省燃費運転について(基礎編)

省燃費
省燃費(省エネ)運転とは、ドライバーの運転技術によって、より燃費がよい走りをすることを指します。
近年は燃料価格が高騰している中、トラック運送事業の経営面において、燃料費は人件費に次いで第2位の経費となる大きなウェイトを締めております。また、車両の技術向上などによって燃費を高めることは限度になっていますので、ドライバーの技術向上によって、燃費の消費が少ない運転をすることが求められています。

省燃費運転のポイント

まず、省燃費に影響を与えるものとして、「車両の仕様や架装」、「車両のメンテナンス状態」、「道路や交通、季節や天候の状況」など色々ありますが、そのポイントは知識や経験、それに基づいた行動、すなわちドライバー(会社)次第で燃費は大きく影響します。

1.車両の仕様や架装

エンジン性能、ミッションとデフのギヤ比、タイヤ、車軸の構成、車両総重量、架装形状など。
<その仕事や業務に合っている車両なのか?>

2.車両のメンテナンス状態

車検や3ヵ月点検、日常(運行前)点検が実施されているか、基本的にかかりつけの整備工場へ入庫しているか。
<しっかりメンテナンスがされているのか?>

3.道路や交通、季節や天候の状況

登坂、渋滞、悪路、猛暑、極寒、豪雨、積雪など、運行する道路状況は?
<経路や時間帯を変える検討も?>

4.ドライバーの運転技術(知識や経験)

車の走行(動作)は、基本的に全て物理学の法則(自然界の法則)に基づいて動いています。

重たい物を動かす、物を速く動かす、物を転がす、物は上から下に落ちるなど他にもたくさんありますが、物理学の法則を理解し実際に上手く利用している人ほど、燃費が良い走りをする事が出来ます。

走行中のエネルギーの転換

トラックはディーゼル燃料(化学エネルギー)を、運動エネルギーや熱エネルギーに変換して利用しており、その変換されたエネルギーが色々な抵抗に打ち勝って、車は走行することが出来ます。

なお、ディーゼル燃料の化学エネルギーは、走る為だけのエネルギーに100%転換(利用)することが出来ません。

運転のしかたで影響を及ぼす事が出来るのは35%であり、残りの65%はエンジンからの排気熱、冷却水への熱、機械的な摩擦損失、圧縮空気や発電するための駆動など、走行するためには必要なエネルギーでどうすることも出来ません。

したがって、影響を及ぼす事が出来る35%の走行抵抗を、如何に少なく抑える(コントロールする)かによって燃費は大きく変わります。

燃費に影響する走行抵抗とは

走行抵抗とは、車が走る時に生じる抵抗の事で、この走行抵抗に打ち勝つことで、車は走る事が出来ています。

従って、この各抵抗を出来るだけ小さくすることによって燃費は良くなり、大きくなると燃費は悪くなります。

<ドライバーによる差はない>

空気抵抗:車両の前面と空気との摩擦による抵抗の事で、速度が上がるとその2乗で大きくなります。(速度が2倍になると空気抵抗は4倍になります)

勾配抵抗:登坂路を上る時の勾配による抵抗の事で、車両総重量と勾配角度に比例して大きくなります。

転がり抵抗:車が平地を惰性で走っていると徐々に減速していきますが、その減速させる全抵抗から空気抵抗を除いた抵抗の事で、ミッションやデファレンシャル&ハブなどの車両仕様、タイヤの種類や空気圧に起因する機械的なロスになります。

<ドライバーによって差が出る>

加速抵抗:加速するときに生じる抵抗の事で、同じ車であれば加速がゆっくりなほど抵抗を小さく出来ます。

加速抵抗が最も影響する

一般的に速度を一定に走行した方が燃費は良いと言われますが、それはこの加速抵抗の変化が無い(少ない)からです。

なお、車が走行するためには発進や坂道を上る、車を追い越すなど加速しなければならない場面が多々ありますが、発進の回数や不必要な急加速、加速しすぎてブレーキを踏む又はその逆にブレーキを踏んですぐ加速するなど、無駄な加速の動作が一番燃費に影響します。

すなわち、ドライバーが如何にこの加速(抵抗)を少なくして走行出来るかが、燃費の良し悪しを決めると言っても過言では有りません。

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【指定工場】
 株式会社ヨシノ自動車 トラック整備

 住所:神奈川県川崎市川崎区鋼管通4-1-6
 営業:8:30~17:20

 電話:044-322-2712
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