ボルボ・トラック・クイック・リファレンス②

ドライバーインフォメーション
クイック・リファレンス(Quick Reference)とは、その昔、ボルボ・トラックが日本市場に本格参入した際、ボルボ・トラックを運転するユーザー向けに正しく安全かつ快適に使って頂く為、国産車では標準装着されていない装置の説明や取扱いの違い、メンテナンスの重要性や安全などについて、特に知って頂きたい事項を纏めた簡易版取扱説明書が有りました。
ただ近年は、ボルボ・トラックが日本市場に増えた事や、国産車においても欧州車同等もしくは同じシステムを装着している事などから、最近のモデルには簡易マニュアルが無くなりました。
しかしながら、根本的に北欧のボルボと国産車の考え方には違いは有るかと思いますので、クイック・リファレンス抜粋版を復活してみました。
(個々の詳しい内容は、車両に搭載のブラックバインダー、Web上のドライバーガイド、弊社サイトの整備ブログなどをご覧ください。)

色々な装置の注意事項

I-シフト

<駐停車の時>

信号待ちの時などにAモード位置で短い時間停車する場合には、必ずフットブレーキを踏んだ状態で停車して下さい。

また、渋滞や休憩等で長い時間駐停車する場合には、必ずセレクターレバーの位置をN(ニュートラル)モードにして、パーキングブレーキを効かせて駐車して下さい。

I-シフトはNモード以外(AかMまたはR)で停止時、フットブレーキを踏んでいる場合にはクラッチが完全に切れている(繋がっていない)状態ですが、フットブレーキを放すとスムーズに発進出来る準備をする為に半クラッチの状態となっています。

したがって、セレクターレバーがNモード以外の時にパーキングブレーキだけで止まっていると、長時間半クラッチの状態で停止している事となり、クラッチの早期摩耗や最悪の場合クラッチ焼付きになってしまう可能性が有ります。

 

<発進や走行の時>

通常はセレクターレバーの位置をAモードにしてお使い頂き、特に発進時は必ずAモードになっている事を確認してご使用下さい。

I-シフトは、Aモードの状態の時に車両の重量や傾斜、エンジン負荷などを感知して、発進及び走行時に最適なギヤ段数を決定しています。

もし、発進時にMモードの状態で適切な発進段数になっていなかった場合、クラッチに大きな負担が掛かり故障の原因になる可能性があります。

 

補助ブレーキ(排気ブレーキ、コンプレッションブレーキ)

通常は補助ブレーキのレバーはAの位置にして走行して下さい。

Aの位置にして走行することで、ブレーキブレンディングやブレーキクルーズ、I-ロールなど、I-シフトと連携した機能が有効となり自動的に作動します。

なお、任意でエンジンブレーキを強く効かせたい場合には、状況に応じて補助ブレーキのレバーを1~Bの位置に移動して強弱し、その必要が無くなりましたらレバー位置は通常のAに戻して下さい。

 

坂道発進補助

坂道発進補助装置は、発進(上り坂)のときブレーキペダルからアクセルペダルに足を踏み替える際に、車両が動かない(下がらない)よう、およそ2秒間だけブレーキの解除を遅らせる機能です。(一定のエンジントルクに達するまでブレーキ力は保持されています)

したがって、坂道発進補助装置のスイッチがオンになっていても、坂道で停車時にブレーキペダルから足を放すと、およそ2秒後にブレーキは自動的に解除して車が下がってしまいますので、発進するまではブレーキペダルから足を放さないで下さい

 

④デフロック

デファレンシャルロックは、積雪や泥濘地等を走行するのに発進や脱出できなくなった時に使用するもので、連続的にもしくは乾燥路面で使用するものでは有りません。

車両が動けなくなった場合のみに使用し、必要な時以外は常にオフの状態で走行して下さい。

デファレンシャルロックの機構の構造を理解せずに間違った使用をすると、一瞬でデフを破損させ走行不能になってしまう恐れが有ります。

 

タイヤ&ホイール

タイヤ&ホイールは、走る・止まる・曲がるという走行に欠かせない重要な部位です。従って、問題が発生すると路上故障や他の交通の妨げになるばかりではなく、場合によっては人の命に関わる重大な事故を引き起こす可能性も有りますので、日頃から正しい点検や整備の実施をして下さい。

・ボルボは、ISO規格のボルト&ナットを使用し、10穴ホイールを採用しております。

左側ホイールのボルト&ナットも右側と同様、右方向に廻して締まる右ネジです。

・ボルボは国産と違い、ホイールナットを締める方法は角度締めとなっています。(200±8Nmでトルク締め後右方向に90±10度廻して締めます)

・ホイールのボルト&ナットは、アルミホイール用とスチールホイール用がそれぞれ有ります。履き替える場合には専用のボルト&ナットを使用して下さい。

 

<注意>

近年、ホイール&タイヤの脱輪事故が増えております。ボルト&ナットはホイールに合ったものを使用し正しく締付け、安全のため運行を始める前に必ず締付け状態を確認する癖をつけて下さい。

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