東京モーターショー2017特集

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第11回

東京モーターショー2017特集 前篇

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「トラックは電動化する時代か!? E-FUSOを徹底解説」

この秋、東京モーターショー2017が行われました。テーマは「ビヨンド・ザ・モーター(モーターを越えて)」で、次世代の動力として電気自動車をメインにしたショーとなりました。各商用車メーカーも次世代構想をアピールしましたが、とりわけ気をはいていたのが三菱ふそうです。電気商用車ブランド「E-FUSO」を立ち上げ、全車種に電動化モデルの導入を発表しました。さて鍵人訪問記では2回にわたって「東京モーターショー2017」スペシャルをお送りします。1回目の今回は「E-FUSO」について。コンセプトモデルの「Vision ONE」を中心に、トラックの電動化について中西俊介とともにレポートしていきます。また別ページの第2特集では「架装の未来」として、出展されていた架装メーカーの新商品をレポートします。

写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

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EV大型トラック(Vision ONE)

三菱ふそうの電気商用車ブランド「E-FUSO」の顔となるのが、このコンセプトモデル「Vision ONE」です。車両総重量は23.26トン。最大積載量は11.11トンで充分に実用ベースの積載量を獲得しています。最高速度は80km/hで航続距離は350km。出力は408馬力です。三菱ふそうによれば拠点間輸送を想定しているとのこと。実用化は4年か5年後をみているようです。見た目は先進的ですが、本当に実用化できるのでしょうか?

e-fuso vision one
©MFTBC

内装はBMWの電気自動車に似ている!?

小径のハンドルにタブレット型の表示器。中はいわゆる近未来デザインのコンセプトカーですが、カーブの美しい木目のシート形状などBMW i3を彷彿させます。

東京モーターショー2017 E-FUSO

ハンドルにはタブレット型端末がビルトイン

インフォメントパネルには行く先やお薦めの音楽などが表示されていました。ちなみにお薦めの音楽はビル・エヴァンス・トリオ。往年の白人ジャズピアニストですが、世界観を表していますね。

東京モーターショー2017 E-FUSO

もちろんトラックの未来はミラーレス!

ピラーには噂のモニター型バックミラーが! カメラで後方視界を確保するミラーレスですが視界はまったく問題ないので、一般車両でも早い実用化が求めれますね。

東京モーターショー2017 E-FUSO

ラウンジ型車内で自動運転社会を先取りしたインテリア

ベッドというよりスツールと呼びたい休憩スペース。完全にラウンジ化していて自動運転化したときに他の仕事をしたり、くつろいだりするのにふさわしいレイアウトといえるでしょう。

東京モーターショー2017 E-FUSO

イイねなポイント

・基本設計が完全に実用化可能な点。
・あらゆるデザインが新型スーパーグレートとは違う新デザイン。
・自動運転の未来を体感させる室内レイアウト。
・ダイムラーが開発した電気トラックとは違う、ふそう独自のプロダクト。

ムムムなポイント

・4、5年で市場投入するとしたら、このコンセプトモデルの踏襲は考えにくい。やはりEキャンター同様に新型スーパーグレートの電動化が現実的か。せめて外観だけでもこのまま行って欲しい。

社長の目

あるメーカーの方が、「当面はディーゼル以外は考えられない」というお話をしていらっしゃったので、「小型ならありえるかも」と想像はしていましたが、まさかこんな実用車ベースの大型の電気トラックを用意しているとは思いませんでした。 「10年は先だろう」という印象だったので業界に与える衝撃は大きいですね(笑)。ふそうの言う通り、拠点間輸送など距離が決まっていて設備が整っていれば、実用化は問題なさそうです。ただやはり僕自身はまだまだ電気自動車のトラックには懐疑的なんです。三菱ふそうによるとダイムラーの電気トラック、アーバンEVとは別物だと聞いていますが実態はどんな構造なのでしょうか。

アマチュアの目線

EVトラックって構造はどんな感じ!?

東京モーターショー2017 E-FUSO

東京モーターショー2017 E-FUSO

Mercedes-Benz Urban eTruck 
メルセデスベンツ アーバンeトラックを例にすると・・・

重量26トン、最大航続距離200キロ。アーバンeトラックは3軸短距離用のメルセデス・ベンツ市販モデルをベースにしています。電動モーターはホイールハブに直接隣接させ電源は、3つのリチウムイオンバッテリーモジュールで構成されるバッテリーパックによって供給されます。これにより、典型的な1日の配送に十分な200kmまでの範囲が得られます。バッテリーをホイールハブに隣接するモーターと一緒にすることでフレーム内に格納。事故の衝撃からバッテリーを守っています。電動トラックは構造がシンプルなので故障しにくく、故障個所の特定も早そうですね。


アーバンeトラック走行シーン

EV小型トラック「eキャンター」

東京モーターショー2017 E-FUSO
©MFTBC

もうひとつの大きな話題はeキャンターです。この小型トラックによって三菱ふそうは世界で初の量産電気トラックを作るメーカーとなりました。車両総重量は7.5トンで急速充電で1時間、交流で9時間の充電で充電完了。航続距離は100km以上です。モーターは最大で175馬力、最大トルク420Nm。高電圧リチウムイオンバッテリーパックを6個搭載しています。三菱ふそうによると従来のディーゼル車と比較して、走行1万kmあたり最大13万円のコスト削減を可能にしているとのこと。セブンイレブンやヤマト運輸が順次導入を決定しています。

イイねなポイント

・世界初の実用小型EVトラック。
・ディーゼルに較べて、経済効率の良さは実証済みな点。
・モータースペックは現行キャンターの最上位グレードとほぼ一緒。

ムムムなポイント

・航続100キロといっても、実用的にアクセルを踏めばそれ以下の距離になる。余裕をみても60kmぐらいが走行可能な距離か。
・中も外もまんまキャンター。先進感が欲しい…。

総合評価

社長の目

個人的には電気が本当に将来のディーゼルエンジンに代わる答えと言えるのか、さらに言うとその技術が先進的と言えるのかどうかは、疑問に思っているんです。現段階ではCNG(天然ガス)や水素といった他のエネルギーも十分に考えられると思っています。確かに電気はそれ自体でゼロエミッションですが、その電気を作るためにどれだけのエネルギーを消費するかなどを考え合わせても、本当の意味ではゼロエミッションとは言えないですよね。乗用車ではテスラや、日産のノートEパワーなど実用性、操作性の楽しさも含めて興味はありますけれどもね。トラックはまだまだかな。やはり航続距離と充電施設のインフラですよね。eキャンターに関してはまだ弊社に引き合いは来てません(笑)。大手はもちろんイメージアップのために入れるとは思いますが、一般的な普及はもう少し先になりそうですね。

E-FUSOの詳細はこちら
http://www.efuso.jp/jp/

eキャンター導入のお問い合わせはこちらへ
https://www.yoshino-motor.co.jp/contact/

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