杉崎氏（以下同）：「床暖房も付いているんですよ。コロナを考えなければ定員は50名。コロナを考えた対応で富士のスーパー GTで使用した際は30名で使用しました。左右が3メートルずつ張り出すことで合計9メートル。 縦は10メートル程度でしょうか。このセッティングまで持ってくるのに4名で3時間程度かかります。今後はまずスーパーフォーミュラで全戦使っていただく予定です。また某高級車のカーディーラーさんのイベントでも通年でご使用いただく予定です」

さっそく中に入ってみましょう。中に入ると真冬とは思えない暖かさに、ハイエンドなカウンターやキッチンを備え４Ｋの大画面テレビがLEDライトで演出されています。もちろんパーティが可能なサウンドシステムも完備しています。ガラス張りの開放感が特徴的で、極上のリラクゼーションが追求されています。

「シュラーがドイツで1号車を見せてくれたのがきっかけでした。どういうクライアントが使うの？と訊いたら高級ホテルグループのリッツカールトンやスーパースポーツの名門であるマクラーレン、エルメスと言ったハイラグジュアリーブランドが使用する、という話でした」

このクオリティの空間が移動できる。トレーラーが置けるならどこにでも設置できるのが信じられません。

「日本でこういう移動型のショウルームはたいていプレハブで作り込みます。手間も資材も人手もかかります。撤去する時は廃材も出てしまいます。当然、金額も高いですが見た目はどうしてもハリボテ感がぬぐえないですよね。トレーラーによる移動式ショウルームであれば、割安に移動しての設置が可能です。購入をすると決めたら「使用したい」と手を挙げていただいたクライアントは多かったですね。購入したのは2年前。その時点で世界に5台しかありませんでした」

トレーラー内にはキッチンが完備されています。シンクと10℃から2℃まで冷やせる冷蔵庫があります。自動製氷機があり、ドイツ製のウィンターハルターという食洗機も完備されています。またイベントで必ず必要になる、300本は入るだろうペットボトルクーラーもついています。

「そもそも希少価値と実際の価格が高いので、販売は当面のところ考えていません。レンタルスペースとしてご活用いただきたいですね。これから日本でどういうニーズがあるのかを見定めながら展開方法を考えていきたいです。現在の受注は好調で5月に関しては月の半分が埋まっています。例えば使用方法として面白いのは、設置が不可能な世界遺跡などに行ってミシュランのシェフが腕を振るうというようなイベント。これまででは実現不可能だったアイデアで移動できる高級スペースとしてご使用いただきたいですね」

トイレの手洗い所は脱臭完備で温水も出ます。全てのスペースがエアコン完備で、流すのもすべて非接触型。ウォシュレット等はリモコンで操作するそうです。

最後の目玉はルーフバルコニーです。転落防止の柵があり、20人ぐらいが食事をできるスペースです。天気の良い日の開放感は抜群ですね。夜間は間接照明の LED 付きでフットランプが点灯します。排水溝もついているので掃除ができるのも魅力です。

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