)。

中西:弊社も、その整備業界における手づまり感は感じているところですね。 ベトナム人が二人いるんですが、一人はベトナムに帰って自分で工場を経営したいと考えています。 10年はヨシノでしっかり仕事を学びたいと言っていて、学んだら、そのノウハウを使ってベトナムで工場を経営したいと言っています。 わかった。その際はヨシノからも社員を派遣するよと言っているんです(笑)。

滝川社長:気候も暖かいし、自分の技術が認められて、お金も稼げるとなればそっちで働きたいというのも道理ですよね(笑)。

技術の向上のために

____トラック整備は海外で、という時代は遠からず来るかも知れないですね。さて技術の向上という意味では研修なども多いのですか?

滝川社長:弊社は昭和飛行機工業さんの指定工場なのですが、 昭和さんで技術研修をするのに昭島工場に出向という形で毎年やらせていただいてますね。 今年も2名、11月からお世話になります。

滝川専務:研修では目的をはっきりさせていくんですね。例えばアルミの溶接を覚えさせてくれとか、 具体的に目的をはっきりさせていくと彼らはそれを習得し、作り物の技術を上げて帰ってきますよね。そうすると自信を持って帰ってきます。特に油の配管の溶接などは高度な技術と厳密さが求められるので、我々としても非常に助かります。

中西:燃料系は厳密さをともないますよね。

滝川社長:はい。我々のような危険物を取り扱う仕事の特性上、事故をおこせば保障の問題もあるんです。 先日もポンプ車の死亡事故がありまして「点検したのはどこだ、整備をしたのはどこだ」という話になりました。そんな時、万が一でも弊社の整備ミスということもありえるんですね。

安全は必ず現場主導で行いたい

____なるほど。特装系の仕事というのは安全性に関して、ものすごく気を使わなければいけないところなんですね。時間をかけないと、充分な安全を提供できないという意味が理解できました。

滝川専務安全性に関してはどこよりも気を使わなければいけない業種ですね。 弊社でも死亡事故があったりすると、 安全委員会を設置して現場みんなで考えるようにしています。 そこは極力、現場主導で自発的に安全性について考えてもらっています

滝川社長:ロータストラックネットの会員をしていると、他の会社でも同じような問題に頭を悩ませていますね。弊社では 各委員会を作って全員参加で行っています。安全以外でも品質保証委員会や、クレーム撲滅委員会や、売上向上委員会など 5人ぐらいずつ配属して年に一回発表会を行います。 それは全員参加だから 現場が自発的に考え、行動することを促してくれます。普段は制限された工具の中で作業している彼らに、新工場を設立するにあたって必要な設備や工具を自分たちで選んでみなさいと促してみました。そうしたらものすごく目を輝かせて選んで探すわけです。 弊社としては「やってみてから考えよう」というのがとにかく基本スタンスなので、彼らが選んだものは極力、購入するようにしているんですよ。

特装車とEV化

滝川専務:今回、新工場に導入したモバイルリフトに関してもインダクションヒーターに関しても、力を使わずどう効率的に仕事ができるかを追求しているので、今後は女性でもできるような特装系整備の職場にしていかなければいけないなと考えています。

中西:今回見学させていただいた、あのモバイルリフトはいいですね! 弊社もスペースがないので「あれは便利だ」と感心させられました。今後、特に注力していく分野なんかは考えられていますか?

滝川専務:今後の話ですが、我々のように油圧を扱っている会社でも、動力源がモーターに変わったとしても油圧それ自体はなくならないと見ています。そっちの技術力をとにかく上げていかないと考えています。

中西:特装系はほんとそうですよね。

滝川専務:電気モーターで油圧ポンプを回す仕組みが増えたのですが、だいぶ燃費が変わったという話も聞いています。 その電気の回路図や、油圧の回路図などは全部メーカーさんから教えてもらえますので、弊社の技術向上につながっているという実感はありますね。

____トラックのEV化という流れについてですが、中西社長はどんな展望をお持ちですか。

中西:この20年という時間を考えると、ディーゼルという選択はしばらく続くのかなと思いますね。 ただこの10年でインターネットがしっかり根付いたことなどを考えると、20年後EVの世界に代わっている可能性もなくはない。EVはバッテリー次第かなと思いますが、乗用車のみならずトラックにもEV が根づいている可能性はありますね。

仕事をこなすことで、その分野の先端をめざす

滝川専務弊社は最近、セブンイレブンさんで使用されてるいすゞのハイブリッドトラックの仕事が多いんです。 一手に引き受けさせていただいていることもあり、 いすゞさんより壊れる箇所に関してはいち早く把握できていると思います。 どのトラックもとにかく距離を走っているので、 壊れる箇所との相関関係を把握しやすい。そういう意味で経験値は、お客様のおかげでつけさせていただいていると言えるでしょうね。

滝川社長:お客様の仕事を通じて、我々も成長していく。弊社は売上計画を持っていないんですよ。なぜかと言うと、弊社の社是は「来た仕事は断らない」。何でもやれだからなんですね。売上にこだわりはないんです。二代目、三代目というのはお金にあんまり頓着しないんですよね(笑)。だから全部やれで、その収益が全部売上になるわけですから。

中西:弊社も、売り上げの数字目標は立てないようにしています。この間、近畿地区の会合に出席した時にレバレート(1時間あたりの工賃)の話になったんですね。弊社のレバレートは最低でも8000円で、だいたい1万円ぐらいなんです。でも近畿で話を聞くと、8000円だって無理だという話でした。それが地域差なのかお客の内容によって違うのか、ともかくも違いますね。弊社は販売ありきの整備事業なので、私がこの会社に入った当時はレバレート6000円ぐらいのお客さんもいたんですよ。それで私が社長になって、整備部門も私が見るということになったところで、これでは採算が取れないと判断し、一気に料金をあげました。それでお客さんを3割ぐらい失ったんですね。 そのかわり社員には、これまで6000円でやっていた仕事を1万円でやるから、「絶対にミスは許されない」という話をしたんです。工具もいいものを買うし、給料もあげる。その代わり、絶対にミスは許されない。

会社の強みは継続することから生まれる

滝川社長:近畿はそもそも仕事が細かいから、安くせざるを得ないのかも知れない。でもたとえお客さんを失っても「うちにしかできない」という技術があればお客さんはまた来るんですよね。「それで来ていただけるお客さんだけでいい」というのは、弊社も同じですね。 なぜ弊社でポンプ車の取り扱いが多いかと言うと、他の整備工場が倒産したり廃業したりすることで扱っている場所が、ほとんどなくなっちゃってるからというのもあるんです(笑)。

中西:滝川自工さんの強みですよね。本当に「継続は力なり」ですよ。

____道央地区の特装系整備といえば滝川自工さんという感じですよね?

滝川専務:そんなことはないですよ。北海道は特殊車両が多いですから、必然的に専門の整備工場も多くなります。ただ道内のポンプ車だけに絞れば、シェア8割ぐらいはいけているかもしれないですね。 稚内からわざわざ入れていただけるお客様もいらっしゃるし、故障して「向こうじゃ直せないから」といって持って来ていただけるんです。

____そこが滝川自工さんらしさですよね。

中西:本当にそうですね。大分の愛宕自動車工業さんがキャリアカーの架装を行っていますよね。ちょっと前に訪問した際、神奈川のキャリアカーのシャーシがなぜか愛宕さんにあったんですよ。しかも何本もです。要は他には出来ない技術がある。神奈川から一番近いところといえば、思いつくところはH社さんなんですが、あそこはメーカーですが、架装架修も行える。でもH社さんも想像ですが、納期がかかるんですよね。

滝川専務:H社さんは新車を頼むと2年待ちって言われてますよね。新車が買えないから旧いのを架修して使うしかない。最近はその傾向が強いですよ。

中西:そうなんです。だからこそわざわざ大分まで持ちこんで修理をお願いするんですね。

出来ない仕事はネットワークで外注へ

滝川社長:もうお客様からすると「弊社を断ったらどこに持って行かれるんですか」という状況なんです。でも例えば弊社にできない技術でもネットワークがあれば外注することができます。そういう意味でネットワークは非常に大事です。弊社からディーラーさんに発注することもありますし。いきなりお客さんがその整備工場に出そうとしても、口座がないとか、これまでの整備履歴がないとか、そういう場合は弊社が窓口になって、持っているネットワークで拡げてあげる。例えば24時間サービスなんかは、弊社は全部ディーラーさんにお願いしているんです。

____お客さんはどこに出されても、信用があれば口は出しませんよね。

滝川社長:はい。ただ最近はそれができる優秀なフロントマンを育てるのが非常に難しいことだと思っています。工程管理にしても、部品の発注にしても、お客さんの満足度に関しても、ただ言われてるからやっているではダメで気持ちがないといけない。常々、発注先の気持ちを考えろという風にいいますよね。言われてることだけをやるのではなく、プロとしてのアドバイスをお客様にできる。そういう信用されるフロントというのが大事なんですよね。それはね。僕は、携帯電話が悪いと思います。

携帯電話が優秀なフロントマンを育てなくなる!?

____携帯電話ですか?

滝川社長お客さんが直接、フロントをとばして現場と話しちゃうわけですね。そのショートカットが当たり前になっちゃうと、フロントは間を取り持つという役割が果たせなくなっちゃうわけですよ。

滝川専務:こういう特殊な建機の現場ではフロントにも経験が大事になってきます。でもそれをすると、絡みたくても絡めない、経験を積みたくても経験が積めなくなってしまうんです。

滝川社長:携帯電話で直接話しちゃえば済む話ということになってしまうから。

中西:分かりますね。それは本当にそうですね。 弊社でも元々は現場を経験した人間がフロントをやるというのが当たり前だったのですが、現在の弊社のフロントは大卒の新卒採用なんですよ。すごく車好きで車の基本構造とかは分かっているのですが、現場とお客さんと密に関わるということが、現場を経験した人間に比べると難しいところはあるかもしれません。積極的に現場と関わる機会を与えてあげなければいけませんね。

滝川社長:そうですね。本当はフロントが一番大事なのに、でも「フロントをしたい」という現場からの声はないんです。 そうなると未経験の人ほどメッセンジャーボーイのようになってしまい、安直に「できません」と言ってしまいがちです。ときにそれは、お客様にとっては119番に電話をしたつもりなのに「救急車がいけません」と言っているようなものです。それでは仕事は来なくなってしまいますよね。 たとえ直らないと分かっていても、行かなければいけないときがある。それは感性の問題です。弊社の仕事は、お客様達が弊社の仕事ぶりを分かっていただけているお客様に支えられています。 ですからたとえ直らないとわかっていても、ちゃんと寄り添ってあげる姿勢が大事なんですよね。

法規制により事故は減り、故障しなくなったトラック

____ところで最近のトラックというのは故障しなくなってきたのでしょうか。

滝川社長:故障しなくなってきたというより、故障しないような無理をしない稼働状況にあると言えるでしょう。 過積載しない、無理な走行をしない、スピードリミッターで90km/hに抑えられていますよね。まず事故が減りました。飲酒運転の取り締まりが厳しくなったことも、事故の数を確実に減らしていると思いますね。

____やはり大型トラックが90km/h以上出さないことによって、車への負担も減ったのでしょうか?

滝川専務:間違いないですね。車は故障しにくくなり、事故は減りましたね。圧倒的です。

滝川社長:それに衝突被害軽減装置が義務化されましたよね。あれでぶつからなくなればさらに事故は減ります。 ただ北海道は雪があるのであれでは止まりきれないんですけど(笑)、被害は軽減されます。 あの装置のおかげで、全損のようなケースでも100万円ぐらいで直せる事故に軽減されて、軽整備のようなものは今後増えるのではないかと言われています。 これだけ過積載しなくなったら、車も痛みませんよ。もともと大きく想定されている設計荷重に対して、10トンしか積まないで運行しているのですから。昔は設計が20トンの車に対して30トンも40トンも積んでいたわけです。 それは全然違いますよね。今は積み込んだ荷主さんまで罰せられるので、なおさらですよね。 ローリーでも100kgの過積載を防ぐために、荷室を一つ空にして走ったりしている時代ですからね。

ネットワークとしてのロータストラックネット

____話は尽きませんが、最後にロータストラックネットの良さを教えてください。

滝川社長ロータストラックネットの良さというのは同業者であり同じ悩み、問題を抱えた人たちの集まりです。ですので、 仕事以外の人間的なつながりというところが大きいかもしれません。全国には優秀な人たちが沢山いるんですね。中西社長もそうですが、面白いんですよ。それは仕事だけではうまくいかないだろうし、友達だけでもうまくはいかないでしょう。

中西:ちょっと突出した会かもしれませんね。 乗用車の方にも我々は参加しているんですが、キャンペーンがあって提携企業さんがあって、そこの商品をこれだけ売らないとインセンティブが出ないよとか、商売っ気があるのですが、トラックネットの方は基本そういったものが一切ない。それでいながら北海道から九州まで、210社が参加する大きなネットワークになっています。商売抜きの人間関係を僕は大事にしていますね。

滝川社長:人脈ネットワークではあるんだけれども、長続きしている理由がありますよね。 実務で人材の確保とか、メーカーさんも交えての技術共有だったり、メーカーさんや国にみんなで要望を出したり、それは先代の方々から築いた繋がりだと思います。

滝川専務:情報の量はとにかく凄いですよね。

中西:すごいと思いますね。新型車の情報もそうですけれど、車検制度が変わったり、変動する節目がありますよね。 そうなると210社の会員の中には先んじて対策を打っている会社が、必ずあるんですよ。いろんな分野において。そういう意味では、そこではいち早くトラック整備に関する情報が共有されるんです。

滝川社長:情報は多岐にわたりますが、受け手がうまく活用すればいい。

中西:さっきのレバレートの話もそうですが、8000円までいけないのだとしたら、どうやってレバレートを上げていくか を一緒に考えたり(笑)。

滝川社長:そういう意味でいうとトラックネットと言うのは全国を走る車の協会なんですね。各社経営環境も違うし、立場も違う。そうなるとやはり人材と技術情報の収集。その共有に尽きると思いますね。

中西:基本はその2つに尽きますね。

滝川 雅司(たきかわ まさし)
1952年11月25日生まれ。1975年3月 東海大学 工学部動力機械工学科卒業。同年4月株式会社交運社入社。1995年9月 株式会社滝川自工 入社。1977年10月 1986年9月代表取締役社長就任。現在に至る。

滝川 勲伯(たきかわ ひろたか)
1974年3月27日生まれ。1994年3月 札幌科学技術専門学校 二級自動車整備士コース 卒業。同年4月北海道いすゞ自動車株式会社入社。1997年11月 株式会社滝川自工 入社。2016年12月 専務取締役就任。現在に至る。


株式会社滝川自工HP

ロータストラックネットの詳細はこちらより

< 対談一覧に戻る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加