株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第46回

セノプロ×ファストエレファント合同展示会2020リポート

セノプロ×ファストエレファント合同展示会2020リポート

「西と東のユーロスタイルが激突!? 熱気に包まれたセノプロ合同展示会2020をリポート」

今回は11月21日に、奈良県奈良市で行われたセノプロとファストエレファントの合同展示会の模様をリポートします。新型コロナウイルスの影響で中止した、今年のジャパントラックショー2020。日本で行われる大規模展示会に出展できなかった悔しさもあり、セノプロトラックスの瀬野博之社長が一念発起。仕掛けた展示会には多くのトラックと観客が集まりました。我らがヨシノ自動車のファストエレファントももちろん参加しました。新しいデモカーであるヤコブと、ほんらいジャパントラックショーに出品するはずだったノアの2台で奈良へと向かいました。そんな展示会の出品車両を中心にリポートします。

写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

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新しいボルボ・カスタムの新潮流となるか!?

トップバッターはファストエレファントの新デモカー、ヤコブです。ボルボFH、540馬力のデュアルクラッチという最強のスペックをもつシングルトラクターです。ユーロミラーとの併用ですが新製品のミラーレスカメラを組み合わせ、ホイールはフロント専用のアルコア製デュラブライト。サイズは欧州仕様の385です。グリースを使わないホーランド製のアルミカプラーのセットで最新のFE仕様カスタムです。

____カラーリングのコンセプトを教えてください。

中西:これまでのコンセプトカーというのは格好よさにこだわったカラーリングが多かったんですね。ただヨーロッパのカスタムカーを見ているともっと多様性に富んでいて、可愛らしい色だったり、日本では考えつかないカラーリングも多く見ます。ポップな感じのボルボも走っていました。ただなかなかそういう注文はいただけないので(笑)、「弊社のキャラバン車として一度やってみようか」と企画したのがこのカラーリングです。そのデザインをしたのが弊社のデザイナーのレディCこと茂木です。

____ホイールキャップもこだわってますね。

中西:普通はスチールキャップのところをアルミのキャップにしています。Instagram でつながった台湾のメーカーに造ってもらっていて、もともとトラックメーカーに自動車パーツを納めているパーツ屋さんだったんです。提案してもらった中にこれがあって「アルミホイールだったらこのキャップがいいね」となりました。 

中西:もっとこだわるとこんなキャップも造れます。1個8000円です(笑)。あまり現実的ではないのでサンプルとして持ってきました。 下地に立体的なグラフィックを使ってアクリル樹脂で固めたものです。ホイールナットはホイール1本10個必要なので全部で8万円になります(笑)。 機械でやるのであれば金型ではめて大量生産もできるんですが、職人が1個ずつ作っているのでなかなか難しいですね。バイクだとタンクやヘルメットに応用が利くので、インテリアパーツにも使ってみたいですよね。シフトノブなんかにも採用したいんですけど、高いパーツなので一点だけ使えるような感じだといいですよね。 

グースネックで伸びるコンテナシャーシが登場

ヤコブがけん引してきた台車はトランスウェブの出品車両です。このドイツのKässbohrer(ケスボーラー)社製、コンテナシャーシシリーズは20フィートから45フィートの長さまで拡張可能な輸入シャシーです。グースネック構造をもち、肉厚な部材により荷重を均等に分散できます。20フィートから45フィートの長さのコンテナの輸送、およびスワップボディの輸送用に設計。コンテナのロック位置を簡単に変更できて、最適なフィットと車重の負荷を分散することができます。

スカニアV8のハイエンドカスタムが2台!

セノプロが製作したスカニアのR520スリーパーキャブ・ハイラインモデルです。前後エアサス付きで16リッターV8エンジンで520馬力。ほぼ同じ仕様で2台並べると圧巻ですね!

セノプロ・エンジニア:リップスポイラーはスプリッターV。ヘッドライトには同色のアイブロウカバーを取りつけ、フロントバイザーはコールカスタムのサンバイザーを取りつけています。 看板灯のように光るルミナスサインも取り付けました。ルーフバーはライトフィックス。ハドレーのエアホーンを上に4発つけました。ロングとショートが両方ついてるので低い音と、高い音が両方出ます。いい音、出ますよ(笑)。

セノプロ・エンジニア:ヨーロッパ仕様で天板を全面埋めました。 これもワンオフで全部セノプロが造りました。まず縞板を黒に塗ってペーパーを当てて目を出します。それにクリアを吹き付けるのがセノプロの提案です。縞板の全面貼りと、あえて治具を作るのがセノプロ独自仕様です。とはいえ、ここだけの話、まだ未完成なんです(笑)。それと、まだ部品が届いていないのですが、背面に櫓を組んで煙突マフラーをつけたいと思っています。

セノプロのカスタムを象徴するスーパーグレート

本来はジャパントラックショー2020に出品されるはずだったスーパーグレート。プレミアムモデルのハイキャブハイルーフモデル。サイドは純正のフルエアロ仕様です。

セノプロ・エンジニア:唯一の総輪エアサスです。メーカーに発注して作ってもらった受注生産車です。乗り心地もめちゃくちゃいいし、セノプロのカスタムの考え方を最もシンプルに表現できていると思います。乗り心地が素晴らしくて、停車時には車体を低く落として格好よく見せています。

____グラインダータトゥーとエアロの下のパイプが特徴的ですね。

セノプロ・エンジニア:後ろまでパイプを巻いています。ブラガンのアンダーバーにワンオフで全周にわたってパイプを巻きました。そのブラガンをキャンディブラックに塗りました。クリアに黒を混ぜたキャンディブラックです。ライトにはヘラのカバーを付けました。黒いところはキャンディブラックのスモーク系で統一したかったんです。 

スマホで開閉できるウイング

ここでセノプロ、瀬野社長が登場!招かれるままに案内されたのは1台の大型ウイング車です。社長、これは機材車じゃないんですか?

瀬野:今回の私の一番の売りはこれです。ドライバーさんは皆さん、スマートフォンを持っているじゃないですか。日本のウイング車っていまだに昭和からある黄色いボタンを押して、上りきるまで待って、次はアオリを下ろしての繰り返しでしょう? これを時短できるように、Bluetooth で繋げて上げ下げ出来るようにしました。やっと端末ができまして、これが第1号車です。実際に測ってみましたが1/3の時間でできます。全てはドライバーの時短のためです。1日に何度もウイング上げるので、年間で見れば相当に時間を削減できます。

____場所を選ばず、開閉できるのは便利そうですね。

瀬野:はい。応用編としては、ウイングが何回上がったかが分かるので管理者が管理しやすくなります。オプションで室内灯のスイッチと、パワーゲートのスイッチも付きます。Bluetooth でこの車と携帯を接続することで、防犯性も高くなります。これは商品設定と価格設定もおおよそできました。 ボディメーカーの関心も高いので、実証できたらボディメーカーに販売しようかなと考えてます。良いのは既存の車にもつけられるし、取り付けも簡単です。値段はだいたい10万円ぐらいを想定しています。

新型のハイドローダーも登場!

セノプロといえばハイドローダーですが、少し変わりましたね。

瀬野:こちらはハイドローダーの最新版です。トラックのルックスばかりを気にしていてはいけません。内面もとても大事だと思う、セノプロの提案です(笑)。 改良版はローラーのピッチが広かったのを狭くしました。重たい1トン以上のパレットを流すと、引っかかってしまったりしていたんです。ですからローラピッチを狭くして、エアのホースを1本にしました。それと絶対に逆走してこないストッパーもつけました。

____ハイドローダーはこれまでにどれぐらい販売したのでしょうか。

瀬野:3ヶ月に1回は40フィートのコンテナで輸入していて、1本あたり15台分が乗ってきます。ですから現場には、もう100台ぐらいのトラックに搭載されている計算になりますね。この後も4台ほど取り付けるお客さんがいらっしゃいますし、評判は上々です。つけるのが楽で外すのも楽。使わないときは重ねて倉庫の奥に入れとけばいいし。全部で1トンぐらいと軽量です。

※ハイドローダーの詳細はこちらの記事もご覧ください。 https://www.yoshino-motor.co.jp/keyman/32/business.html

胸高鳴るセルフローダーが続々と登場!

____あのトラックはマイアミスタイルのストレッチされたキャデラックが載せられてますね。

瀬野:面白いでしょう? これは重機運搬車ですね。ユンボなんかを運びます。これを造ったボディ屋さんが「セノプロで造りたい」という話だったので、セノプロの社用車として買いました。最初は販売車として買いましたけど、今ではショウカーとしても使っています。 

____このトラックはモビルスーツを運びそうな荷台ですね。

瀬野:これはトラックを乗せるための荷台です。載せるときは床があがって水平になります。そして載せてから床を下げます。これで荷台の最低地上高を下げることができます。ヘッドなら2台載せられます。アウトリガーを伸ばせば、あゆみが伸びるので傾斜も緩やかにトラックを載せやすくなります。

____荷台だけではなくてキャビンも格好いいですね。

瀬野:パールホワイトを塗ってメッキも塗りました。多分、お客さんは黒でくると思っていると思うんですけど、白でもって行きます(笑)。メッキは塗った方が「シックかな」と思ったんですよね。

____上下ブラガンっていうのはもう、セノプロさんの基本アイテムですね。

瀬野:そうですね。それと、これギガのハイルーフなんですよ。新型のハイルーフは造ったことなかったんで今回、トライしてみました。 

セノプロ展示会2020に託した思い


セノプロトラックス株式会社 代表取締役社長 瀬野博之様

「今年はコロナコロナで暗いニュースばっかりでしたから、おもいきってやりました。オランダのトラックスター、ハノーバーのIAA、そしてジャパントラックショーと全部なくなっちゃったでしょ。そういうイベントがないから、自分達でほぼ強行的に行っちゃおうと考えたんです。本当にこの1カ月ぐらいの話なんですが。とにかく、みんなで楽しんでもらえる会にできればな、と考えました。それとトラックのユーチューバーの方々に来ていただいて、その方たちの発信力にも期待したいな、と考えたんです。 即決でやった割には、カタチになった気がしています。次回は、中西社長のところでやってもらおうと考えています(笑)」  


株式会社ヨシノ自動車 代表取締役社長 中西俊介

「さすがセノプロさんでしたね。決定してから1カ月半の急ピッチでしたけど、展示車両のクオリティも高いし、お客さんも沢山きてくれて大成功といえるのではないでしょうか。「格好いいトラックが好き」な関西のお客さんにボルボの居住性や、ファストエレファントのカスタムの考え方をアピールさせていただきました。瀬野社長からも言われましたが(笑)、ぜひ弊社でも展示会をやってみたいですね。歴代のデモカーやファストエレファントが手がけたボルボを中心に展示して、セノプロさんやパーツメーカーの皆さんにも参加して欲しいです。家族で訪れられるような展示会が出来ればな、と考えています」


ファストエレファント・ディレクター アルフレッド中渡瀬

「思っていたよりお客さんが来ていたので正直びっくりしました(笑)。忙しい中、段取りをつけてくれたセノプロさんには感謝の気持ちでいっぱいです。セノプロさんとはカスタムのライバルですが、スタイルは違っています。関西方面のお客さんにファストエレファントをアピールできたのは良かったし、出品したトラックも評判が良かった。ユーチューバーの皆さんと交流できたのも嬉しかったです。今回のヤコブには新商品が沢山載っていたので、今後にも期待したいですね」

この模様は動画でも!

今回の展示会にはユーチューバーの皆さんが取材に招待されていました。ファストエレファントスタッフとも多くの交流もあり、その様子はぜひ作品でご鑑賞ください。

shimijun-ch https://youtu.be/CrCQlbEwNSQ
みやたんCH長距離トレーラ https://www.youtube.com/watch?v=yJoHyZRED90
あーちゃい https://www.youtube.com/watch?v=z5fLx0IwW2Q&feature=youtu.be
ばーしちゃんねる https://youtu.be/c3L0hpiVJk4
かなちゃんねる https://youtu.be/mMju1SCXOo0

ちゃんけブログ、しみしょー工房、Hoi Channel、もこちゃん、Hiraga TV、ちゃんねるぽん太くん、たかしチャンネル、トッシースタイルTossyStyle、本舗なっか【長距離トラック運転手YouTuber】(順不同、敬称略)。皆さま、有難うございました!

当日の模様を撮影したFEチャンネルもぜひご覧ください。

FEチャンネル https://www.youtube.com/watch?v=IzADr8iVdJI

セノプロトラックス

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