トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第5回
日野 新型プロフィア / 新型レンジャー
日野 新型プロフィア / 新型レンジャー
トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第5回
日野 新型プロフィア / 新型レンジャー
日野 新型プロフィア / 新型レンジャー
「総まとめ! 新型プロフィアと新型レンジャーは何が変わったのか?」
この4月、日野自動車より新型プロフィアと新型レンジャーが同時発表されました。プロフィアは14年ぶり、レンジャーは16年ぶりのモデルチェンジとなります。国産トラック市場において大型車、中型車のシェアNO.1をほこるこの2車種は、そのまま進化する日本の運送業界を占うといっても過言ではありません。そこで今回の鍵人訪問記は新型プロフィアと新型レンジャーを解剖し、ドライバーのメリット・デメリットを中心に何が変わり、何が変わらないのかを、中西俊介とともにレポートしていきます。
写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介
今回のモデルチェンジは実に16年ぶり。プロフィア同様にエクステリアデザインとインテリアデザインを一新し、同等の安全装備を標準装備にして安全性能の大幅進化を実現した。
©日野自動車
そのままプロフィアを小さくしたかのようなフロントフェイスは、よくまとまった秀逸なデザインに仕上がっている。真ん中の大きめの日野マークに、ヘッドライトのバランスも象徴的。「大型も中型も日野」という運送会社では、グループ感や結束感も増しそうだ。
・特になし!
「格好いいですね。プロフィアとデザインを共通していることもあってグレードがあがったイメージがあります。並べると親子みたいですね(笑)。セットで購入したくなります」
インテリアもパーツデザインや色をプロフィアと共通化した。エアコンの送風口からドアノブまで行き届いたデザイン感覚は国産中型NO1と言える。中型から大型へ乗り換えるドライバーにとっては違和感なく乗り換えられるメリットもあり、デザインの共通化は今後のトレンドになりそうだ。
・デザインは基本的にプロフィアと共通化!
・プロフィアと共通化され中型トップクラスのシート!
・まるでホテル!? ハイルーフの空間はほとんど大型車クラス!
・メーターを大径化し、文字も大型化して視認性をアップ!
・デザインがシンプルなのでブラウン一色もレンジャーならシブい!
・スマホを充電、音楽再生もバッチリ!
・最終型のラウンディッシュ&ドーナッツに較べると助手席まわりのデザインはやや物足りなさも。
「ハイルーフ仕様がすごいですね。中型クラスでも各メーカーここまではなかったと圧倒されました。本当にこれまでのいわゆるハイグレードモデルとは一線を画してます。カーボン調の内装もいいし、見やすさも向上していると思います。乗用車らしくなっているし、逆にいうとトラックっぽくないですよね」
主力は6.4リッターから5.1リッターまでダウンサイズされた。210馬力以下の仕様だと尿素フリーとなる。
©日野自動車
・5.1リッターの新エンジンA05C搭載。2段過給ターボモデルは880ニュートンのパワフルトルク!
・6MTのワイドレンジ化で省燃費!
・全車種でアイドリングストップを搭載し(パーキングブレーキなし)、素早く始動!
・さまざまなエコ運転支援機能付き!
・尿素フリーモデルもラインナップ!
・190馬力のモデルは売れるのか心配…
「エンジンの主力は240馬力になると思います。小型車でさえ日野さん以外は尿素になってきてます。そんな中で尿素フリーを入れてきたのは画期的ですし、個人の方を対象にしているのではないかと思いますね。車種は平ボデーとかダンプが多いかも知れない。台数が多くなると、どこも尿素のタンクを持ってますからね」
プロフィアと同じPCS(衝突予防装置)を装備し、車間も自動調整できる中型車としては最先端の安全性能を持ったといえる。これまでプロフィアにしかなかったドライバーモニターやオプションだったふらつき警報や逸脱警報も標準装備になった。
・中型車初!歩行者、停止車両まで検知する衝突回避機能!
・車間距離を自動制御できる!
・わき見や居眠りを感知するドライバーモニター搭載!
・車両のふらつきを検知!
・ハイビームの自動制御つき!先行車、対向車には遮光する!
・特になし!
「内装やシートも大型車クラスなので、人気は高くなると思います。特にハイルーフはシートとあいまって重役室の雰囲気ですね(笑)。総じて平均点の高い新型レンジャーですが、なかでも安全装備の充実ぶりは目を見張らされますね。スキャニングクルーズ2やドライバーモニター、レーンキープアシストは長距離輸送には重要な機能です。レンジャーは中型の長距離輸送の中で、高いアドバンテージを主張していると言えるのではないでしょうか。また今回は自動ブレーキを完全装備したんですね。トラックの事故で一番多いのは追突事故ですし、これまで大きな事故になって運送業界を悪いイメージにしているのは追突事故です。今後、中型車にも義務化されていく流れとあわせて、自動ブレーキがついている、ついていないでは保険料率も変わっていきます。業界の中型車における試金石的な一台といえると思いますね」