トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第64回
ジャパントラックショー2022 レポート
ジャパントラックショー2022 レポート
トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第64回
ジャパントラックショー2022 レポート
ジャパントラックショー2022 レポート
「ボルボ新型FHでカスタムも新世代へ!ファストエレファント出展車両を徹底解剖」
2022年5月、パシフィコ横浜で4年ぶりのジャパントラックショー2022が行われました。我らがファストエレファントも計5台のトラックを出品。すでにおなじみになったムーンアイズとのコラボモデルの他に、新型FHによるレオンとノーティというそれぞれ違う世界観をもったカスタムモデルを発表しました。さらに九州の架装メーカー、愛宕自動車とのコラボによるカスタムクオンを発表し、会場の話題を席巻。変わり種ではダイムラーの大型トラックであるアクトロスのキャンピングカーまで登場。そんなジャパントラックショー2022のファストエレファントについてレポートします。
編集・青木雄介
WEB・genre inc.
明るいグレーのカラーリングに、バランスよく配されたフォグランプの灯火類。カスタムはスタンダードな純正ベースで非常に品よくまとまっています。しかしよく見ると平面と思われたボディにはエンボスで凹凸のある造形が施されていて、驚きとともに一瞬で目を奪われることでしょう。新型FHらしい高級感に洗練された印象を残しながら、エクステリアも内装も“世界にたった1台”のカスタムが施されています。
____コンセプトを教えてください
中西:今回は2台の新型ボルボをカスタムしているんですが、それぞれレオンとノーティという名前がついています。このレオンは大人の雰囲気を醸し出すカスタムです。それに対してノーティは若くてアグレッシブな印象を醸し出すカスタムです。
____レオンのカスタムの詳細を教えてください。
アルフレッド:これはストランズのダークナイトというライトです。今までにないスモールの形でしょ!? オレンジで光らせていますが白色に変えることもできます。法規に合わせて走行中は光らないようにして、作業灯として登録しています。ファストエレファントの最新商品ですね。それをつけているジャンボというステーも初めての商品でドイツのメーカーです。
____これはスカニアにも付きますか。
アルフレッド:付きます。スカニアやアクトロスにも付きますよ。日本にはまだ入ってきていない仕様ですね。
____それに FH 16のグリルですね。このカラーリングは何という色ですか?
アルフレッド:この色はトヨタの86の色なんです。
____国産スポーツですね。アウディのグレーっぽい色ですね。
アルフレッド:そうなんです。グレーはいま流行っていますよね。流行りの色を取り入れてみた感じです。大人は流行を先取りしないんですよ。ちゃんと合わせるのが大事なんです(笑)。
____確かに色もシブいし、大人向けですね。それにしても、このエンボスがとにかくヤバいですね。
中西:これはキングカスタムペイントの星さんに描いていただきました。3 D ペイントで彫ってるように見えるでしょ!?
____見えますね。
アルフレッド:これはうまく凹凸をつけて描いてるんですよね。すごいですよね。
____デザインも星さんのデザインでしょうか。
アルフレッド:そう。星さんですね。
____ホイールはどこのホイールでしょうか。
アルフレッド:385のストロング G というホイールです。これは小林タイヤさんにお願いしてボルボFHに履いてもはみ出ないよう設計してもらいました。ファストエレファント・オリジナル商品です。それに加えてジャンボのホイールカバーをつけています。今回はジャンボ押しですね。大人が渋いスタイルにトライする感じですね。近くで見ないと分からないのが、大人の演出ですよね。
____純正のホイールにホイールカバーをつけているということですね。
アルフレッド:そうです。
____サイドの架装もいいですね。ステップをつけたのでしょうか?
アルフレッド:これは純正なんですよ。大人は純正にこだわるものです(笑)
中西:そうです。さんざん若い時にオリジナルを追求しすぎているので「ちょっと落ち着いた」というイメージなんです。
アルフレッド:人と違ったことはしたいけど、純正にこだわりがあるんですよね。
____なるほどなるほど。では中へ入ってみましょう。二段ベッドをつけてソファーも取り付けたということですね。これはくつろげますね。
アルフレッド:下のベッドを取った代わりに2段ベッドを入れて就寝できるようにしています。この架装は他ではできないのでファストエレファント・オリジナルの架装になりますね。ドアは開きますが、左からは頑張らないと入れなくなっています。まず大人としてのこだわりはこのハンドルです。大人ですから、木目を好みますよね。これはポプラの木目で作りました。この辺はこだわりが似合うセットなんです。ダッシュボードカバーと、ハンドルと、エントランスステーのセットですね。
____これはもともと付いているオリジナルを1度引き上げて架装したものを渡すということですよね。
アルフレッド:そうですね。もちろん大人なので快適装備として電子レンジと冷蔵庫も完備しています。場所は運転席の奥です。
____ああ、大人づくしで満腹になりますね(笑)。
大胆で躍動的なピンストライプのデザインにワンオフのリアガーニッシュ。ユーロスタイルで肝になる、ステーと灯火類のバランスがお手本のようなカスタムです。リアはまるでスーパーカーのような造形ですが、不思議なぐらい新型FHの高級感や洗練されたスタイリングに溶け込んでいます。当日はKEN THE FLATTOP氏によるピンストライプの実演が行われていました。
____こちらのノーティは中西社長がプロデュースしたんですよね?
中西:そうですね。今回、実務的に僕が携わりました。この車の一番の見どころはサイドからワンオフの FRPによるエアロパーツです。
____それにKEN THE FLATTOP氏のピンストライプが入るわけですね。今回ワンオフで制作したリアのガーニッシュは、トレーラーが当たるところを外せるようになってるんですね。
中西:そうです。そうです。
____この車が若い年齢層をイメージした点を教えてください。
中西:ファッションもスタイルも行き過ぎた感じになるのがいいかな、と。これってパッと見て「本当にトレーラー牽けるの?」って思っちゃうじゃないですか。そのやらかしちゃってる感じも表現したかったんですよね(笑)。だったらそのやらかした感じを残して「やっちゃった方がいいな」と思ったんですよね。これキャブさえなければフェラーリっぽいんですよ(笑)。夜のシーンだとよりスーパーカーっぽいんです。
____レオンとつけてるパーツは一緒でしょうか。
アルフレッド:ライトは一緒なんですが、ステーはライトフィックスです。ライトの使い方や色は若者が好みそうな色合いにしています。ピンストライプはアクティブなイメージで入れています。ちなみにタイヤのペイントは宣伝のために色をつけました。ボルボは純正がミシュランですからね。後ろのホイールのハブカバーはアクションノックスという欧州製メーカーです。ホイールそれ自体はアルコアですね。
____このまま牽きたいですね。
アルフレッド:後ろは取り外しができますが、実際にトレーラーを牽くためにはちょっと改良を入れないといけないですね。でも、できれば現状このままで運転出来るようなところに納車したいなと思っています。
____ということはトレーラー次第ということですね。ちなみに踊り場に乗れなくないですか?
アルフレッド:乗りませんから(笑)。それは冗談で専用の脚立をつけたいと思っています。
____すごいな(笑)。インテリアはどうですか?
アルフレッド:向こう(レオン)とは違って、こっちの室内はダイヤモンドカーボンで統一されています。ハンドルだけパーツが間に合いませんでした(笑)。
____なるほど。オリジナルインテリアパーツで違いが出ますね。
KEN THE FLATTOPさんのコメント
____今日は初日ですがここからどんな絵柄になっていくのでしょうか?
KEN:もう反対側はできていますが、アイボリーを入れてオレンジのアートラインを入れて、ブルーグリーンぽい色で飾りを入れて行こうかなと思っています。
____線だけではなくて、これから飾りの絵柄も入っていくんですね。
KEN:今日はこのアウトラインだけ取って明日、明後日でデコレーションを加えて行こうと思っています。
____延べ時間はどれぐらいかかるのでしょうか。
KEN:反対側に2日半ぐらいかかっているので同じぐらいかかると思います。ですからノーティは全部で1週間ぐらいの作業になると思います。
KEN THE FLATTOPさんのプロフィールについては鍵人訪問記をご覧ください!
____こちらは愛宕自動車とのコラボ商品ですね。これからはファストエレファントの国内ブランドをやって行くということなんでしょうか。
中西:ほぼそう見えますが、100%ファストエレファントではなくて、あくまでも愛宕自動車さんとのコラボという位置づけです。そこが一番実は今までと違っていて、基本的にファストエレファントはボルボトラックの架装を行います。だから他のメーカーに手を出すというよりは、他の会社とコラボすることで商品展開を考えていきたいと思っています。今回のコラボで言うとプロデュースはファストエレファントがやって、ステンレスや具体的な架装のところは愛宕自動車さんが得意としているのでフェンダーやサイドバンパー、踊り場、リアなんかの架装全般は愛宕自動車さんの手によるものですね。
____いやー、このサイドバンパーは強力ですよね。
アルフレッド:強烈ですよ。これは愛宕自動車さんの提案でデザインしました。最初見せてもらったときは「会社の看板のプレートでも作るのかな?」と思ってたんですよ。そうしたらサイドバンパーに実装しましたからね(笑)。見て欲しいポイントとしては、これボルボのタイヤフェンダーを付けてるんです。やはり UD はボルボがベースなのでボルボのパーツがつきやすいんですね。
____ほんとだ。テールもボルボですね。2つも付いてる(笑)。
アルフレッド:後ろから見たらボルボですよね。このトラックは名前を「愛宕スペシャル」にしたいかな。国産モデルを「フライングエレファント」というラインにして、ファストエレファントとは分けたいと考えています。
____今までもヨシノ自動車ではステンレスのすのこサイドバンパーのカスタムクオンを造ってましたよね。あれは愛宕さんとのコラボということですね。
中西:そうです。愛宕さんの社長と僕で毎回打ち合わせをして造っています。現状でも4台ぐらい造ってるかな。これは5台目になりますね。今までは特にコラボ感を出していなかったのですが、トラックショーに合わせて全面的にコラボ感を出しています。今まではどちらかというと我々のやって欲しいことをやってもらっていた感じなんですが、今回は愛宕自動車さんにも積極的に関わってもらえるようにしました。
____ちなみにこれを新車で買うと、どれぐらいするんですか。
中西:現状の架装込みで1600万円ぐらいですかね。実勢価格でいえばボルボの新車の料金ぐらいですね。もう少し相談もできますよ(笑)。個人的にはここまでやり込んでいて安いとさえ思いますね。
____確かに。その金額でこのクオリティは買いですね。このホイールはオリジナルに黒を塗ったんですか。
中西:いや違います。クライメイトのブラックウルフというホイールですね。このクオンはもうすぐ売れるでしょう。今回の出展車両は僕の中で変な自信があって、「全部すぐに売れる」と思ってるんです。タイプが違っていて、それぞれ人気が出やすい仕様だと思います。
もうすでにおなじみのムーンアイズとのコラボレーションモデルも出展していました。ムーンとのコラボマットも絶賛販売中です。
ムーンアイズスペシャルの詳細は鍵人訪問記をご覧ください!
自動車パーツ施工メーカーのHZ(ハーツ)スタジオさん。新型FHの内装パーツの施工をお願いしています。質感が高く、希少性の高いインテリアパーツを実装できます。
HZ STUDIO https://hzstudio.jp/
レオン、ノーティに取り付けられたストランズのフォグランプを卸しているKWDさん。ジャンボのステーやホイールカバーなどの輸入も手がけられています。
ヨシノ自動車で今後展開される欧州製キャンピングカーの輸入販売整備業。株式会社三厚が輸入した欧州製キャンピングカーを販売しつつ整備も行います。すでにコンコルドはメディアを賑わせていますが、今回はSTXという架装メーカー。試験的に導入されました。
____アクトロスは恰好いいですね。
アルフレッド:これはアクトロスにSTXという架装メーカーが手がけたモーターハウスです。前にコンコルドというブランドを輸入しましたが今回は STX です。これはベルギーの会社なんですね。とはいえ、ほとんど架装された状態で輸入されているので我々はフォグランプしかつけてないですよ(笑)。
< 対談一覧に戻る