自走する組織について ~2018年の終わりによせて | トラック業界“鍵人”訪問記 第26回 ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第26回

トラスト物流株式会社 ボルボ・ドライバー 渡邊和実様

トラスト物流株式会社 ボルボ・ドライバー 渡邊和実様

私がボルボ・トラックを選ぶ理由 ~ 第4回 ボルボ・ドライバー 渡邊和実様

ヨシノ自動車のカスタムライン、ファストエレファントでボルボ・トラックを“フルカスタム”する最初のお客様が渡邊さんです。渡邊さんはかつてスカニア乗りでしたが、現行のボルボに乗り換えました。そして今回、ボルボのカスタムをファストエレファントにお任せいただいて、新型のボルボFHに乗り換えられました。そんな渡邊さんから見た、ボルボFHの良いところと悪いところ、そして新型への期待についてお話を伺いました。1日平均して300キロメートルを走るという渡邊さんが強調する、メーカーと販売店、その担当者の重要性とはいったい何でしょうか? 日本におけるボルボ・トラックを知る上で必見の対談内容となりました。

写真・薄井一議
デザイン・大島宏之
編集・青木雄介

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ヨシノ自動車にスウェーデン人がいる!?

____シリーズとなっている「私がボルボ・トラックを選ぶ理由」ですが、今回、渡邊さんは新型 FH をご購入され、ファストエレファントでカスタムを行った初めてのお客様です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

渡邊:はい。「次は全部、アルくん(アルフレッド:ファストエレファント・ディレクター)にお任せするよ」という約束がありました。アルくんは普段から気さくで、見た目は外国人だけど根っからの日本人です。その人柄が良いのと、とにかく信頼ができます。今回は「もう全部おまかせ」という感じでしたね。

中西:お客様にそう言っていただけると非常に嬉しいですね。「全部任せる」というのもアルフレッドにとってはプレッシャーもあるかも知れませんが(笑)。

渡邊:やっぱりアルくんがファストエレファントを任されてるというのも カスタムのセンスや情報が人一倍入ってくるからだろうし、ボルボのパーツを取り付けてきた経験もあるでしょう。そのセンスは他の誰にも真似できませんからね。

中西:本当にそうですよね。アルフレッドのセンスを気に入ってくれるお客さんが「どれだけいるか」というところが、ファストエレファントは大事ですね。

渡邊:そうなんです。「自分がこうしたい」と思っていることを、アルくんは形にしてくれるんですよね。そこを分かってもらえるのは、すごく嬉しいですね。

____気心が知れているような感じでしょうか。

渡邊:はい。そうですね。 見た目は本物の外国人に見えるんですが(笑)、こちらが言いたいことは分かってもらえます。

中西:昔の話ですが、24時間体制で故障車の現場対応にあたっていた時、アルフレッドが現場に行ったら「本物のスウェーデン人が来た」と言われたこともあるんです(笑)。

アルフレッド:そうなんです。それで「ヨシノ自動車には本物のスウェーデン人がいる」という噂にもなりました(笑)。

ボルボの良さはトレーラーを牽くときにあらわれる

____渡邊さんは以前、スカニアに乗ってらっしゃったんですよね?

渡邊:はい。元々、スカニアに乗っていましたから、当時からボルボも気になってました。でも、その当時のボルボは故障が多くて、あまり良いイメージがなかったんです。それが現在の型になって「そんなに故障もない」と聞くようになって、「乗ってみたいな」と思うようになりました。

____乗るきっかけになったのは、どんなことだったんでしょうか。

渡邊:ドライバー仲間に現行のFHは「全然故障もないし、問題ないよ」と聞いてはいても、どうしようか迷っていたんです。ちょうど会社が変わり、乗り換える時期でもあり、スカニアとボルボの「どちらに乗ろうか」悩みました。元々はスカニアに乗っているので、スカニアの良いところも悪いところも分かっていました。 それで現在の会社の社長に「今のボルボは良いみたいですね」と話をしたら、トントン拍子でボルボで、話が進んでしまったんです(笑)。そもそもうちの会社に一台、ボルボは入っていたんですよ。それが年配の方で、初めての外車だったみたいなんですけど 問題はなかったし、自分も乗らせてもらって「スカニアとは違うな」と思ったんですよね。

____どんな点が良いと感じられましたか。

渡邊:まず振動が少ないと感じたし、ボルボはトレーラーを引っ張ってる時が格段に良いんですよ。まるで乗用車みたいに走ってくれます。力もあるし、運転していて負担がないですよね。以前はスカニアの470馬力に乗っていました。馬力はボルボよりありました。それでも最後の伸びに不満があって、ボルボには「それがなかった」というのが大きな違いでした。

____I-シフトの良さでしょうか。

渡邊:はい。シフトの良さもあるかもしれないですね。スカニアは変速のショックが大きかったので、そこの違いは大きいですね。

____それとやっぱり、よく言われるボルボのターボの良さなんですかね。

中西:I-シフトのトルクバンドの特性が、ボルボのエンジンと相性が良いんだと思います。だから0 キロ発進をしても、定速走行までスムーズにもっていけるのでしょうね。

____むしろヘッドで走っているより、トレーラーをつなげて走っている方がスムーズだったりするのでしょうか?

渡邊:そうですね。走りもトレーラーをつなげて走っている方が良いと思います。ボルボの場合、ヘッドだけで走ってると前加重が出やすいので、前にパタンと倒れそうな気がするんですよね(笑)。だから「後ろに10円玉を乗っけなければいけない」と冗談にするぐらいです。ともかくもボルボの走りの良さには満足していますよ。

燃料もアドブルーも減らないボルボ

____新型スカニアの評判も良いですが、迷いませんでしたか。

渡邊:「良くなった」と聞くけど、スカニアの場合、どうしても同じパーツで同じ箇所が故障するというパターンがあって悩まされました。ボルボにはそれがないのも大きいです。私がスカニアに乗っているときも、日野が代理店をやっていた時だったので、日野の整備士が「分からない」ということがすごく多かった。その印象が大きいんです。ボルボの場合だと、故障してもそこがちゃんと改善されるので、そこも大きいかな。

____燃費の点はどうでしょうか。

渡邊:燃費はいいですね。アドブルー(尿素)の消費量もまったく多くありません。たまにボルボで宮城に帰省したりもするのですが、ほとんど燃料が減らないのでいつもびっくりするんですよ。私は毎日300 km ぐらい走ってるのですが、20トン以上を引っ張っていても リッターあたり4キロ走る時もあります。アドブルーに至っては「たまにしか入れない」という感覚ですね。 最初、アルくんに「アドブルーのゲージが全然下がらないんだけど」って不安になって電話したくらいなんですよ(笑)。 国産だと1週間に1回は「入れなきゃダメだ」なんて聞くんですけど、ボルボはそんなことがないですからね。

アルフレッド:今回、タンクが大きくなった理由の一つに、Noxの低減対策として導入している排気を再循環させる機能EGRのバルブをなくす代わりに、アドブルーの消費量を若干大きくしてるんですよね。消費も少し増えてしまうかもしれないです。

中西:EGRバルブもなくなったんですか?

アルフレッド:EGR バルブ、 EGR クーラー、ターボのアクチュエーターもなくなりました。

中西:その辺、シンプルになったんですね。より壊れにくくなりましたね。

アルフレッド:僕もそう思いました。

次の新型を任せるという信頼感

____なるほど。そういう対策もされてるんですね。渡邊さんは新型FHの発売をお待ちになっていたということなんでしょうか?

渡邊:アルくんには「次の新型を任せるから」と言ってはいたのですが、あと「3年ぐらい先の話」だと思っていました(笑)。 そうしたら今回、弊社に新人のドライバーが入社しまして、彼が私の乗っていたボルボに乗ることになり、私が新車のボルボに乗ることになったんですよ。

____グッドタイミングですね(笑)。

渡邊:そうなんですよ。社長にも「お前、何か企んでるだろ?」と言われたぐらいです(笑)。

アルフレッド:私も「次の新型を購入していただける」という話を聞いていたのですが、まさかこんなに早くなるとは思ってもみませんでした。

渡邊:その新人の後輩も「僕もボルボに乗りたい」と言ってくれてたんで、 即決でしたね。

____ではその新人の方は、ボルボに乗りたくて入社されたんでしょうか?

渡邊:そうです。その後輩は身長がすごく高くて、1 メートル80センチ以上あるんですよね。あだ名もジャンボです。国産だと寝るのにも狭くて「やってられない」と言っていました。後輩も私のボルボに乗ってみて、中の広さに感動したみたいです。それから話が進み、営業の金野さんに電話をしたら「一台だけある」ということだったので、早速アルくんに「架装をよろしく頼む」と伝えたんですね。

____ファストエレファントのプロモーションビデオなども、ご覧頂いてたんですか?

渡邊:アルくんが「ファストエレファント、ファストエレファント」とうるさいので見ざるを得ませんでした(笑)。それは冗談ですが、何度も見てますよ。私の地元の宮城でも、ヨシノ自動車さんはもう知られていて、インスタグラムをフォローしていたりしてますよ。そういう情報は地方でも早いですよね。

同じトラックでも販売店でカスタムは違う

____社長の思惑通りですね。

中西:本当に人づてに噂が広まる点は、ボルボ様々なんですよね。 ボルボあっての宣伝効果ですからね。

渡邊:それと買う販売店によって、「どこで買ったか」って大体分かるんですよ。ヨシノ自動車でボルボを買ってるお客さんは、だいたいセンスのいいカスタムをしていますから。

アルフレッド:それはあると思います。やっぱり場所やディーラーによってカスタムの方向性って違いますね。

渡邊:本当にそれはすぐ分かるんですよ。仕事中にボルボを見かけて「あれヨシノさんだな」と思ってアルくんに電話すると、やっぱりそうだったりしますからね。

中西:例えば東北なんかに行くと、UD系のディーラーさんでボルボを販売していたりするんですよね。近畿もそう。いまフルディーラーと呼ばれている我々のようなディーラーと、 UD と並行して販売しているディーラーさんとでは販売台数がほぼ同数になっています。それぞれ250台ずつぐらいで、トータル500台ぐらいですね。元々はフルディーラーの方が販売台数は多かったのですが、最近はほぼ同数ですね。

実はライバル!? UDにいってしまう理由とは

渡邊:UD ではシングルもダブルも両方、販売してるんでしょうか?

中西:どちらも販売しています。現在、UD のクオンは新車で2デフの販売がないんですよね。その代わりにボルボの2デフを販売するという仕組みなんです。元々のスタートはそういうことなんです。本牧も有明も、シングルのトラクターヘッドのシェアは多分、UDが一番なのではないかと思います。現行の UD は、エンジンもミッションもボルボですからね。

____おっと、 UD がボルボの強力なライバルになってしまうという構図ですね。

アルフレッド:昔からそれは言われていました。

中西:ボルボを購入されてるお客さんでも、クオンを入れている会社さんは多いですよね。理由はUDの方が、価格が安いからではないかと思います。

渡邊:逆にそれでクオンからボルボに乗り換えるお客さんも多いのではないでしょうか。最近本当にボルボをよく見るようになりましたから。

中西:はい。東京が増えましたね。

____ヨシノさんが販売してるということですもんね。

中西:おかげさまです。

渡邊:こちらとしてはあんまり増やしてもらうと、自分のボルボが目立たなくなってしまう懸念があります(笑)。そうなると、やはり違いが大事になってきますよね。

中西:そうなんです。弊社としても年間40台ぐらい販売しているのですが、増やしても60台ぐらいまでにしておきたいんです。それ以上、販売してしまうとステータスがなくなってしまう懸念があるんです。シェアも10%いかないぐらいが「ちょうどいい」と思っているんです。ボルボの希少性や高級性が、それで保たれるような気がするんですよね。その意味では、我々はもっと横浜で販売しなければいけないんです。とにかく昔のイメージが悪すぎて、現在ではどこもボルボを入れていただけないんですよ。10年以上前に本牧の大手の海コン業者さんにボルボを入れたのですが、そのボルボがことごとく故障してしまったんですよね。 それで2、3年で皆さん、手放されちゃった苦い経験があるからなんです。

かつての外国車トラックの弱点だったエアドライヤー

渡邊:そういう業界の噂は広まるのが早いですからね。ただたまに本牧の会社でも、昔のボルボを使っているところがありますよね。その時代の方が好きだということと、たまたま壊れなかったということなんでしょうね(笑)。

アルフレッド:昔の構造はシンプルだから、壊れない個体はとことん壊れないんですよ。当時はEGR もないしコンピューターもないし、すべてがアナログなんです。そもそもボルボやスカニアはトラックの作り方も、考え方も国産とは違うんですよね。開発の段階から「壊れて当たり前」ぐらいに割り切ってるところがあって、ある意味、潔いんです(笑)。それに加えて、日本は気候が違うのと、やはり湿度が高いんですよ。とにかくエアドライヤーの故障が多いんです。一度、故障しだすと空気の通り道にそって順繰り、パーツを替えていかなければいけないので、とにかく頻発するんですよね。

渡邊:昔のスカニアも、確かにエアドライヤーの故障はすごく多かったですね。壊れると「東北に部品が到着するのに1週間かかります」というのが一番困りました。例えばボルボに不具合があっても、入庫する時点でパーツを用意してもらえていることが多い。それだと次の日から仕事ができますからね。我々にとっては、すごくそこが重要なんです。ヨシノさんなら大体1日で仕上げてもらっています。我々は仕事上、トラックで寝泊まりすることも多いので、取り上げられちゃうと寝るところもなくなっちゃうから(笑)。

大事なのはドライバーと整備士の身近な関係

アルフレッド:先に電話もしくはメールやLINEで症状と故障コードを聞いておいて、頭の中で必要な作業、部品などを考え書き出しておきます。そうするとトラックが到着して、すぐに作業が出来るんです。そして「明日までにあげてくれよな」と強めの口調で言われます(笑)。

一同:笑い

渡邊:もちろんアルくんに聞いて、こっちで直せちゃうことも多いですよ。例えば長距離で大阪から「こういう症状が出てるんだけれど、関東まで乗れるだろうか」というような判断もしてくれるし、「これをすれば当面は大丈夫」というような解決策も出してくれます。運転してる身としては、先が見えるからすごく安心できるんですよね。レッカーで移動されたのも本当に1回だけですし、私は相当、距離を乗っている方だと思うので、その割には故障も少ないし安心感が強いですね。

____ちなみにそのレッカー移動の時の故障というのは、どんな故障だったのでしょうか。

アルフレッド:それが初の症例だったんですよね。ミッションのフォークが折れてしまったんですが、その症状が出たのは渡邊さんが初めてで、それ以降もないんですよ。

渡邊:私はとにかく距離を乗るので、理由を聞かされた時、「なるほどな」と思いましたね。これまで全然、故障がなかったから尚更、「大丈夫大丈夫」と無理をさせていたところもあると思うんですよね。レッカー移動されたのはその1回だけですね。そこはボルボにして良かったなと思うし、ヨシノさんで「買ってよかったな」と思うところですね。

ボルボ・ドライバーが新型で楽しみにしている点とは

____ありがとうございます。ところで渡邊さんは、もう新型は試乗されたんですか?

渡邊:まだ試乗していないんですよ。 ヨシノさんの試乗記事や新型に関する記事を読んで「早く乗ってみたいな」と思ってるところです。

アルフレッド:そこもまた一つの楽しみだと思うんですよ。現行の良さからさらに新型は良くなっているわけで ボルボ・ダイナミック・ステアリングと、I-パーククールと5種類の快適安全装備を早く体験して欲しいんです。渡邊さんは、その違いがよく分かるはずですから。

渡邊:もう早く乗りたくて仕方がないんですよ(笑)。目の前にケーキを出されて「待て」がかかっている状態です。乗っていなくとも「嬉しいな」と思える変更点は、ピラーのところにある死角防止のセンサーは有り難いですね。一年で3回ぐらい、もらい事故でぶつけられているんです。迫ってきてるのに、気付けなかったですからね。それとダイナミックステアリングの、「ハンドルが軽くなる」というのも有り難いですね。私はスピンナーをあまりつけたくないので、スピンナーなしで運転できるのは嬉しいですね。

ファストエレファントはお客様に育てられたカスタムライン

____ありがとうございます。渡邊さんはファストエレファントでフルカスタムをする、最初のお客様ですよね。それも渡邊さんはカスタムを全権、委ねてくれていますよね。

中西:はい。有り難いですね。ファストエレファントが立ち上げられたのも、歴代のお客様達あってこそです。そもそもはお客様の方が最新のパーツの情報や知識量も多かったんですよ。それで「あれつけたい」「これつけたい」「これは付けられるだろうか」というところから、始まってるんですよね。そうやってお客様のリクエストに応えているうちに、こちらも経験を積ませてもらうことで、やっとファストエレファントという形になれた。そして自分たちから「発信が出来るようになった」ということだと思うんです。そういうスタートに「やっと立てたな」という実感がありますね。

アルフレッド:はい。渡邊さんのファストエレファント第1号が走るのが楽しみですよね。我々としても多くの販売店がある中、ヨシノ自動車を選んでいただくために、ファストエレファントのカスタムという付加価値をつけていきたいなと考えています。そこでヨシノ自動車をアピールしてお客さんを増やしていきたいなと考えています。

渡邊:次にまたモデルチェンジして乗り換える時も、私はアル君にお任せします。ヨシノさんとは末永くお付き合いしたいですからね。本当にアルくんがつけてくれたパーツが、宣伝になって、噂になって広まりますからね。

____渡邊さんとしても、販売店を選びたいと考えてらっしゃるのでしょうか。

渡邊:はい。ヨシノ自動車さんあってのボルボといえるし、ボルボあってのヨシノ自動車さんということも言えるでしょう。私は次もヨシノ自動車さんですね。

渡邊 和実(わたなべ かずみ)
1970年生まれ。2004年、大型トレーラー乗務員として有限会社迫運輸サービス入社。2015年、トラスト物流株式会社入社。現在に至る。

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