ドライバー・インフォメーション第2話(キャブ前側②)

ドライバーインフォメーション
ドライバー・インフォメーション(Driver Information)とは、ボルボ・トラックをご購入いただいたお客様(ドライバーや運行管理者の方々)を対象に、納車時(又はそれ以前)に実施している装置や装備等の取り扱いを説明するトレーニングの事です。
このトレーニングを実施することによって、ボルボ・トラックを正しく理解して性能をフルに活用していただき、安全で快適な運行をして頂く事を目的としております。
また、このトレーニングは全世界において行われており、特に日本において国産トラックでは標準装着ではなかったり、似たような装備でも扱い方法が違う等もありますので、ドライバーの方々への説明は非常に重要だと考えています。
(モデルやグレードにより、多少デザインが違っている、装備されていないパートも有ります。)

アダプティブハイビームについて

ヘッドライトは、ロービームとハイビームの間で自動的に切り替えることができます。

ハイビームは、アダプティブハイビームを採用しており、現在の交通状況に適応することができます。

アダプティブハイビームのヘッドランプには、個別にON/OFFできるLEDセグメントのセットがあります。

このシステムは、カメラとレーダーセンサーを使用して、トラック前方の周囲光、道路灯、およびトラフィックを測定し、トラック自体の速度も考慮して判断します。

それぞれの状況に応じて、システムは最適な照明に切り替わります。

なお、以下の条件が満たされると、ハイビームがアクティブになります。

車速が10 km/h以上

カメラが夜であることを検出した

トラックの進路に街灯がない

Adaptive High Beam

サービス・カバーの開き方

サービス・カバーを開く際は、上記の部分にあるレバーを、車両中心に向かって内側へ引きます。

カバーを再び閉じるには手のひらを使い、カチッと音がするまでハンドルのある部分あたりを手で押し込みます。

車両のサービス・カバーの内側には、ウォッシャー液、クーラント(冷却水)、エンジンオイルの注入口などがあります。

内部の構成部品やシステムへの不正なアクセスを防ぐため、サービス・カバーにはロックがついており、 運転席側ドアのロックと連動することによって、サービス・カバー側からの不正侵入も防止します。

サービス・カバーの内部について

①花粉フィルター: フィルターが汚れている場合は、振り払うか、ブラシで汚れを取り除きます。決して洗わないでください。12ヶ月ごとに交換してください。

②クーラント(冷却水): 黒いキャップは充填用、青いキャップはリリーフバルブ専用です。

③シャーシIDプレート

④モーター オイル: 伸縮性フィラーチューブは、オイルを入れやすくします。

⑤キャブチルト:手動用昇降ツール。

⑥ウォッシャー液タンク:15リットル

⑦キャブチルト:リモートコントロール。

キャブのチルトの手順・注意点

キャブを傾ける(上げる)前には、必ず以下を確認して十分注意してください。

・キャブ内に固定されていない物体が無い。
(フロントガラスや内部部品を損傷する恐れが有ります)

・キャブの正面(側面)に十分な空間がある。

・パーキングブレーキがかかっている。

・ギヤ レバーがニュートラルになっている。(マニュアル車)

・ドアが完全に開いているか、しっかり閉じている。

・ドリンクホルダー等に飲み物やトレイなどに液体芳香剤等が無い。

キャブを傾ける方法の詳細な手順については、ここをクリックしてください。

▼キャブを傾ける詳細手順
https://youtu.be/PNVM7xc4-I4

<危険>

キャブは最終位置までチルトさせてください!最終位置までチルトしていないキャブの下で作業することは禁止されています。

<危険>

キャブが中途半端に傾斜している間は、キャブの下または前に誰も立ち入ってはいけません。

電動キャブチルト(上げる)

1.スターターキーを、「アクセサリー」又は「ON」の位置にします。

2.キャブチルト・スイッチの下側を押します。 スイッチのインジケーターランプが点灯します。

3.サービス・カバーを開けます。
キャブチルト用ツールのソケットレンチをリテーナーから取り出します。

<注記>
損傷を防ぐために既にキャブが傾いているときは、フロントハッチを開ける必要があります

4.ソケットレンチをハイドロリックポンプのバルブに取り付け、時計回りに止まる位置まで回します。

5.チルト用のハイドロリックバルブ位置。

6.スイッチをサービス・カバー下のリテーナーから取り出し、キャブのチルトが完了するまで油圧スイッチのボタンを押したまま保持します。

<注意>
キャブのチルトを2回以上連続して電動で行うと、チルトモーターの過熱保護機能が作動することがあります。 その場合、電動油圧ポンプのモーターが冷えるまで15分間待ちます。 15分経過してもポンプが作動しない場合、キャブ内のヒューズおよびリレーセンターのヒューズを点検してください。

電動キャブチルト(下げる)

キャブのチルトを解除するには、「アクセサリー」以降の機能モードにする必要があります。

  1. スターターキーをスタータースイッチに挿入して、「アクセサリー」以降の機能モードにする必要があります。
  2. キャブチルト用スイッチをオンにします。
  3. ハイドロリックバルブを反時計回りに止まる位置まで回します。 チルト解除用のハイドロリックバルブ位置
  4. キャブが走行位置にロックされるまでポンプを作動させます。
  5. スイッチ及びツールをサービスカバー下のリテーナーに戻します。
  6. サービスカバーを閉じます。
  7. エンジンが作動しているときに、キャブのロック解除表示シンボルが点灯しないこと。

手動キャブチルト

必要に応じて、キャブは機械操作でチルトさせることができます。 電動ポンプの代わりにポンプレバーを使用し手動でポンプを動かす事が出来ます。(バッテリーが上がった場合も)

チルト用のハイドロリックバルブを上げる場合は右に、下げる場合には左に止まるまで廻します。

<注記>
キャブがチルトできない場合、キャブの荷物が重すぎる(キャブ内あるいはキャブ上部)か、またはシステムにエアが混入していることが原因として考えられます。

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