トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第40回

株式会社ヨシノ自動車 代表取締役社長 中西俊介

株式会社ヨシノ自動車 代表取締役社長 中西俊介

「経営者の力の見せどころ!? 我々がこのコロナ不況ですべきこと。普段からしておきたいこと。」

100年に1度の経済危機を招いたといわれる新型コロナウイルスの蔓延。トラック業界も例外ではなく、大きな打撃を受けています。日本国内だけでなく、世界全体で物流は停滞し、人々の動きも止められてしまいました。いま世界で生活をしているすべての年齢層にとって初めての、このパンデミックという脅威を、いかに我々は生き延びるか。会社を支え、社員を支え、それぞれの家族を守るか。今回は経営者として個人として、ヨシノ自動車、社長の中西俊介の胸の内を訊きました。

運送業界の景況感
令和2年1月~3月期のトラック運送業においても、新型コロナウイルス渦のなか、経済活動停滞の影響は大きく、輸送量、営業収入、営業利益、経常損益は大幅に悪化したため、業界の景況感は▲81.7となり、前回(▲52.3)から29.4ポイント悪化した。 なお、今後の見通しは、燃料コスト負担は軽減されるものの、新型コロナウイルス感染拡大による物流への影響は甚大であり、極めて厳しい事業環境となることが見込まれることから、 ▲125.2(今回▲81.7)と43.5ポイントと大幅に悪化する見込みである。(公益社団法人 全日本トラック協会)

写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コロナ禍でのヨシノ自動車

____まず最初にヨシノ自動車の状況を教えてください。

中西:影響は受けています。販売実績からいうと前年の2割ぐらいが落ちています。それはボルボも新車も中古トラックもですね。レンタカーも落ちてはいるのですが、年間を通してみるとそれほどでもない。ただ影響が出てきたのが3月からなので、具体的にいうとイベントのお客さんが全部、駄目になってしまったようです。特に町田の支店は、周辺にテレビの制作会社さんだったり、イベント系の大道具を作っているお客さんが多くいらっしゃるので軒並み仕事がなくなってしまいました。

____整備事業はどうですか?

中西:そんな中、唯一、堅調に伸びているのが整備事業です。リーマンショックの時も、むしろ伸びたぐらいだったのです。それは何故かというと、通常なら代替えするタイミングで新車が導入できないので、「あと1年は様子を見よう」というお客さんが増えるからです。本来、代替えで車検を受けないはずのトラックをお願いされたりしたので伸びました。ただ前回に比べると法令点検などの必要整備が増えているので、今回は伸びはしないものの下がりもしていないと言った状況です。ほぼ前年通りですね。それが現在、この5月末の現状です。今後の予測となると、世の中の動きとはタイムラグが出てくるので、見えにくいんですよね。

社長の目

「給付金や助成金を申請しよう」

持続化給付金(経済産業省HP)
昨年より単月50%以下に売り上げが落ち込んだなら、給付金を申請しましょう。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html

雇用調整助成金(厚生労働省発行)
まずは従業員の収入の確保を。最大で休業手当の10割が国から支払われます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金 (厚生労働省発行)
子どもがいる家庭の有給休暇に対しては国から助成金が支給されます。
https://corona.go.jp/action/pdf/shougakkoukyuugyou_jigyounushi.pdf

コロナ禍の後のバブルが期待されてる!?

____実際、見えにくいですよね。見えにくいし、目まぐるしく変わっていきます。これだけの危機なのに、5月末時点で、実際はそれほど日経の株価は下がりませんでした。一時期、底が見えない下がり方はしましたが、持ち直してきましたよね。こんなことは誰も予測できなかったと思います。

中西:そうなんですよね。アメリカの株価もそうだし、それに釣られた日本の株価も最初は落ちるところまで落ちました。2月、3月の落ち込み方は、本当にこれはリーマン以上の下がり方だと痛感させられました。でも実際はそうはならなかった。

____やはり政府主導で日銀が買い支えたからですかね。

中西:それもあると思いますし、アメリカもそうですよね。過去にないぐらいのお金をつぎ込んで経済対策をしています。「そんなのは瞬間的に麻痺させているだけで、どう考えてもリーマン以下の落ち幅にならざるを得ない」という専門家もいれば、「これがカンフル剤になって維持できる」と考える人もいるようです。

____これはどうなんでしょう。自粛明けの復興が、バブルのように見込まれているということなのでしょうか。

中西:そうですね。僕が思うのは、今回は市場経済と実体経済が落ち込んで悪くなったというより、コロナウイルスのせいで人の動きを止めてしまったがために起きた、一時的な経済破綻という認識があって、それが戻れば戻ると考えられているのではないでしょうか。感染の拡がりも抑えられる。ワクチンも、もしかしたら年内に開発できるかもという見込みの中で、将来に希望の灯りを感じられる状態なんだと思います。 たぶんそういうマインドが、株価は別にして世論の気分としてはあるんでしょうね。

社長の目

「トラック業界にはトラック協会の融資制度があります」

中央近代化基金「激甚災害融資」(全日本トラック協会)
運送業に従事する皆さんへの融資は、トラック協会があります。全日本トラック協会では、新型コロナウィルス感染症による影響を受けたトラック運送事業者の経営安定確保のために活用ください。
http://www.jta.or.jp/yushi_jyosei/jyosei/gekijin2020coronavirus/yoko202005.pdf

破綻を想像しても意味がない!?

____その辺、中西社長はどう考えられますか。これが底なのか、この先にもっと大きな試練が待っていると考えていますか。

中西:個人的にはこれから底が来るにしても、楽観的に見ています。そう希望しているだけかもしれませんね(笑)。片方でヨシノ自動車の経営者としては 「潰れないために今やれるべきことはすべてやろう」と考えています。最悪の想定もしているんです。

____差し支えなければ、その具体的なところを教えてもらえますか。

中西:大それたことはしていません。基本的に大事なことは、手元にキャッシュを残すということですね。これはどこの会社でも同じことだと思うし、ちょっと細かい話になりますが弊社は4月決算ということもあり、5月以降の今期は確実に落ち込む年度になるのは分かっています。ですから今期のための準備をこの2月、3月、4月でやりました。様々な国の支援施策を活用しつつ、やるべきことはすべてやりました。 

____今後、どうなるか分からないから準備しておく、ということですね。

中西:そうです。それと弊社はレンタカーを含めて、保有台数が多いので償却資産が大きいです。ですから出来る範囲で、本来なら昨期で売買している車両を今期に回したりもします。それがいつもの決算期とは違うことですね。

____それはやはり備えている、ということなんですね。

中西:そうですね。ある意味、保険をかけているんですね。市場相場が落ちたとしても簿価価格(帳簿に記載された資産の評価額)より落ちることはまずないので、これで弊社が倒産するとしたら、もう世の中が破たんしたと思わざるを得ません。それは本当の破滅なので、それ以上は何も考えていません。いい加減と捉えられるかもしれませんが、最大のリスクをどこの底まで考えるか、ということですよね。 弊社で言えば減価償却したトラックの資産が簿価価格以下になるような、世の中になってしまった場合、それは完全にお手上げなので、もう万歳するしかありません(笑)。

社長の目

「業種を問わず幅広い融資プログラムが用意されています」

新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)(PDF形式:303KB)
【資金の使いみち】運転資金、設備資金 【担保】無担保 【貸付期間】設備20年以内、運転15年以内 【うち据置期間】5年以内 【融資限度額(別枠)】中小事業3億円、国民事業6,000万円

危機対応融資(商工組合中央金庫)(PDF形式:302KB)
【資金の使いみち】運転資金、設備資金 【担保】無担保 【貸付期間】設備20年以内、運転15年以内 【うち据置期間】5年以内 【融資限度額】3億円 【金利】当初3年間 基準金利▲0.9%、4年目以降基準金利 1.11%→0.21%(利下げ限度額:1億円) ※令和2年5月1日時点、貸付期間5年、信用力や担保の有無にかかわらず一律

セーフティネット保証(信用保証協会)(PDF形式:396KB)
セーフティネット保証とは、経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(最大2.8億円)とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度。別枠(最大 2.8億円)で借入債務の100%を保証。

危機関連保証(信用保証協会)(PDF形式:390KB)
全国の中小企業・小規模事業者の資金繰りが逼迫していることを踏まえ、全国・全業種※の事業者を対象に「危機関連保証」(100% 保証)として、売上高が前年同月比▲15%以上減少する中小企業・小規模事業者に対して、更なる別枠(2.8億円)を措置しています。

充分な経済支援だが決定が遅かった

____だから思い悩まないんですね(笑)。

中西:はい。そんな無駄なリスクを考えても仕方がないと思っているんです。例えば今回のコロナの対応もそうですよね。 一人の感染者も出してはいけない、死亡者も出してはいけないというレベルで考えるのか、ある程度、経済を回して、飲食やサービス業なども順次、戻して行くべきなのか。実際に経営的に大打撃を受けている業界は多数ありますよね。

____たくさんありますね。

中西:それは感染者をひとりでも少なくするための自粛であり、不可抗力の影響ですよね。一部のメディアでも言っていますが、そこで会社をやって行けなくてお店を辞めて、破産すれば、その経営者だけではなく解雇によって従業員の雇用が無くなります。「経済=人が死ぬ」わけではないのですが 生活は立ち行かなくなってしまいますよね。この社会ではお金がなければ生きていくことはできません。実際それで自殺者が出てくるわけですから、経済と死亡率というのは比例しているわけです。

____その通りですね。中西社長は国際経済のニュースにも敏感だと思うのですが、日本の対応や経済政策についてはどう考えられますか。

中西:まずこれは結果が出ていないし、後付にしかならないということを前提に言うと、他の国に較べても、うまく回せていると考えています。

____具体的に日本の支援制度に関してはどう思われますか。

中西:マスクしかり金融支援もそうですし、10万円の一律の現金給付に関してもそうですが、批判は分かりますよ。単純に遅れているわけです。私も「遅い」と思っています。3月の時点で給付金の話は誰もが口にしていたわけですから、その時点で決めてしまえば良かったんです。なぜならあの時点でも分かっていたことは、想定外の緊急事態だったからです。国債もデフォルト(債務不履行)も関係なしに、とりあえず紙幣を刷るだけ刷ればいいという人もいました。僕もそれと同じ意見でした。 

廃業を決めた経営者に経済支援は無意味になってしまう

____私もそう思いますよ。このままじり貧で緊縮のまま、日本が沈没するぐらいだったら、やるべきことはすべてすべきですよね。

中西:そうです。もちろん国がデフォルトに近づくことは大問題だけど、それ以上に今まで維持してきた市場経済が破たんすることの方が大問題だと思うんですよね。将来的な国の借金が膨れ上がることが分かっていたとしても、もっと早く手を打つことはできたと思います。

____経営者として考えた時に国や行政の支援制度というのはどうでしょうか。

中西:弊社は有り難いと考えています。我々はコロナの影響を直接こうむっている業界ではありませんからね。我々への影響というのは、市場の動向に準じて受けているものです。そもそも物流は人が生活している以上なくならないものだし、物流の大半を支えているのはトラックです。我々はその業界を支えているといえばおこがましいのですが、そこで商売をさせてもらっているわけです。我々にとっての無利息の融資制度などがあれば、それは非常に役立つものと言えます。ですが……。

____そうではない場合があるんですね。

中西:はい。たまたま僕の友人の飲食関係の人とかは、自粛による売り上げのダウンに悩まされています。今後も感染するリスクを考えて飲食店に人が行かなくなるとか、緊急事態宣言が解除されても、そのリスクを抱えている以上、影響は長期間にわたる懸念があります。だから諦めて店をたたむことを決心する、という気持ちもよくわかります。それに対しては、どんな政策も無意味なんですよね。

____つまり廃業を決めた人には、どんな政策も無意味ということですね。

中西:そう。 コロナが落ち着けば、我々はこうやってまた店を立て直す、先を見通せると考えている経営者の店は、この与えられている救済措置や支援制度も有効なものになります。でも先行きも見えないのに、無利息無担保でお金を貸し出されても無意味だと感じる人も片方でいますよね。そのマインドになっている人にとっては、経済対策全般が「もう続けられないし、融資はいらないよ」となりますよね。 

社長の目

「かなり大きい!? 待ってもらえる納税猶予」

納税猶予制度(国税庁発行)
電話で相談が可能。最大、1年間の納税を猶予してもらえます。
https://corona.go.jp/action/pdf/nouzeiyuuyo.pdf

一線を引きながらも、人事を尽くす経営術

____確かにそうですね。それを運送業に当てはめるとどうなんでしょう。全般的に仕事は少ないながらも、続けられるということなんでしょうか。

中西:ここが面白いところですが、弊社がお付き合いさせていただいている運送会社さんだったり、実際にボルボを購入していただいているドライバーさんにお話を聞くと、すごい影響を受けているのかと思いきや、そうでもなかったりするようなのです。たとえば海コンという業種をひとくくりにしても、大きな差があるのではないかと思っているんですね。それはどこのコンテナを取り扱っているか、どこの船を取り扱っているかという個別の状況によって大きく違うということですね。これは私にとっても意外でした。

____それは良かったですね。

中西:結果論ですが、良かったですね。そういったお客さんとの取引があって良かったなと感謝しなければいけませんね。ただそのお客さんのご友人の話なんかを聞くと、「荷量は前月の半分に落ち込んだ」とかは、もちろんあるようなんです。

____むしろ海コンは全体の荷量でいうと、1月と2月が酷く落ち込んだみたいなんですよね。

中西:そう。1月、2月は中国の荷物が止まっていたんですよね。それが3月になって取り戻すようにボンと戻ってきたようです。ただし差はあります。

____そう考えると今、ダメなところもあまり悲観的にならずどうにかしのいでいくことが大事かもしれませんね。

中西:どんなジャンルの運送でも、我々の業種でも、本当にダメな時はダメなので、諦めるではないのですが、どこかで一線をちゃんと引いておくことが大事だと思うんです。その中でやれる事を前向きに考えていくのが大切だ思うんですよね。いま現在の僕は、経営者として、そうやってきたつもりでいますからね。 

ヨシノ自動車の働き方改革とは

____なるほど。ヨシノ自動車でこの機会に考えてみた働き方改革はありますか。

中西:コロナ以降の働き方改革という意味では、「8割減を目指して人との接触をなるべく避る」ことを主眼に考えてきました。あくまでも主語が「接触を避ける」ですから、そのためのテレワークだったんですね。ただ、こうやっていま緊急事態宣言も解除されて、表向きに人の動きは認められるようになってきました。弊社にもいろんな仕事のポジションがありますが、今後はテレワークが理にかなっている仕事であればそのまま継続するし、会社に来ることで生産性が上がる職種に関してはこれまで通り、会社に来てもらいます。

____両方向で見直していくのですね。

中西:ただ継続的にやっていくものとしては、このコロナに対する感染リスクや漠然とした不安感を持っている社員に対して「会社に行きたくない」と言うのであれば、考えてあげたいです。家でやる仕事の方が効率があがるのであれば、なるべくその意見を汲み取った上で、「できる範囲でさせてあげたい」と考えているんです。そうやってこれを機会に、臨機応変に「一人一人の勤務体制を考え直したい」と考えています。

____なるほど。やはりこのコロナ禍というのは、不思議なタイミングだったなと考えるんです。もともと去年から不景気になると言われていましたし、働き方改革も以前から散々言われていたことですが、どこも対応は後手に回っていました。それが一気に変わろうとしていますよね。

中西:そうなんです。これが日本だけじゃなくて世界中で始まったから大変なんですよね。 2月、3月は私自身、本当にリーマンショック以上の不景気がくると考えて、真剣に会社の先行きを考えていました。 もちろんその懸念から解放された訳ではないのですが。

社長の目

「新業態への支援も活用しましょう」

テレワーク導入に関する費用についてお悩みの事業者の皆様へ(経済産業省発行)
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/it-hojo.pdf

小規模事業者持続化補助金(日本商工会議所)
https://r1.jizokukahojokin.info/

「これまでやれなかったこと」を実行できる又とない機会

____そして6月になって緊急事態宣言が解除されようとしている今、社長はどんなことをお考えですか。

中西:会社的に体力はあります。ただ現在、去年と同じような商売をやってもうまくいかないのは分かっています。例えば2倍、3倍と労働量を増やしたところで、去年と同じ水準の売上を達成することはできない。やはりそこは現在が「普通ではない市場経済だ」ということを認識しなければいけないと思っているんです。そんな時に営業が1日で5件、お客さんを回って車両販売をしていたところを10件、20件に増やせば、去年と同じ水準になるかと言われれば、絶対にならないですよね。だから現時点で、そういう努力は無駄だと思ってるんです。

____去年並みの水準は求めないということですね。

中西:求められませんね。今期は異常な市場経済の中だから、本来仕事に当てるべきだった時間の中で「今までやっておけばよかった」ということを「やっていこうよ」と話をしています。それは例えば勉強でもいいし、時間がなくてできなかったスキルアップの講習を受けたり、まだまだ「人の接触を減らしましょう」というところが原則なので、どちらにしろ訪問の機会は減りますよね。だからこそ広報や宣伝に力を入れたい。ヨシノ自動車を認知してもらうための手段として、あらためて「ネットしかない」と気づかされています。弊社もこれまでブログをやったり、婚活トラックや、この鍵人訪問記など定期的に見ていただくコンテンツ作りはそれなりに行ってきました。それらに加えて、もう一つの手段としては「動画かな」と思っているんです。 YouTube しかり、情報を動画として仕入れるのは、世の中のトレンドになってきていますからね。不慣れだけど「やる価値はある」と思って、ファストエレファントのFE チャンネルを立ち上げました。これまで忙しすぎて、手をつけられなかったところが、こうやって始められたのは良い機会をもらえたのだと考えています。

____売り上げは落ちるし、仕事それ自体ができなくなったり弊害はあっても、社員は成長したかもしれないという実感があるんですね。

中西:そうですね。将来的に例えば5年後ぐらいに「あのとき時間があって、これができたから成長できたんだな」と、会社も個人も成長を実感できるようなことを今やっていればいいと思うんです。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、現在は成長しなければいけない時期だと思います。

積み重ねの経営論

____売り上げが急激に落ちても、やはり体力のある会社というのは何事もなかったように、この危機を乗り越えているという話も聞いています。

中西:これは結果論なんですよ。オーナー企業だと特に稼いだお金は自分のお金と勘違いしてしまうところがあるんです。そこで個人の資産を大きくするのか、会社の資産を大きくするのかで大きく違ってきます。私は三代目ということもあって、会社と自分を一緒にするような傾向がもともとないんですよね。そこが初代で会社を築き上げた人とは違うと思っています。私も社長という肩書きで12年やってきて、良い会社にするための条件としてまず会社に資産があること。内部留保があること。自己資本率が高いとか、利益率が高いとか社員教育ができてるとか、細かいことはいっぱいありますが、経営者の大事なことのひとつはちゃんと普段から会社に体力を残しておくということなんです。ですから上場企業ほどではないにしろ、ある一定の営業利益は必ず出すようにしてきましたし、その上で税金もしっかり払ってきました。それで残った資金が自己資本比率の分母として残せるように、会社としてコツコツと長年積み上げてきているんです。それは私がやってきた12年以前に、現会長がやってきたことでもあるし先代の会長もやってきたことですから。

ヨシノ自動車を語ろう! 60周年の現在、そしてその先へ



FEチャンネル、始まりました!チャンネル登録、ヨロシクね!

< 対談一覧に戻る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加